●監理団体とは
①監理団体の役割
監理団体とは、技能実習生が安心して来日し、良い環境下で働いてもらうために
・配属後も給料はしっかり貰えているのか
・適正な実習が行われているか
・技能実習計画作成の指導
・入国前・入国後の講習
・監査、訪問指導
・母国語の相談窓口
等を、技能実習制度をスムーズに運用するために存在するのが監理団体です。
厚生労働省のサイトに計画書のモデル例が載っているから見てもらうとわかるんだけど、何の業務をどのくらいの期間どこで行うのかと、使用する機械や指導体制に関しても明記しないといけないよ。
②監理団体の種類
監理団体は、2つの区分があります。特定監理事業と一般監理事業です。
優良な監理団体と認定されると、特定監理事業から一般監理事業になることができます。
①団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務を行う体制
②技能等の修得等に係る実績
③法令違反・問題の発生状況
④相談・支援体制
⑤地域社会との共生
の5つの大枠の中に各チェック項目が点数化されていて、6割以上の点数を獲得すると【優良】と判断されます。
※6割以上の点数...120点中72点以上
例えば
これは法令違反・問題の発生状況の中にある採点項目です。
優良な監理団体について詳しく説明している記事があるので、もっと知りたい方は下記の記事をチェックしてください⇩
③監理団体の許可基準について
一緒に確認してみよう!
①営利を目的としない法人であること
地域経済の発展を目的として、法律に基づいて運営されている地域総合経済団体である商工会議所や、中小企業団体、職業訓練法人、農業協同組合、漁業協同組合、公益社団法人、公益財団法人等が該当します。
②監理事業を適正に行う能力を有すること
具体的には、3ヶ月に1回以上の定期監査をする時に
✴︎技能実習が実際に行われている現場で、しっかり実習がされているかの確認
✴︎技能実習責任者か技能実習指導員から報告を受ける
✴︎在籍技能実習生の4分の1以上との面談
✴︎実習実施者の事業所の設備確認と、帳簿書類の閲覧
✴︎技能実習生の宿泊施設等の生活環境の確認
をしなくてはいけません。
③第1号の技能実習生に対する入国講習の実施
④監理事業を健全に行うための財産を所有していること
最低いくら必要とは明記されていませんが、
✴︎2期分の貸借対照表
✴︎損益計算書(決算書)
を提出しなければいけません。
まだ団体を作ったばかりでそれらが揃っていない場合は、
✴︎貸借対照表
を提出しなければなりません。
※債務超過がある場合は、中小企業診断士などが作成した経営改善計画書などを提出する必要があります。
⑤個人情報の適正な管理のため必要な措置をとっていること
✴︎個人情報管理規程
を作成し、組織図とともに添付書類として提出する必要があります。
⑥外部役員もしくは外部監査を置いていること
指定外部役員、外部監査にも満たさなければならない要件があります。
⑴過去3年以内に養成講習を受けている方
⑵監理団体が実習監理を行う予定の技能実習実施企業、または過去5年間に監理した技能実習実施企業で、過去5年以内に役職員になっていない方
⑶②の配偶者または二親等以内の親族ではない方
⑷監理団体で過去5年以内に、役職員になっていない方
⑸監理団体で過去5年以内に技能実習の職種に係る事業を営む構成員になっていない方
⑹傘下以外の技能実習実施企業やその役職員ではない方
⑺他の監理団体の役職員ではない方
⑻監理団体が契約する外国送出機関で、過去5年以内に役職員になっていない方
⑼技能実習実施企業の役職員または構成員と、密接な関係を有していない方
(10)過去に技能実習に関して不正または不当な行為をしていない方
⑦基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎに係る契約を締結していること
●特定監理事業と一般監理事業の違い
①特定監理事業
特定監理事業は、技能実習1号と技能実習2号を受け入れることができます。
許可の有効期限は3年です。
前回許可期間内に改善命令や業務停止命令を受けていない場合は、有効期間が5年に延びます。
実習生の受け入れ可能人数も規定されていて、実習実施者の常勤職員総数により変動します。
技能実習1号の場合は、上記の表通りの人数で、2号の場合は2倍の人数が受け入れ可能です。
②一般監理事業
一般監理事業は、技能実習1号と技能実習2号、技能実習3号を受け入れることができます。
許可の有効期限は5年です。
前回許可期間内に改善命令や業務停止命令を受けていない場合は、有効期間が7年に延びます。
特定監理事業同様に、一般監理事業も受け入れ可能人数が定められています。
上記の表を基準に
技能実習1号の場合は2倍、技能実習2号の場合は4倍、技能実習3号の場合は6倍です。
監理できる技能実習の区分と許可の有効期間、受け入れ可能人数が違うんだね!
少しでも長く働いてほしかったり、3号の技能実習生を受け入れたい場合は一般監理事業と契約する必要があるよ。
●最後に...
2019年12月時点で、2800を超える監理団体が存在しています。
「数が多すぎてどこを選んだらいいかわからないよ...」って方は、まず技能実習生を何年間雇いたいのか、そのためには特定監理事業か一般監理事業どちらがいいのか、をまず考えたらいいかもしれませんね。
監理団体によって監理費用やサポート体制に若干の違いがあるので、そこも要チェックです。
【参考元】