特定技能の特徴と受け入れのポイントを解説!初めて受け入れを検討する企業向け

企業は人材募集する際に日本人だけでなく、外国人も含めて幅広く雇用を検討することが増えています。厚生労働省は2019年10月の発表で、外国人労働者は約166万人であることを公表しており、2008年の48万人ほどから10年ほどで3倍以上も増加しています。

今では外国人雇用も主流になっており、以下のような理由があげられます。

  • 政府が推進している高度外国人材や留学生の受け入れ
  • 在留資格を満たす人の就労が推進
  • 特定技能の受け入れ制度による人材確保

本記事では、外国人を雇用するしたいという企業が「特定技能制度」を利用して、外国人を受け入れる際のポイントについて紹介します。

特定技能とは何か?

特定技能とは、2019年4月に導入された新しい在留資格です。日本は少子高齢化の影響により国内で労働力を確保することが難しい状況になっています。

そのため、14個の業種の中で外国人の就労を認めて、労働力不足を解消する動きがあります。特定技能に含まれている業種は以下の分野です。

  • 建設業
  • 造船、舶用工業
  • 自動車整備業
  • 航空業
  • 宿泊業
  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気電子情報関連産業

この中の職種で働くなら、外国人は在留資格を得て仕事をしながら生活できます。企業側も外国人労働を受け入れやすくなるため、利用を前向きに考えられるでしょう。

特定技能の特徴

特定技能には種類があり、1号と2号に分かれています。1号よりも2号の高い技能水準を求められていることから、2号では在留期間や家族の帯同など優遇されています。それぞれについて、詳しく解説します。

特定技能1号

特定技能1号は特定産業分野において相当程度の知識、または経験を持つ外国人に向けた在留資格です。これは、特別に訓練や研修などをしなくても、企業が求める一定の業務を行えることが条件になります。

特定技能1号の資格取得には、日本語がしっかり話せて、コミュニケーションをスムーズに行える必要があります。ビジネス用語なども含まれることがあるため、語学の要求は高めと言えます。また、仕事に関する知識や経験も重要視されており、試験に合格する必要もあります。

そして、特定技能1号で日本に在留できる期間は通算で5年になり、家族は帯同して日本に住むことができません。また、すべての国の人が対象となっているわけではなく、特定技能において二国間協定を締結している国のみです。

対象国はたとえば、フィリピンやカンボジア、ネパール、ミャンマー、ベトナム、パキスタン、タイなど合わせて12カ国あります。企業側は、この対象国から特定技能の外国人労働者を受け入れることが可能です。

特定技能2号

特定技能2号は1号の修了者が望む場合に、取得できる在留資格になります。外国人労働者が引き続き日本で仕事をしたい場合に、特定技能2号の条件に当てはまるなら、そのまま在留資格を持って業務を行ってもらえます。また、特定技能2号になれば家族も在留資格を得ることができ、日本に住むことが可能です。

ただ特定技能2号の場合は熟練された技能が必要となり、1号よりも要求難易度は高くなります。また移行できる仕事の分野が決まっており、2021年の段階では以下の2つです。

  • 建築業
  • 造船、舶用工業

特定技能1号よりも分野が狭いですが、対象分野の追加を検討しており、分野は広がることになるようです。具体的に対象となっているのは以下の分野です。

  • 飲食料品製造業
  • 農業
  • 産業機械製造業
  • 素形材産業
  • 外食業
  • 電気・電子情報関連産業
  • ビルクリーニング
  • 漁業
  • 自動車整備
  • 宿泊
  • 航空

それぞれの分野は無期限で労働できる環境が整う見通しであり、特定技能1号とは違って長期的に外国人を受け入れられます。

特定技能と実習技能の違い

外国人労働者は特定技能試験に合格することで在留資格を得られますが、技能実習ビザという資格を得ることでも在留資格を得ることが可能です。この2つは混同されることがありますが、いろいろな分野で違いがあります。

まず目的ですが、特定技能は人手不足解消ですが、技能実習は外国人の研修です。そして、対応される職種で見ると、特定技能は14種類ほどで少ないですが範囲内で転職も可能です。

しかし、技能実習は80種類と職種範囲は広くても転職は不可という条件です。受け入れ国は特定技能の場合は限定的ですが、技能実習の場合は制限がありません。

特定技能と実習技能では、いろいろと違う分野があるため、別物として認識しておくことが大事です。

特定技能評価試験とは

外国人労働者が特定技能を取得して日本で働くためには、従事できる14種類において技能水準を評価する試験を受ける必要があります。

業種ごとに試験内容や開催場所、日程などに違いがあり、試験も技能だけでなく学科も設けられているなど、受け入れ先によって異なるため、難易度も変わります。

ただ、基本的に共通しているのは以下の2つの条件です。

  • 満17歳以上
  • 法務大臣が告示で定める退去強制令書の執行へ協力する外国政府、あるいは地域の権限がある機関が発行元の旅券を所持している

試験内容については、たとえば建設業の場合は建築関係の技能や知識が必要になります。ダクト板金や内外装板金のやり方や知識、大工工事、鉄筋組み立て、タイル貼りなど、建築業でも分野によって要求する技術に違いはありますが、日本の法律に沿って作業する必要があるので難易度は高いと言えます。

また外食業においても食品衛生において、適切な取り扱い方から調理、接客まで知識や技術が必要であり、管理能力も求められるため簡単ではありません。

さらに技能実習生の受け入れ人数も建設業に関しては、常務職員の総数を超えてはいけないため、制限があることを覚えておくべきです。

特定技能外国人の受け入れポイント

特定技能外国人を受け入れることを検討している企業が、欲している人材を受け入れるために意識しておくべき2つのポイントを紹介します。

会社が主体的に関わる

特定技能により外国人労働者を受け入れる場合は、雇用側が外国人の管理や指導を行うようにすべきです。登録支援機関も外国人労働に関して一定のサポートを行ってくれますが、細かい部分まで頼んでも希望通りに処置してくれるとは限りません。

むしろ、より面倒な事態へと悪化することもあるため、仕事の管理や実務についての指導などは企業側が積極的に行うのがオススメです。

雇用側が外国人労働者に関わっていくことで、人材と登録支援機関と良い関係を築けます。雇用側で対応が難しい場合はサポートを要求するのも良いですが、頼りすぎないようにバランスを保つようにしてください。

コミュニケーションを積極的に取る

外国人労働者とは、積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。特定技能で雇用されている外国人労働者は日本語もある程度スムーズに話せますが、日本人は外国人と話すことに抵抗を持つことも多いです。

外国人労働者を受け入れてもコミュニケーションをあまり取らなければ、仕事を覚えるスピードも遅く、職場でも良い関係を築きにくく、トラブルの元になったり効率性が落ちたりすることもあります。

そのため、日本人から外国人労働者にしっかり声をかけ、できるだけゆっくりと話すことを心がけることです。仕事において良好な人間関係も大事なポイントになるため、職場で指導する方にコミュニケーションを取るように指示しておきましょう。

特定技能受け入れのまとめ

特定技能制度を利用して外国人労働者を受け入れることで、人材を確保することが可能です。業種に制限はありますが、該当する場合は足りない労働力を補うことができるでしょう。

技能実習生と比べ、業務に知識・技術のある外国人を雇用できるため、即戦力として活躍してくれます。特定技能外国人を受け入れる際に意識すべきポイントもあるため、しっかり確認して作業効率を向上できるようにしましょう。

参考記事・URL

厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年 10 月末現在)

https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000590310.pdf

ウィルオブ採用ジャーナル 特定技能とはどんな制度?外国人を採用・雇用する前に知っておきたい注意点やポイントを解説

https://willof-work.co.jp/journal/3135/

ウィルオブ採用ジャーナル 2022年最新!外国人労働者を受け入れる方法は?メリットやデメリット、問題点も解説

https://willof-work.co.jp/journal/3151/

sky-i 特定技能外国人受け入れのポイント(注意点)

https://www.sky-i.co.jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E6%8A%80%E8%83%BD%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88-%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%82%B9/