カンボジアと言えばどのようなことを思い浮かべるでしょうか?アンコールワットがある東南アジアの国、といったところでしょうか。カンボジア人の技能実習生受入は、まだ実績が少ないですが近年増加傾向にあります。
仏教徒が多く穏やかな気質の国民性を持つカンボジア人は日本人と働くのに相性も良いです。技能実習生の雇用を考えている企業は、ぜひカンボジア人の技能実習生雇用を検討しましょう。
本記事では、カンボジア人の基本情報や技能実習生受け入れ状況、カンボジア技能実習生の特徴と受け入れの流れ・費用について解説します。
目次
●カンボジアの基本情報
カンボジア人の技能実習生の雇用を検討しているのであれば、まずはカンボジアの基本情報を把握しておきましょう。
- 正式名称:カンボジア王国
- 面積:181,035平方キロメートル
- 人口:15.3百万人
- 首都:プノンペン
- 民族:人口の90%がカンボジア人(クメール人)とされている。
- 言語:クメール語
- 宗教:仏教(一部少数民族はイスラム教)
引用元:カンボジア基礎データ|外務省
カンボジア人は、日本と反対に若者の人口が多い傾向にあります。そのため、若い人材を雇用することができるメリットがあります。また、国民の9割以上が仏教徒なので、仏教と繋がりの深い日本とも共通するところがあるでしょう。
カンボジアと言えば貧しい国のイメージがあるかもしれませんが、GDP成長率が約7%と東南アジアの中で成長率が1番高くなっています。なんとスマートフォンなど通信機器を所持している割合はおよそ120%で、携帯電話の契約数が固定電話の契約数を上回った世界初の国です。
カンボジアはベトナムとタイの間、東南アジアの中心にあります。日系企業が多く進出しており、最近はベトナムやタイの日系企業の工場を繋ぐ役割をさせる動きがあります。日本で技能実習生として知識を蓄え、母国の日系企業で活躍したいと希望する若者も多いです。
●カンボジアからの技能実習生受け入れ状況
出入国在留管理庁の在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表によると、日本の在留カンボジア人は令和3年12月時点で14,376人です。その内、技能実習生として在留しているカンボジア人は、7,475人います。
他の国と比べると技能実習生受入の実績は少なめですが、徐々に増加してきています。まだ日本での技能実習生としての受け入れにおけるベースができていないのは、メリットでもあります。失踪や違う仕事へのあっせんなどを促すコミュニティと無縁だからです。
せっかく受け入れてもトラブルが多発してしまっては困りますよね。その点、カンボジア人技能実習生の受け入れは安心できると言えます。
●カンボジア人技能実習生の特徴
続いて、カンボジア人技能実習生の特徴も知っておきましょう。カンボジア人技能実習生の特徴を把握しておけば、自社の雰囲気とマッチするかどうかを確かめることができます。
①農業・縫製産業との相性が良い
カンボジアは、農業と縫製産業を主産業とした国家です。そのため、技能実習生としてカンボジア人を受け入れる際には農業・縫製産業には特に馴染みがあります。農業・縫製産業で技能実習生の雇用を考えている企業は、カンボジア人がおすすめです。
何の経験もない人材よりは戦力になることは間違いありません。人手不足で少しでも戦力が欲しいという農業・縫製産業分野の事業者はカンボジア人技能実習生の受け入れを検討しましょう。
②仏教社会
カンボジア人は、9割以上が仏教徒です。宗教の自由は認められていますが、国教も上座部仏教と憲法で定められているほどです。しかし他の宗教と比べて仏教は日本でも馴染みが深いため、そんなに警戒する必要はありません。
食べ物の制限など細かい決まりもないので普通に接していて問題ないでしょう。日本でも馴染みのある仏教徒がほとんどのカンボジア人は、礼儀の考え方が日本人と似ています。このことからも、日本人と相性が良いと言えます。
③コミュニケーション能力に長けている
カンボジア人は家族が多い傾向にあり、コミュニケーション能力に長けている特徴があります。人数が多い場面でも、全体の空気を読んで言葉選びをしてくれます。礼儀正しい国民性でもあるので、お堅い考えが多く集まる職場でも上手くやっていけるでしょう。
文化や宗教の違いがあれど、コミュニケーション能力に長けていればトラブルは極力回避できます。日本人と似ている国民性なので、共生しやすい人種です。
④穏やかで純朴な人が多い
カンボジア人は穏やかで純朴な方が多いです。家族で協力し合って生きる習性があるため、協調性もあります。自分のペースでどんどん仕事を進めていくというよりは、周りの状況をしっかり見て協力しながら仕事を行います。
人間関係や失踪などのトラブルも起きにくく、互いに良い関係を保ちながら共生していくことができます。
⑤プライドが高い
穏やかなカンボジア人ですが、一方でプライドが高い面もあります。プライドが高い発言をするというよりは、人前で指摘されることをひどく嫌います。仕事を進めるうえで指摘や注意をしなくてはいけない場面もあると思います。
カンボジア人に限ったことではありませんが、できるだけ人前で指摘することはしないようにしましょう。自尊心を失ったり、ひどく落ち込んだりすると仕事へのモチベーションが下がってしまいます。
互いに上手く接するためには、相手の立場に立ったり相手の国民性に深く理解を示すことも大切です。
●カンボジア人の技能実習生の受け入れ
カンボジア人技能実習生の受け入れは、次の2パターンの方法があります。
- 企業単独型
- 団体監理型
企業単独型は技能実習生の求人から受け入れまでを全て自社で行う方法です。団体監理型は監理団体が技能実習生の求人募集から受け入れを代行してくれる方法です。
監理団体が全面的に技能実習生の雇用をサポートしてくれることから、9割以上の企業が団体監理型を選びます。ここでは、団体監理型での受け入れと費用について詳しくご紹介します。
①受け入れの流れ
団体監理型での技能実習生を受け入れる際の大きな流れは、次の通りです。
- 監理団体と契約する
- 監理団体を通じて求人を出す
- 採用面接などを経て採用者を決める
- 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
- 出入国管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
- 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
- 技能実習生を受け入れる
まず、監理団体に加入します。監理団体は複数あるので、団体のホームページや口コミなどでサポート内容や雰囲気など情報収集すると良いでしょう。また、監理団体は手厚くサポートしてくれますが、全て丸投げにはせずにコミュニケーションを怠らないようにしてください。
②受け入れ費用
それでは、団体監理型で技能実習生を受け入れるには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。おおよその費用相場は、次の通りです。
監理団体への加入 | ・入会費:1万~10万円 ・年会費:2万~15万円 |
JITICOへの加入 (監理団体によって加入必須) | ・年会費:10万~30万円 |
現地への事前訪問 | ・渡航費:約15万~25万円 |
技能実習生の入国準備 | ・在留資格申請:約2万~4万円 ・技能実習生総合保険料(37ヶ月分):約2万~6万円 ・健康診断費用:約1万円 ・入国前講習費:約1万5千円~4万円 ・入国渡航費:約10万円 |
入国後にかかる費用 | ・入国後研修:約10万円 ・講習手当:6万円 ・健康診断費用:約1万円 |
上記の費用は加入する監理団体や状況によっても異なります。合計で約51万~92万円ほどは見ておきましょう。監理団体の選択は、予算も含めて判断してください。
●まとめ
ここまで、カンボジア人の基本情報や技能実習生受け入れ状況、カンボジア技能実習生の特徴と受け入れの流れ・費用についてご紹介してきました。カンボジアは東南アジアで最もGDP成長率が高い国です。
他の国と比べると技能実習生の受け入れはまだ実績不足ですが、注目されています。カンボジア人は日本人との相性も良いので、職場でのトラブルも少なく済むことが期待されます。カンボジア人技能実習生をスムーズに受け入れ、採用課題を解決しましょう。
外務省 カンボジア基礎データ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/cambodia/data.html
出入国在留管理庁 在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表
https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html
カンボジア政府認定送り出し機関 HIRAYAMA Co.,Ltd. 技能実習制度について
http://hirayama-cambodia.com/contents.php
HABATAKE Co.,Ltd. カンボジアの笑顔を海外へ カンボジア人材を選ぶべき理由
https://www.cdl-global.com/reason-why-cambodian/
技能実習生.jp カンボジア技能実習生受入れが急増!カンボジア人の特徴3選
https://xn--rbtx3nwrr97jxmb.jp/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%8A%80%E8%83%BD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E5%88%B6%E5%BA%A6/cambodia/
くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介
https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja
ウィルオブ採用ジャーナル 技能実習生を受け入れる際にかかる費用をまるっと解説
https://willof-work.co.jp/journal/2592/