目次
●技能実習生の受け入れ方式
外国人技能実習生を受け入れる方式は「企業単独型」と「団体監理型」の2つがあります。2018年末では企業単独型の受入れが2.8%、団体監理型の受入れが97.2%となっています。
●企業単独型とは
企業単独型は、受け入れ先を「日本の企業」とし海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を直接受け入れて技能実習を実施する方式です。企業単独型で受け入れる場合は海外に事業所を持っている必要があります。
・外国にある支店、子会社、合弁会社など
・日本の1年以上の国際取引の実績 or 過去1年間に10億円以上の国際取引の実績があるもの
・日本の国際的な業務において厚生労働省などから認められている企業
企業単独型で受け入れる際の技能実習生の要件も存在します。
・海外の支店などの社員で、その事業所から転勤 or 出向する者
・習得しようとする技能等が単独作業でないこと
・18歳以上で、帰国後に日本で習得した技能等を活かせる業務に就く予定があること
・技能実習生が、保証金などを徴収されないこと
・また労働契約の不履行に係る違約金を定める契約などが締結されないこと
また、企業単独型では企業が主導となり講習や技能実習日誌の作成等を行う必要があります。
・講習を技能実習1号の活動時間の6分の1以上の時間行う
ー日本語
ー 日本での生活一般に係する知識
ー 入管法や労働基準法に係る知識
ー技能などの修得に資する知識
・技能実習指導員や生活指導員の配置
・技能実習日誌の作成
・技能実習生に対する報酬(給料を渡すこと)
・泊まる場所の確保や労災保険等の保障措置など
企業単独型のメリット
・技能実習生は自分の企業の職員であるため、人柄をよく知った上で技能実習生を受け入れることができる
・海外支社の社員の技能向上につながる
・一般的に失踪する確率が少ない
・管理費が発生しないため受け入れにかかったコストを回収しやすい
●団体監理型とは
団体監理型は、「監理団体」が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等(実習実施者)で技能実習を実施する方式です。
監理団体は、技能実習制度における活動の監督・取り締まり及び受け入れ企業への書類作成・通訳・巡回サポートなどを行ってくれる非営利団体です。団体監理型では、受け入れ先は実習実施者(企業等)ではなく監理団体となります。
企業単独型と同様、団体監理型にも技能実習生の要件が存在します。
・習得しようとする技能等が単純作業でないこと
・18歳以上で、帰国後に日本で修得した技能等を生かせる業務に就く予定があること
・母国で修得することが困難である技能等を修得するものであること
・本国からの推薦を受けていること
・日本で受ける技能実習と同種の業務に従事した経験等を有すること
・技能実習生が、保証金などを徴収されないこと。
・また労働契約の不履行に係る違約金を定める契約などが締結されないこと
団体監理型のメリット
・海外に事業所がなくても、受け入れが可能
・通訳スタッフによる言語サポート
・監理団体による巡回や監督で技能実習が透明化できる
・手続きや講習などを監理団体に代行してもらえるため、技能実習実施に集中できる
●企業単独型と団体監理型を比較
企業単独型 | 団体監理型 | |
---|---|---|
受け入れ先 | 企業 | 監理団体 |
実習生 | その企業の海外事業所社員 | 条件に合えば誰でも◎ |
監理費 | 企業内で完結可能 | 監理団体に払う必要あり |
手続き・書類作成・講習 | 企業で行う必要あり | 監理団体が代行サポートor 協力作成 |
実習生の面接・選抜 | 企業で行う必要あり | 団体と協力しながら企業が選抜を行う |
大企業には企業単独型がおすすめ
中小企業には団体監理型がおすすめ
●まとめ
☆企業単独型は、受け入れ先が企業のため全ての手続きを行う必要がある。更に、海外事業所や国際市場での実績があれば受け入れ可能
☆団体監理型は、受け入れ先が監理団体のため、企業は管理費を支払いサポートをしてもらうことが可能。様々な国の実習生を受け入れることができる
☆一般的には団体監理型を使う企業がほとんどである
☆大企業は企業単独型、中小企業は団体監理型がおすすめ!