特定技能ビルクリーニングの特徴や受け入れの注意点について解説

特定技能とは日本で労働人口不足している業界において、人手不足を解消するため、外国人材を受け入れて働いてもらえる制度です。

特定技能の対象になっている業界として、ビルクリーニングが1つとして挙げられ、2019年からの5年間で37,000人の外国人材を雇用すると予測されています。

外国人材はこれからビルクリーニング業界で重要になるため、受け入れの注意点などについても理解しておくのがオススメです。

特定技能ビルクリーニングの特徴や受け入れの注意点について、解説するので参考にしてみてください。

特定技能ビルクリーニングとは

特定技能ビルクリーニングとは、人不足が深刻なビルクリーニング業界において、建物の衛生状態を守るためにも外国人材の雇用が重要です。

日本のビルクリーニング業界は非正規雇用が多く、働いている年齢層も高齢者が多い傾向にあります。

結果として若い働き手が不足しているため、少し先の未来ではビルクリーニング業界で働いている若者は少ないでしょう。

ビルクリーニング業界では人材不足であることから、一人一人の負担が大きいことも労働力が定着しにくいことが原因となっています。

そのため外国人材の受け入れと合わせて、業界全体の労働環境整備などもおこなわなければいけません。

また、特定技能による外国人材は一定の専門知識と日本語能力を保有しているため、即戦力としての働きが期待できます。

特定技能ビルクリーニングを受け入れるメリット

特定技能ビルクリーニングを受け入れるメリットとして、外国人材が働いてくれて人手不足の解消につながります。

それだけでなく、業界全体の高齢者割合が低くなり、業界全体の若返りを狙うことも可能です。

現在では、特定技能ビルクリーニングの受け入れは最長5年間ですが、将来的には資格取得などすれば無期限での受け入れが可能になるかもしれません。

無期限での受け入れが可能になれば、労働力として長く働いてもらえることで企業側も仕事のスケジュール調整が簡単になるでしょう。

特定技能ビルクリーニングでおこなえる業務内容

特定技能ビルクリーニングでおこなえる業務内容は、ビルやホテルなどの建築物内部のクリーニング業務全般です。

ただし建築物内部といっても、住宅などは対象外になっているので注意するようにしましょう。

ビルやホテルなどのクリーニング業務だけでなく、日本人であっても従事する関連業務についても付随的におこなうことも可能です。

業務全体の割合として、クリーニング業務が付随業務を超えている必要があります。もし、付随業務が本業であるクリーニング業務の割合を超えていると、法律違反に該当するため注意しましょう。

特定技能ビルクリーニングの受け入れ方法

特定技能ビルクリーニングの受け入れ方法は主に以下の3つです。

  • 技能実習から特定技能への受け入れ
  • 海外で試験に合格した人材を採用
  • 留学生からの採用

中でも技能実習からの特定技能の受け入れ割合は多く、すでに技能実習で働いている外国人材をそのまま特定技能で雇用する方法も挙げられます。3つの受け入れ方法について解説していきます。

技能実習から特定技能への受け入れ

技能実習から特定技能への受け入れが多く、理由としてはすでに日本に慣れている外国人材が多いことです。

他にも技能実習2・3号終了した外国人材は特定技能に移行でき、後の2つと比較した場合に採用するのが簡単な傾向にあります。

技能実習を終了した場合は試験が免除されるため、技能実習時を良好に終了していればビルクリーニングの特定技能への移行が可能です。

海外で試験に合格した人材を採用

特定技能として採用するためには、海外で試験に合格する必要があり、ビルクリーニング分野特定技能第1号評価試験・日本語能力試験の2つが対象になります。

特定技能によって在留資格を得るために試験に合格した外国人材を、人材紹介会社などに依頼してマッチしている人材を採用する流れです。

ただし、海外で試験に合格した人材は日本に慣れていないため、最初の頃は日本に慣れるために時間が必要になります。

留学生からの採用

留学生からの採用を行う際は、留学生が日本で実施されるビルクリーニング分野特定技能第1号評価試験・日本語能力試験の2つに合格していなければいけません。

留学生でビルクリーニングに従事しているケースもありますが、留学生では週に28時間の就労制限が設けられています。

ただし、すでに働いてくれている留学生であっても、試験に合格して特定技能資格を得れば、留学生からの採用も可能です。

留学生の場合であっても日本での環境に慣れていることから、即戦力としての働きを期待できます。

特定技能ビルクリーニングの注意点

外国人材の受け入れを検討した段階から、注意点については抑えておいて受け入れができる状態にすることが重要です。

特定技能ビルクリーニングの注意点は以下の3つが挙げられます。

  • ビルクリーニング分野特定技能協議会の加入
  • 建築物環境衛生総合管理業に登録する
  • 受け入れ態勢を企業側も整える

それぞれの注意点について解説します。

ビルクリーニング分野特定技能協議会の加入

ビルクリーニング分野特定技能協議は特定技能・技能実習を、受け入れやすくするために設立された団体です。

受け入れをするためのサポートをしてくれるだけでなく、受け入れのために必要な情報・知識についても共有しています。

外国人材を雇用する際に、正しく特定技能について理解するのは重要であり、正しく理解ができていれば、問題が起こっても対応できるでしょう。

ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入タイミングとして、はじめて特定技能外国人材を受け入れてから4ヶ月以内です。

自分たちだけで対応するのが難しい状態になる可能性もあるため、状況に合わせて協議会への相談をするようにしましょう。

建築物環境衛生総合管理業に登録する

建築物環境衛生総合管理業に登録をしますが、どの企業でも登録できるわけではありません。

登録するためには、物的要件・人的要件・その他の要件を満たしている必要があり、満たしていない場合は加入を認めてもらうことは難しいでしょう。

物的要件には、二酸化炭素計測器・真空掃除機などの設備が挙げられ、人的要件には統括責任者・清掃作業監督者などが該当します。

最後のその他の要件については、作業方法や業務で使用する機械器具などの維持管理方法が問題ないかどうかです。維持管理方法は、厚生労働省が提示している条件を満たす必要があります。

受け入れ態勢を企業側も整える

企業側は受け入れ態勢を整え、外国人材が働きやすい環境を提供し、慣れていない日本で生活しやすいようなサポートも欠かせません。

生活面では、一人部屋を用意してプライベートを確保したり、市役所などへの訪問は同行したりするなどのケアも大切です。

給与面に関しては、同じ業務に従事している日本人労働者と同水準以上にする義務があり、不当に給与面を低く設定するのは法律違反に該当します。

残業代や深夜手当なども同様に支給する必要があり、日本人労働者には支払いをして外国人労働者に支払いをしないことは認められません。

待遇面も、福利厚生を用意して加入できるように手続きをして、日本人労働者と外国人労働者と分けて考えるのではなく、大切な従業員として考えることが大切です。

まとめ

特定技能ビルクリーニングによって労働力不足が解消できると考えられており、将来的には多くの外国人材がビルクリーニング業界で働くようになるでしょう。

受け入れ企業側にも受け入れ態勢を整える義務があるため、外国人材の受け入れを検討しているなら早めに環境整備することがオススメです。

現状では特定技能による受け入れ期間は最大5年ですが、特定技能自体が新しい制度になっているので制度改定がされて受け入れ期間が長くなるかもしれません。

<参考記事>

ビザ申請・帰化申請NAVI ビルクリーニング分野で特定技能外国人を雇用する-条件・業務内容・試験

https://visanavi-law.com/specific-skills/specific-skills-employment-condition-duties-content-examination.html

特定技能Online 特定技能「ビルクリーニング」|外国人を雇用するために必要な準備・ステップ・注意点とは?

https://tokuteiginou-online.com/specials/building-cleaning2/

協同組合ハーモニー ビルクリーニングで特定技能を受け入れるには?要件や業務内容などを解説

https://jc-harmony.com/tokuteiginou/build-cleaning/