目次
1.岡山県で外国人を雇用したいと思ったら
岡山県は温暖な気候が特徴となっており、降水量1mm未満の日数が全国で一番多くなっています。気候によってマスカットや白桃、ピオーネなどの様々な果物が多く栽培されており、瀬戸内海では漁業も盛んです。四季それぞれの気候の変化を楽しめる観光地としても有名で、冬はスキー、夏は避暑地として人気でもあります。
そんな岡山県ですが、県内の人口数が年々減少していることはご存じでしょうか。岡山県内でも少子高齢化が進んでおり、各企業で人材不足が懸念されています。この人材不足の解消のため外国人の雇用をすすめる企業が増加しつつあります。
人口の減少に伴って懸念されているのが、産業分野の人材不足です。実際、日本人だけでは労働力を賄いきれず、外国人雇用を始める企業が増え始めています。
岡山県で外国人を雇用するには、主に以下の方法があります。
- 特定技能外国人の受け入れを行い、就業してもらう
- 特定技能実習生の受け入れを行い、雇用して就業してもらう
特定技能外国人とは、国内で人材不足が深刻である産業分野に対し、知識や経験、スキルを一定以上持っていることを証明できる在留資格を持った外国人のことです。採用後は研修などの期間を必要とせず、すぐに業務に就くことが可能となっています。一方で特定技能実習生とは、日本以外では習得が難しい技術や技能を習得してもらうための制度を活用している外国人のことを指します。
この在留資格を持っている外国人材を、ハローワークや日本語学校などに協力をお願いするなどして、募集し雇用していくといった流れとなります。
2.岡山県に外国人はどのくらいいる?
岡山県の総人口は2022年5月時点で1,864,901人、うち外国人の人数は24,075人でした。国籍別の人口は、2021年10月時点でベトナムが9,969人、 中国が 3,627人、フィリピンが1,354人となっています。他にもインドネシア、ネパール国籍の外国人が在住している様子です。
特にベトナム国籍の外国人は前年の同時期より635人増加し、一方で中国国籍の外国人は327人の減少が見られました。
在留資格別で見ると、技能実習が最も多く8,566人、留学生の数は3,095人となっています。専門的・技術的分野の在留資格者は3,795人で、うち半数以上となる2,901人が人文知識・国際業務に携わっています。
3.岡山県の外国人雇用状況
県内に在住する外国人は、現時点で24,075人です。そのうち留学生は3,095人、技能実習生は8,566人、特定技能外国人が3,795人となっています。外国人雇用を行っている事業所は県内で3,200事業所となっており、産業分野ごとの雇用状況は以下の通りです。
製造業 | 9,121人 |
卸売業・小売業 | 2,762人 |
農業・林業 | 261人 |
建設業 | 1,757人 |
教育・学習支援業 | 1,475人 |
宿泊業・飲食サービス業 | 1,139人 |
医療・福祉 | 827人 |
他に分類されないサービス業 | 1,751人 |
公務(他に分類されないサービス業を除く) | 104人 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 89人 |
運輸業・郵便業 | 435人 |
漁業 | 86人 |
不動産業・物品賃貸業 | 65人 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 498人 |
情報通信業 | 75 人 |
複合サービス事業 | 103人 |
金融業、保険業 | 32人 |
分類不能の産業 | 2人 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 0人 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 2人 |
岡山県は豊富な自然と四季折々のレジャーが楽しめる観光地としても有名であり、サービス業に就く外国人も多いようです。分野別に見る限りでは産業分野のうち製造業を行っている事業所が947事業所、従事する外国人労働者が9,121人と最も多くなっています。
4.岡山県で外国人技能実習生を受け入れるには
岡山県で外国人技能実習生の受け入れを行う場合には、監理団体への加入、技能実習生の受け入れ可能人数の確認や、受け入れができる職種の検討が必要となります。
一度に受け入れを行える人数には上限があり、技能実習生の区分や優良基準適合者の有無によって上限人数は変動します。また、受け入れが可能となっている職種にも定めがあり、技能実習生に任せられる職種になっているかの確認や検討が必要です。
産業分野によって対象となる職種数、任せられる作業の種類にもばらつきがあるため、注意して丁寧な確認を行いましょう。
産業分野別の対象職種数は以下の通りです。
農業関係(2職種6作業)
漁業関係(2職種10作業)
漁業関係(2職種10作業)
食品製造関係(11職種18作業)
繊維・衣服関係(13職種22作業)
機械・金属関係(15職種29作業)
その他(17職種30作業)
一般管理団体 厚生労働省認可 法務省認可「AN SONG協同組合」実習生対象職種
特定技能実習生を受け入れる方法は、「団体監理型」と「企業単独型」の2種類があります。協同組合、商工会などの非営利の監理団体が技能実習生の受け入れを行い、加盟企業が実習実施者となって技能実習を行う「団体監理型」という方法がひとつ。もう一方は実習を実施する企業が取引先企業などの職員を技能実習として受け入れる「企業単独型」という方法です。特定技能実習生の受け入れ方式として利用されている方法は「団体監理型」が多いです。
外国人技能実習生の受け入れを行う際、必要となる手順は以下の通りです。
- 監理団体に加入し、加入した監理団体に希望する人材の情報を伝え求人を出す
- 候補者が揃い次第面接を実施し、採用する人材を決定する
- 技能実習計画を立て、必要書類を準備して外国人技能実習機構に申請を行う
- 外国人技能実習機構から認可を受けたあと、出入国管理局に必要書類を提出
- 交付された証明書を雇用する外国人へ送付する
- 雇用する外国人に在外公館でビザを申請してもらい、申請が通ったあと日本への入国をしてもらう
- 雇用する外国人が日本に入国したら、監理団体による日本語・日本のルールに関する講習を1ヶ月間受講してもらう
- 講習終了後、受け入れ企業(採用を行った企業)で就業を開始する
外国人技能実習生の受け入れを行おうとしている企業からの依頼を受け、外国人材の募集、採用後の受入れまでの手続きなどをトータルサポートしていく団体が監理団体です。技能実習生を雇用した企業に対して、適正な業務内容などで技能実習を行っているかの監査や、必要に応じて企業側への指導を行う団体です。
5.岡山県で特定技能外国人を受け入れるには
特定技能外国人を受け入れるためには、受け入れを行う企業が次の14分野のいずれかに必ず該当している必要があります。
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 宿泊業
- 航空業
- 自動車整備業
- 造船・舶用工業
- 電気・電気情報関連業
- 産業機械製造業
- 素形材産業
- 建設業
- 介護業
- ビルクリーニング
上記のいずれかに該当していた場合、特定技能外国人の受け入れを行う手続きを進めることができます。手順は以下の通りです。
- 特定技能外国人として雇用を希望する外国人を募集し、希望者が集い次第面接を実施
- 採用する外国人の決定後、受け入れを行う企業と外国人との間で雇用契約を結ぶ
- 登録支援機関に委託、もしくは受け入れを行う企業にて支援計画を作成
- 必要書類を出入国管理局に提出し、在留資格の申請
- 申請通過後、出入国管理局から交付された証明書を雇用する外国人へ送付する
- 雇用する外国人に在外公館で外国人にビザを申請してもらう
- ビザ取得後、日本へ入国し就労開始
また、特定技能には「特定技能第1号」と「特定技能第2号」の2種類があります。特定技能第1号の場合は、人材不足が深刻であると認められた14の産業分野が対象となっており、特定技能第2号は2分野のみが対象です。
どちらの資格も指定された試験等を通過した場合のみ与えられるようになっています。しかし、特定技能第1号の場合のみ、一定の条件を満たせば特定技能実習から特定技能第1号への移行手続きを行うことが可能とされています。
特定技能第1号の場合は先述した14分野すべてが対象となっています。一方で特定技能第2号では、建設業と造船・舶用業が受け入れを行える分野です。
特定技能第2号の受け入れ分野の拡大は2021年ごろから検討されており、拡大が確定した場合には、特定技能第2号の対象として11分野が追加される予定です。
6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!
今回は岡山県の技能実習、特定技能を導入する方法について詳しく解説していきました。
少子高齢化による人材不足は全国的にも懸念されており、岡山県も例外ではありません。県内の製造業やサービス業では、人材不足の解消や生産性の向上のため、外国人材の雇用を行っている事業所が増えています。これから外国人材の雇用を導入しようと検討する企業も増えていくでしょう。
適切な雇用を行うためにも、まずは特定技能・技能実習について理解し、受け入れができる環境を整えておくことが大切です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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