目次
1. 和歌山県で外国人を雇用したいと思ったら
和歌山県は雄大な自然に恵まれており、伝統的な技法を用いた素材関連の産業や、家具、漆器などの生活関連産業が有名です。化学や機械金属などの産業では最新の技術が用いられ、日本人の生活のあらゆる場面を支えてくれています。
日本のグローバル化が進むにつれて、和歌山県でも更なる技術の発展を目指した積極的な国際経済交流が推進されるようになりました。和歌山県内では経済交流に伴い、外国人労働者の雇用を始める企業も増えています。
外国人材の受け入れを行うと企業の人材不足の解消や、生産性の向上などさまざまなメリットを得られます。特に少子高齢化が進み、人材不足が深刻化している産業については、大きな利点です。しかし、「外国人を雇用しよう!」と考えたその日から、すぐに雇用ができるという訳ではありません。
外国人労働者の受け入れをする際には、外国人労働者が働きやすいよう社内規則を整備したり、任せられる仕事内容を確認したりと、様々な事前準備をすることが必要です。初めて外国人材を雇用する際には、「和歌山県国際交流センター」や「和歌山労働局」の相談窓口に一度相談してみることをおすすめします。
2. 和歌山県に外国人はどのくらいいる?
和歌山県の総人口は令和3年10月時点で913,523人でした。和歌山県内に在住している外国人労働者は3,390 人です。外国人労働者の雇用をすすめる事業所が増えたことによって、和歌山県に住む外国人は年々増加していることが分かっています。
和歌山県に住む外国人に一番多いのはベトナム国籍で、令和3年10月時点で1,178人と全体の約3割を占める結果となりました。次に多いのは香港を含む中国国籍で559人、フィリピン国籍が500人となっています。他にもインドネシア国籍、タイ国籍、ネパール国籍、ブラジル国籍など、様々な国の外国人が住んでいます。
ベトナム国籍の外国人については、前年よりも205人の増加がみられました。加えて中国国籍、ネパール国籍などの他国の外国人も、和歌山県で働く人が増えています。しかし、和歌山県の総人口は減少傾向にあり、日本の少子高齢化の影響を受けていることが分かっています。
3. 和歌山県の外国人雇用状況
和歌山県では伝統ある技術を用いた産業や、最先端のスキルを利用した化学や機械金属の産業が有名です。こうした産業の発展と国際化を目指し、和歌山県内で外国人労働者の受け入れを行っている企業は、令和3年10月時点で933事業所となっています。
外国人労働者の受け入れを行う企業は、平成30年から令和3年にかけて増え続けています。グローバル化を進める事業所が多くなっていることに加え、少子高齢化による人材不足の解消のために、外国人労働者の雇用を検討する企業が増えていることが大きな理由です。
産業別の外国人労働者の雇用状況は以下の通りとなっています。
製造業 | 1,345人 |
卸売業・小売業 | 453人 |
農業・林業 | 108人 |
建設業 | 222人 |
教育・学習支援業 | 91人 |
宿泊業・飲食サービス業 | 248人 |
医療・福祉 | 372人 |
他に分類されないサービス業 | 267人 |
公務(他に分類されないサービス業を除く) | 70人 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 45人 |
運輸業・郵便業 | 48人 |
漁業 | 0人 |
不動産業・物品賃貸業 | 37人 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 26人 |
情報通信業 | 26人 |
複合サービス事業 | 24人 |
金融業、保険業 | 3人 |
分類不能の産業 | 5人 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 0人 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 0人 |
4. 和歌山県で外国人技能実習生を受け入れるには
和歌山県で外国人労働者の雇用を行う際、「技能実習」という制度を利用することができます。「技能実習」とは、発展途上国を母国に持つ外国人に対し実習を行い、日本の高い技術や知識を学んでもらう制度です。帰国後に技術を広め、母国の発展に貢献してもらうことを目的としています。日本人労働者と同じように雇用することができるので、人材不足の解消が期待されています。
「技能実習」には対象職種が限られており、雇用する際には以下の職種に該当している必要があります。該当していることが確認できたら、事前準備を行って技能実習生を受け入れられる環境を整えておくことが大切です。
農業関係(2職種6作業)
漁業関係(2職種10作業)
漁業関係(2職種10作業)
食品製造関係(11職種18作業)
繊維・衣服関係(13職種22作業)
機械・金属関係(15職種29作業)
その他(17職種30作業)
一般管理団体 厚生労働省認可 法務省認可「AN SONG協同組合」実習生対象職種
「技能実習」の対象職種は上記の通りです。該当している企業であれば雇用の準備を始めます。技能実習生の雇用には2通りの方法があり、多くの企業は「団体監理型」という方法で雇用を進めています。
「団体監理型」とは非営利の監理団体に加入し、実際に雇用を行う企業が実習実施者として技能実習生を受け入れる方法です。受け入れを行うためには、必要書類の提出や実習環境の整備、社内ルールの見直し、実習生の生活環境を整えるといった各種手続きが必要になります。こうした手続きを監理団体と共に進めていけるため、初めて外国人雇用を行う際に選ばれる雇用方法となっているのです。
もう一つの雇用方法は「単独企業型」と呼ばれ、企業の取引先となっている企業から外国人職員などを受け入れると言った方法です。「単独企業型」では全ての手続きを企業内で完結させる必要があるため、この方法を取っている企業は多くはありません。
5. 和歌山県で特定技能外国人を受け入れるには
和歌山県で外国人労働者を雇用する方法は、「技能実習」の他に「特定技能」といった制度を利用するやり方があります。「特定技能」とは人材不足が大きな問題とされている産業に対し、即戦力となる外国人人材を雇用することができる制度です。
「特定技能」で受け入れできる外国人は、就業する産業分野に対して一定の水準以上の高いスキルと知識を持っていることが前提とされています。そのため「特定技能」の在留資格を取得するためには、ある程度の実務経験と指定された試験に通過することが必要となっています。「特定技能」には「特定技能第1号」と「特定技能第2号」の2種類があり、対象となる産業分野が違います。
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 宿泊業
- 航空業
- 自動車整備業
- 造船・舶用工業
- 電気・電気情報関連業
- 産業機械製造業
- 素形材産業
- 建設業
- 介護業
- ビルクリーニング
上記の14分野が「特定技能第1号」の対象分野です。うち「建設業」「造船・舶用業」が「特定技能第2号」の対象分野となっています。
対象となる産業分野に該当していた場合に、以下の手順で特定技能外国人の雇用を行います。
- ハローワークに協力を仰ぎ、特定技能外国人として働くことを希望している外国人の求人をかける
- 応募者が集まり次第、面接を行って採用者を決定する
- 採用者が決まった後、採用予定の外国人と企業との間で雇用契約を締結する
- 外国人の採用をする企業、もしくは、採用する企業から委託された登録支援機関が支援計画書を作成する
- 出入国管理局に対し、在留資格を申請するための必要書類を提出する
- 在留資格の申請通過後、出入国管理局に交付された証明書を採用予定の外国人へ送付する
- 採用予定の外国人が在外公館でビザの申請を行う
- ビザ取得後、採用予定の外国人が日本へ入国したら就労開始する
6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!
いかがでしたでしょうか。今回は和歌山県で「技能実習」や「特定技能」の制度を利用して、外国人労働者を雇用する方法を解説してきました。
和歌山県の歴史は古く、受け継がれてきた伝統的な技術で素材関連の産業が盛んとなっています。一方で最新のスキルを利用した化学産業も、国内で有名な一面を持っています。どちらも今の日本には欠かせない技術であり、今後も日本の生活を支えてくれる大切な産業です。
加えて和歌山県全体ではグローバル化を推進しており、今後も更なる経済発展が期待されています。人材不足の解消だけではなく、高い技術を後世に残していくためにも、外国人雇用を検討する企業は少なくありません。
外国人労働者の雇用を検討しているのなら、まずは一度「和歌山県国際交流センター」や「和歌山労働局」に相談してみてください。
最後までご覧頂きありがとうございました。
【参考記事】