【特定技能】外食業で外国人材を受け入れに必要な準備やポイントを解説!

特定技能は2019年4月に日本国内で人手不足が深刻な業界に対して、即戦力の外国人材を受け入れて人手不足の解消を目的として制定されました。

対象になっている業種の中に「外食業」が含まれており、顧客への多様化したサービスに対応するためには現状人手不足が深刻化しています。

今回は特定技能外食業で外国人材を受け入れるために必要な準備や、ポイントについて解説していきます。

外食業の現状

外食業の現状としては日本国内での家族の在り方の変化や外食産業の発展に加えて、インバウンドの増加によって需要は高くなりました。

これからも需要が下がることはなく一定以上の需要が継続すると考えられ、中長期的に考えた際に人手不足が問題になるでしょう。

また、サービスの多様化によって従業員に求められている内容も変化していて、顧客ニーズに応えるために企業側もさまざまな工夫をしています。

人手不足が原因で一人ひとりにかかる負担も大きくなっているため、心身ともに疲労が溜まって退職するケースは珍しくありません。

人手不足を解消し、負担を軽減させ、一人ひとりが働きやすい環境に整えることが大切です。

特定技能において外食業で任せられる業務

特定技能において外食業で任せられる業務は制限がほとんどなく、飲食物調理からホールでの配膳なども任せられます。

ほかにも外国人材が仕事に慣れてきたら在庫管理などを任せてもよく、幅広い業務を担当できる戦力として重宝されるでしょう。

外食業で対象となる業種としては以下などが挙げられます。

  • 食堂、レストランファーストフード
  • 外食を提供するカフェや喫茶店
  • テイクアウト専門店、宅配専門店

ただし、皿洗いや清掃などの単純労働だけを任せるのは認められておらず、外食業の根幹となる業務を任せなければなりません。

付随業務として皿洗いや清掃などを任せるのは問題なく、メインになる業務と付随業務の割合については注意しましょう。

接待は業務対象外

飲食業では「接客」は業務範囲の対象になっていますが、風営法で規定されている「接待」は業務範囲外です。

接待とは店側が主体になって個別に客を楽しませる行為を指していて、たとえばスタッフが客の隣に座って談笑するなどは接待に含まれます。

そもそも接待はお店が風俗営業許可を取っていなければ違反行為であり、行政処分や刑事罰の対象となります。

実際に外国人材が接待を合法的におこなっているお店もありますが、接待する場合は特定技能の在留資格では認められていません。

外食業で特定技能外国人を受け入れるのに必要な準備

外食業で特定技能外国人を受け入れるのに必要な準備は多く、支援計画作成などが必要になります。

支援計画とは特定技能で外国人材を受け入れる際に、職業生活や日常生活・社会生活をどのようにサポートするか定めたものです。

外国人材は自分が生まれ育った国ではない日本で生活するため、生活する中でわからないことや不安などが生じます。

支援計画は自分たちで作成するケースもある一方、ほとんどが登録支援機関に依頼して作成してもらいます。

登録支援機関に支援計画を作成してもらいながら、どのような受け入れ環境を整えるかアドバイスをもらうことがオススメです。

労働条件や報酬要件を日本人と同等にする

労働条件や報酬要件を日本人と外国人材で不当に扱うのは法律上認められていません。

労働条件とは労働時間や休憩時間・休日を指していて、ほかの日本人が働いている環境と同じ環境を提供します。

報酬要件は給与などを同じ業務に従事している日本人と同等以上にするのに加えて、残業手当や深夜手当・休日手当などの支払いのことです。

外国人材であっても36協定に同意して労働基準監督署に提出すれば、日本人と同じように労働基準法に則って残業しても問題ありません。

食品産業特定技能協議会の加入

食品産業特定技能協議会の加入は法律で義務付けられており、はじめて特定技能で外国人材を受け入れてから4か月以内に加入します。

食品産業特定技能協議会は農林水産省が管理しているため、必要書類を揃えて期限までに農林水産省のホームページからの提出が必要です。

役割としては外国人材の受け入れ状況について把握するのに加えて、受け入れ企業が外国人材を不当に扱っていないかなどの監視をおこないます。

ほかにも構成員同士で情報交換したり、困っていることがあれば相談したりできるのが協議会です。

外国人材が安心して仕事と日常生活が送れるようにサポートする

外国人材が安心して仕事と日常生活が送れるようにサポートしますが、どうしても外国人材の本国と日本では文化的な違いが発生します。

文化的な違いについて受け入れながらも、必要になる場面では指導して過ごしやすいようにしなければなりません。

ほかにも一人暮らしができる住環境を整えたり、各種手続きのサポートをしたりすることが求められます。

外食業で特定技能外国人を受け入れる際のポイント

外食業で外国人材を受け入れる際のポイントは以下の通りです。

  • 日本語試験と技能試験に合格した外国人材を探す
  • 技能実習からの移行
  • 特定技能での受け入れ期間は最長5年
  • 必要になる外食業技術を指導する

外食業で特定技能外国人を受け入れる際のポイントについて把握して、受け入れた前後に問題やトラブルが起きないようにしましょう。

日本語試験と技能試験に合格した外国人材を探す

特定技能の在留資格を取得するためには日本語試験と技能試験に合格して、各種手続きをおこないます。

受け入れ企業側は両方の試験に合格した外国人材を探し、自分たちの考え方などとマッチしている外国人材の雇用が大切です。

外国人材の探し方は求人サイトに求人情報の掲載や、エージェントにマッチしている外国人材を探すのを依頼します。

技能実習からの移行

ほかの特定技能では技能実習生からの移行が多いですが、飲食業では技能実習制度がないため移行での雇用ができません。

そのため、特定技能を取得している外国人材から探してくるか、留学生などでアルバイトしている外国人材が特定技能を取得して働くケースが多いです。

留学生でも一定の条件を満たしていればアルバイトができ、お互いに継続して働くことを望んでいるなら特定技能を取得できるようサポートしましょう。

特定技能での受け入れ期間は最長5年

特定技能での受け入れ期間は最長5年となっているため、5年を超えての外国人材を雇用はできません。

留学生としてアルバイトで働いている状態からの移行なら、留学生期間と特定技能期間は別で考えるので5年以上の勤務が可能です。

特定技能での受け入れ期間は5年であることを意識して、定められている期間を越えての雇用をしないようにしましょう。

必要になる外食業技術を指導する

特定技能で外国人材を受け入れる目的は人手不足解消であり、即戦力として飲食業に関する知識と一定水準以上の日本語能力を持っています。

しかし、実際に外食業として働くためにはお店ごとのルールや、接客方法などについても学ばなければなりません。

受け入れた側は必要になる外食業技術を指導して、外国人材が自分で考えて働けるような人材に育成します。

特定技能の場合は飲食物調理から接客まで幅広く任せられ、場合によっては在庫管理などの店舗の根幹になる業務まで任せられるでしょう。

特定技能外国人を雇用して外食業の人手不足を解消

外食業では人手不足が深刻化しているため、特定技能によって即戦力の外国人材を受け入れて人手不足解消が期待されています。

外食業ではほかの特定技能よりも任せられる業務範囲が広いことから、しっかりと指導できれば店舗運営に必要になる業務を任せられるでしょう。

外国人材を受け入れるためには受け入れ準備を整えて、外国人材が日本で仕事や日常生活を送りやすいようにサポートします。

受け入れるための準備が不十分であったり、特定技能についてしっかりと理解していなかったりなどは思わぬトラブルなどの原因になるので注意しましょう。

【参考記事】

農林水産省 外食業分野における外国人材の受入れについて

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/gaikokujinzai.html

特定技能Online 特定技能「外食」|外国人を雇用するために必要な準備・ステップ

https://tokuteiginou-online.com/specials/gaishoku/

Global HR Magazine 外食業で特定技能外国人を採用するには?

https://global-hr.lift-group.co.jp/67