日本では外国人雇用にはさまざまな方法がありますが、その中の1つに外国人技能実習制度が挙げられます。
外国人技能実習制度は誰でも好きなようにできるわけではなく、技能実習運用要領を方針にしながら各企業などは対応をしなければいけません。
また、外国人技能実習生になるには一定の条件を満たす必要があり、条件を満たしていなければ受け入れは不可能です。
今回は外国人技能実習制度や技能実習運用要領について解説をするので参考にしてみてください。
目次
外国人技能実習に関する運用要領が決められている
外国人技能実習に関する運用要領が決められていて、どのようにして技能実習をしていくかについては、定めておかなければ最終的な成果に大きな違いが生まれる恐れがあります。
また、技能実習運用要領は技能実習生を守るだけでなく、技能実習生を雇用している企業を守る目的も含まれているのが特徴です。
技能実習運用要領を守らずに行動をしていると、技能実習法に抵触する恐れもあるためしっかりと把握しておきましょう。
外国人技能実習生が正しい技術を身に着けられるのが目的
技能実習運用要領は外国人技能実習生が正しい技術を身に着けられるのが目的とされており、受け入れをしている企業は運用要領に記載されている内容を守りながら技術指導をしていきます。
また、企業側にも運用要領が提示されているのはメリットが大きく、どのようにして指導をしていけば良いか・どのような手続きが必要かについても、定められているので企業側は不明点があれば確認が可能です。
正しい技術を身に付けるのが最大の目的となっているので、技能実習運用要領を参考にしながら正しく技能実習計画を作成します。
技能実習運用要領がなければどうなるか
技能実習運用要領がなければ具体的な指導方法などもわからず、外国人技能実習生は本来の目的である技術を身に付けられないかもしれません。
他にも企業側は自分たちでも知らない間に法律に抵触してしまうリスクもあり、双方に対して良い環境を整備するのが難しくなります。
そういった事態を避けるために技能実習運用要領は重要といえ、双方が気持ちよく自分たちの責任と目的を果たすために参考にする資料といえるでしょう。
外国人技能実習制度について
外国人技能実習制度は正しい技術を学ぶのが目的ですが、外国人技能実習生にも雇用をする企業にもさまざまなメリットがあります。
日本の技術は世界的に見ても高いと評価されているため、母国の発展のために日本に来て技術習得を目指して事業に従事する制度です。
外国人技能実習制度は誰でも利用できるわけでなく、以下の要件が定められています。
- 同一の作業の反復のみによって習得できる技能ではないこと
- 技能実習生の本国において習得などが困難な技能を習得すること
- 18歳以上で帰国後に本国への技能などの移転に努めること
- 技能実習職種と同種の業務に従事した経験などを有すること
日本が先進国としての役割を果たし国際社会の発展に貢献する
技能実習制度は日本が先進国としての役割を果たし、国際社会の発展に貢献をするのが目的です。外国人技能実習生が日本で学んだ技術を本国に持ち帰り還元し、経済発展を促進する人材育成を担っている制度です。
日本では1993年から始められた制度になっていて、2017年11月には技能実習法が施行されました。
原則としては技能実習法に沿って技能実習制度は運用され、外国人技能実習生と雇用する企業が心配なく過ごせるように技能実習運用要領が重要です。
受け入れをする企業は単純に受け入れれば良いわけでなく、受け入れた外国人技能実習生が本国で経済発展に貢献できるような人材として育成しなければいけません。
国際協力の一環として技能実習制度は整備されているため、受け入れをする企業側が指導する外国人技能実習生は、本国の技術を大きく変える人材になるように指導をおこなうのが大切です。
日本の企業で青壮年を受け入れて働きながら最大5年間技術を学ぶ
日本の企業で青壮年を受け入れて働きながら、外国人技能実習生は日本で最大5年間技術を学びます。
技術習得に関しては、下記のように段階を踏みながら、高い技術を身に着けられるでしょう。
- 1年目 技能などを習得
- 2,3年目 技能などに習熟
- 4,5年目 技能などに熟達
また、外国人技能実習生と企業は雇用契約を結ぶため、企業側も受け入れるためには手続きや面接などの段階を踏まなければいけません。
企業側は外国人技能実習生が、本国で他の人に技術を教えられる練度まで指導をして、技術だけでなく知識についても熟達するサポート体制を整える必要があります。
日本で学んだ技術を母国に持ち帰って産業の発展に貢献する
日本で学んだ技術を母国に持ち帰って産業の発展に貢献し、本来であれば本国では習得などが難しかった技術を周りの人に教えます。
周りの人に教えながら自分も技術を磨いていけば、将来的には国内でも技術を身に付けている人が多くなるでしょう。
外国人技能実習生は技術や知識を学ぶために日本で事業に従事するため、将来的には本国で発達が止まっていた分野などを大きく進歩させる可能性もあります。
しっかりとした能力を5年で身に付けて本国に戻るためにも、技能実習計画に基づいて指導ができる練度になるように技能実習はおこなわれるのが特徴です。
技能実習の受け入れ方法は主に2種類ある
技能実習の受け入れ方法は主に企業単独型と団体監理型の2種類があげられ、2021年末では企業単独型が1.4%・団体監理型が98.6%と、多くの場合は団体監理型によって外国人技能実習生の受け入れをおこなっています。
どちらかの方法が優れていたり、劣っていたりしているわけではなく、外国人技能実習生を受け入れるためのルートや、受け入れた後の対応が違うだけといえるでしょう。
それぞれの受け入れまでの流れなどについても解説をするので参考にしてみてください。
企業単独型
企業単独型はその名前の通り企業が独自に外国人技能実習生の受け入れをおこない、海外の子会社や取引実績がある海外の企業などから受け入れる方法です。
全体数から見ても珍しいパターンといえ、外国人技能実習生を受け入れるには外国人技能実習機構に各種書類を提出しなければいけません。
監理団体を通さずに外国人技能実習生の受け入れをするため、必要になる費用は抑えられますが受け入れに必要になる手続きは企業がすべておこないます。
過去に外国人技能実習生を受け入れていない企業などでは、必要書類などを外国人技能実習機構に確認しながら進めるのが大切です。
団体監理型
団体監理型は非営利団体にあたる事業協同組合や商工会が受け入れをおこない、それぞれの組合に加入している企業で技能実習をおこないます。
外国人技能実習の受け入れは圧倒的に団体監理型が多く、在留資格の確認や実習計画の作成指導などを監理団体が担当するため、受け入れ企業の書類関係の負担は大きく抑えることが可能です。
そのため企業が外国人技能実習生を初めて受け入れる際にもサポートが手厚く、わからない部分があれば監理団体へ問い合わせれば解決するケースは多いといえるでしょう。
外国人技能実習制度で正しく技術を身に着けるためにも運用要領は重要
外国人技能実習制度は外国人技能実習生に日本で正しい技術を学んでもらって、本国に帰った後には本国の技術発展ために周りに指導をできるように練度まで高めるのが目的です。
それぞれの国で高い技術が根付けば経済発展にも貢献ができると考えられており、日本では国際社会の発展を目的として外国人技能実習生に対して積極的に技能実習をおこなっています。
受け入れをしている企業は外国人技能実習生が本国で技術発展に貢献をするため、高い技術力を身に着けられるように意識するのが大切です。
外国人技能実習制度で正しく技術を身に着けるためにも、外国人実習生と受け入れ企業の両方を守る側面を持っている技能実習運用要領はしっかりと、把握しておきましょう。
<参考記事>
外国人技能実習機構 技能実習について
https://www.otit.go.jp/info_seido/
厚生労働省 技能実習制度 運用要領
https://www.mhlw.go.jp/content/000899641.pdf
外国人採用サポネット 技能実習生とは?制度や問題点・受け入れ方法をわかりやすく解説
https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/visa/9027
国際人材協力機構 外国人技能実習制度とは
https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/