●技能実習制度の歴史
耳にするんだよね。技能実習制度ってやっぱり問題が多いのかなあ。
でも、対応策が取られている課題もたくさんあるわ。
今と昔とじゃ技能実習制度も変わっているのかな?
どのように過去の課題への対策が取られてたんだろう?
そもそも技能実習制度の歴史すら分からないや...
今回はそんな疑問に答えます!
①技能実習制度の始まり
技能実習制度の始まりは、1990年の入管法成立がきっかけで始まったといわれています。
当時の目的も現在と大きく変わらず、「高度な技術を持つ人材の輩出を通し経済発展に貢献すること」であり、国際貢献の意味を持っていたとされています。
・「研修」という活動を伴う在留資格が新たに作られ利用されていた
・期間は「研修」の在留資格では1年のみしか行われなかった
・在留資格の影響で、技能実習生は「研修生」として扱われた
「研修生」扱いだった外国人労働者は労働関連の法規が効かなかったの...
②入管法改正による変化
以上の課題を受け、政府は2010年に技能実習制度の改正を行います。
この改正のおかげで、新たに在留資格「技能実習」を作り、「労働者」として技能実習生を扱うことができるようになります。
更に、期間も「技能実習生1号(1年)」と「技能実習生2号(2年)」と3年に延長されました。
・入国後の1か月は座学講習が設けられる
・監理団体が技能実習生の受け入れを監理し、巡回などの業務拡大
・受け入れ停止期間や不正行為への罰則強化
③当時の技能実習制度の課題
・企業
-失踪しないよう携帯電話・パスポートを取り上げる
-最低賃金で多くの残業を強いる
-劣悪な住環境の提供
・外国の送り出し機関
-劣悪な対応
-実習生や家族に余分に金を請求し借金をさせる
-外国人技能実習生に失踪を勧める
・日本の監理団体
-実習生や企業との相談業務・巡回業務の怠慢
等
●技能実習制度の現在
二国間取決めの新設
現在、政府は外国の送り出し機関の質を担保するため、より技能実習を適切に行うため複数の送り出し国との間で二国間取決めを結びました。
具体的には、日本からの監理団体の許認可についての報告や、送り出し国の送り出し機関の認定、人権侵害をしないこと等が記載されています。
()内は二国間取り決め締結日
ベトナム(2017年6月6日)
カンボジア(2017年7月11日)
インド(2017年10月17日)
フィリピン(2017年11月21日)
ラオス(2017年12月9日)
モンゴル(2017年12月21日)
バングラデシュ(2018年1月29日)
スリランカ(2018年2月1日)
ミャンマー(2018年4月19日)
ブータン(2018年10月3日)
ウズベキスタン(2019年1月15日)
パキスタン(2019年2月27日)
タイ(2019年3月27日)
インドネシア(2019年6月25日)
「技能実習法」の立法
更に、2016年に政府は、「外国人技能の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」を作成しました。この法律には、監理団体の条件や技能実習計画の認定、罰則等について詳細に記載されています。
今後の展望
「技能実習制度」は、そんな外国人が日本で暮らせる唯一のチャンスなんだよね。
実際日本で働けて楽しかった!って帰国する技能実習生もたくさんいるのよ!
●まとめ
☆1990年に技能実習制度が始まり外国人労働者「研修生」として日本で技能を得ていた
☆2010年に入管法が改正し「労働者」として働けるようになり、監理団体の業務が拡大
☆二国間取り決めが結ばれ、送り出し機関の認定が必須になる
☆2016年に「技能実習法」が立法され監理団体の業務や許可などが厳格化され「外国人技能実習機構」も設立された
【参考元】