目次
1. 滋賀県で外国人を雇用したいと思ったら
滋賀県は日本でも有名な工業発展県とされており、プラスチック、釜業、電気機械等の製造が特に盛んに行われています。県内にはアサヒビールモルト株式会社や日本電気硝子株式会社など、大手企業が本社を構えているのです。特にガラス製加工素材、プラスチック雨どいや雨どいの付属品などについては、過去に出荷額が全国で1位となった記録もあります。
また、滋賀県では日本最大級の湖「琵琶湖」も有名で、山や川などの豊かな自然にも恵まれています。歴史的遺産として日吉大社、金剛輪寺などもあるため観光地としても人気な県です。県内では観光業も盛んであり、外国人観光客に非常に人気なスポットとなっています。
こうした産業が発展を続けていますが、滋賀県の人口減少に伴って労働力の確保が難しくなっています。また企業の国際化に伴って、外国人雇用を行う企業が増えている傾向があります。外国人材の雇用は人材不足の解消だけではなく、企業のグローバル化や生産性の向上にも繋がるのです。
外国人の雇用には幾つかの事前準備が必要であり、思い立ったその日に雇用を始めるといったことはできません。滋賀県には「滋賀県外国人材受入サポートセンター」など、外国人材の採用に関する相談窓口があります。初めて外国人の採用をしたいと考えている場合には、「採用したい人数」や「事前準備に何が必要か」などを相談してみることがおすすめです。
2. 滋賀県に外国人はどのくらいいる?
滋賀県に在住している外国人のうち外国人労働者数は令和3年時点で20,881人です。外国人労働者のうち、ブラジル国籍が7,018人と全体の約3割を占めています。次に多いのがベトナム国籍の5,004人、中国国籍が2,720人、フィリピン国籍が2,151人となっています。
他にもインドネシア、ネパール、ペルーなどさまざまな国籍の外国人が滋賀県で働いているのが現状です。ブラジル、ベトナム、中国の3ヶ国が全体の半数以上を占めており、全体的に前年よりも外国人労働者数は増加傾向にあります。
一方で、滋賀県の人口は前年よりも減少しているといった結果が出ています。市町村別で見ると前年より人口が増えている市町村もありますが、減少がみられる市町村の方が多いのが現状です。
3. 滋賀県の外国人雇用状況
滋賀県内の企業のうち、令和3年時点で2,450事業所が外国人労働者の雇用を行っています。外国人雇用を行う企業は9年連続で増加傾向にあり、前年に比べ155事業所が増えました。
また、外国人労働者の受入れを行う企業が増加したことに伴い、外国人労働者も前年に比べ870人増えています。外国人労働者のうち「身分に基づく在留資格」を持つ人は3,741人で「技能実習」の在留資格を持つ人は4,267人、「専門的・技術的分野」の在留資格を持つ人は3,741人となっています。他にも「特定活動」や「資格外活動(留学)」なども含まれます。
滋賀県全体の少子高齢化が進む中、深刻な各産業の人材不足の解消が外国人労働者によって期待されるようになってきたのです。産業分野別の外国人労働者人数は以下の通りです。
製造業 | 9,936人 |
卸売業・小売業 | 1,093人 |
農業・林業 | 139人 |
建設業 | 598人 |
教育・学習支援業 | 289人 |
宿泊業・飲食サービス業 | 565人 |
医療・福祉 | 433人 |
他に分類されないサービス業 | 295人 |
公務(他に分類されないサービス業を除く) | 292人 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 177人 |
運輸業・郵便業 | 456人 |
漁業 | 0人 |
不動産業・物品賃貸業 | 31人 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 276人 |
情報通信業 | 41人 |
複合サービス事業 | 6,297人 |
金融業、保険業 | 21人 |
分類不能の産業 | 184人 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 0人 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 8人 |
4. 滋賀県で外国人技能実習生を受け入れるには
人材不足の解消や企業の国際化に向けて、外国人労働者の雇用を行う際には「特定技能実習」もしくは「特定技能外国人」の受入れ準備をする必要があります。いずれも日本で外国人が働くために必要な在留資格となっており、この在留資格を取得していない状態で外国人の就労を開始することは禁止されています。
「特定技能実習」は発展途上国出身の外国人に対して、日本の高いスキルを現場で習得し、帰国して母国に技術を広め国の発展に貢献してもらうという制度です。この制度を利用する際には、企業が下記の産業分野に該当している必要があります。
農業関係(2職種6作業)
漁業関係(2職種10作業)
漁業関係(2職種10作業)
食品製造関係(11職種18作業)
繊維・衣服関係(13職種22作業)
機械・金属関係(15職種29作業)
その他(17職種30作業)
一般管理団体 厚生労働省認可 法務省認可「AN SONG協同組合」実習生対象職種
上記に該当していたら、採用が可能な人数や雇用に伴う事前準備を始めましょう。「特定技能実習」では技術を習得してもらうことが目的のため、実習に集中できる生活環境を整えたり、受入れを行えるように社内規則の見直しなどを行う必要があります。何から進めればいいか迷ってしまう場合には、相談窓口や専門家に相談しましょう。
本格的に特定技能実習生の雇用をする場合には、協同組合などの非営利団体の監理団体に加入します。加入後は実習実施者として技能実習生の受入れを行う「団体監理型」という方法で、外国人労働者を雇用します。多くの企業はこの方法で技能実習生と共に働いています。
もう一方で「企業単独型」と呼ばれる雇用方法があります。「企業単独型」は企業が取引先企業の職員などを実習生として受入れる方法で、企業側が実習生に必要な書類や実習計画の作成、実習の実施、実施報告などを行うと言った流れです。初めて特定技能実習生の受入れを行う場合には、監理団体と連携を取りながら各種手続きをすすめられる「団体監理型」がおすすめになります。
5. 滋賀県で特定技能外国人を受け入れるには
「特定技能」は人材不足が深刻だと認められた産業分野で、採用後すぐ戦力になれる人材に与えられる在留資格です。「特定技能」の在留資格には試験があり、通過しなければ資格を取得することができません。
また「特定技能」は「特定技能第1号」と「特定技能第2号」の2種類に分かれます。それぞれで対象となる産業分野が異なり、現在「特定技能第1号」は14分野、「特定技能第2号」は2分野が対象となっています。
特定技能の対象となっている産業分野は下記の通りです。
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 宿泊業
- 航空業
- 自動車整備業
- 造船・舶用工業
- 電気・電気情報関連業
- 産業機械製造業
- 素形材産業
- 建設業
- 介護業
- ビルクリーニング
「特定技能第2号」は造船・舶用業と建設業が対象となっており、今後未来的に対象となる分野が増えていくことが予想されています。「特定技能第1号」は上記の全ての産業分野が対象です。
自身の企業が上記分野に該当するかどうかを確認し、該当する場合には以下の手順で採用を行っていきます。
- ハローワークなどで特定技能外国人として雇用を希望する外国人を募集する
- 希望者が集まったタイミングで面接を実施し、採用者を決定する
- 採用決定後、採用される外国人と採用する企業との間で雇用契約を結ぶ
- 登録支援機関へ委託して支援計画を作成、もしくは受入れを実施する企業で支援計画を作成する
- 在留資格を申請するために、出入国管理局に必要書類を提出する
- 申請が通過した後、出入国管理局から交付された証明書を採用した外国人へ送付する
- 在外公館で採用した外国人がビザを申請する
- ビザ取得後、日本への入国が完了次第、就労開始する
6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!
いかがでしたでしょうか。今回は滋賀県での「特定技能実習」「特定技能」を導入する方法について解説してきました。
滋賀県は日本でも有数の産業県です。今後も日本の産業を支えていくことを期待されており、更なる経済発展も見込まれます。人材不足の解消だけでなく、生産性の向上のためにも「特定技能実習」や「特定技能」の制度を上手く活用し、優秀な外国人材を雇用していきましょう。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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