「外国人雇用状況届出システム」って何?提出方法や注意点を解説

外国人労働者の雇用を考えている事業者は「外国人雇用状況届出」について学ぶ必要があります。日本では外国人労働者を雇用したときに「外国人雇用状況届出」をハローワークを通して厚生労働大臣に提出しなくてはいけません。

外国人雇用状況届出」は、外国人労働者の雇用状況の把握や外国人労働者を雇用する事業者への指導、再就職支援を目的としたものです。外国人労働者の雇用・離職の際に届け出ます。

外国人労働者を大量に抱えていたり、日々の業務が忙しない事業者にとっては、雇用・離職が発生する度にハローワークに出向くのは大変ですよね。そんなときは、「外国人雇用状況届出システム」を活用することをおすすめします。

本記事では、「外国人雇用状況届出システム」とは何なのか、提出方法や注意点、提出期限などを解説します。

「外国人雇用状況届出システム」とは?

外国人雇用状況届出システム」とは、オンラインで「外国人雇用状況届出」を届け出ることができるシステムのことを言います。外国人雇用状況届出」は外国人労働者の雇用・離職時に届け出ることが義務付けられている届出です。

外国人労働者の雇用・離職が発生する度、「外国人雇用状況届出」の提出のためにハローワークに出向く手間を緩和するために設けられました。外国人労働者を積極的に雇用している企業にとってはとても便利なシステムです。

「外国人雇用状況届出システム」での提出方法

「外国人雇用状況届出システム」で「外国人雇用状況」を提出するには、まずユーザー登録が必要です。ユーザー登録は、「外国人雇用状況届出システム」ホーム画面下の「ユーザーID新規登録」から行うことができます。

また、外国人労働者が雇用保険に加入するか否かによっても提出方法は変わります。「外国人雇用状況届出システム」の操作方法は「外国人雇用状況届出システム操作マニュアル」にも詳しく記載されていますので、併せて確認してください。

マニュアルを確認してもわからなければ、ハローワークに問い合わせるかハローワークでの申請を実施しましょう。

外国人が雇用保険の被保険者である場合

外国人労働者が雇用保険に加入する場合、ハローワークでの手続きでは「雇用保険被保険者資格取得届」を提出することで「外国人雇用状況届出」も兼ねています。電子申請ではどのような手順で手続きするのでしょうか。電子申請の申請方法は、次の通りです。

  1. 「外国人雇用状況届出システム」にログインする

2.「雇用保険被保険者社資格取得届」と「雇用保険被保険者資格取得届外国人労働者在留カード番号記載用(別様式)」を入力・添付する

電子申請での申請方法も、ハローワークでの手続きとほとんど変わりありません。

外国人が雇用保険の被保険者でない場合

外国人労働者が、雇用保険に加入する必要のない条件のもと働く場合、雇用保険に加入しないという選択も可能です。

雇用保険に加入しないのであれば、「雇用保険被保険者資格取得届」の提出は必要ありません。外国人労働者が雇用保険に加入しない場合の電子申請方法は、次の通りです。

  1. 「外国人雇用状況届出システム」にログインする

2.「外国人雇用状況新規登録」のページから必要な情報を入力する

雇用保険に加入しない外国人労働者の電子申請方法は、シンプルで分かりやすいです。

「外国人雇用状況届出システム」を使用する上での注意点

「外国人雇用状況届出システム」を使用する上での注意点は次の通りです。

  • 1度でもハローワークに「外国人雇用状況届出」を提出したことのある事業者はオンライン上でログインID・パスワードを取得できない
  • 届出が途中なのにも関わらず、届出完了したと勘違いしないように注意が必要

まず、「外国人雇用状況届出システム」にはログインID・パスワードが必要となります。しかし1度でもハローワークに「外国人雇用状況届出」を行ったことがある事業者はオンライン上でID・パスワードの取得ができません。

1度でもハローワークに「外国人雇用状況届出」を提出したことがある場合は、ハローワークに連絡して電子申請に切り替えてもらう必要があります。

そして、オンライン上での申請でありがちなのが、届出を最後まで完了していないにもかかわらず、完了したと思い込んでしまうという点です。途中でインターネットの接続が切れてしまいうまく届出が完了していないということもあります。

オンライン申請での注意点を把握したうえで、登録状況をその都度念入りに確認しながら届出作業を進めましょう。

「外国人雇用状況届出システム」で届出する期限

「外国人雇用状況届出システム」で届け出る期限は、ハローワークに直接届け出る期限と同じです。そのため、入社日の翌月末日が「外国人雇用状況届出システム」の届出期限となります。

外国人雇用状況届出」をオンラインで提出する場合、手軽な分ぎりぎりまで作業を放置してしまいがちなので注意しましょう。ユーザー登録ができない、外国人労働者の数が多すぎるなど期日に間に合わないときは、ハローワークに事情を説明してください。

外国人雇用状況システムで届出を怠った場合

「外国人雇用状況届出」は、届出が義務化されています。ハローワークで届け出る場合も「外国人雇用状況届出システム」で届け出る場合も、届出を怠ったり虚偽の届出をすると30万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

ただし、罰金が課せられるのは故意的な場合に限るので、届出の期日が過ぎてしまったり、届出の内容にミスがあった場合はすみやかにハローワークに連絡を入れましょう。虚偽の申請をしないための注意点は次の通りです。

  • 在留資格が業種に適しているか確認する
  • 在留期間が越えていないか確認する
  • 偽造された在留カードではないか確認する

在留資格が業種に適しているか確認する

在留資格が業種に適していないと、不法就労を疑われる場合があります。また、事業者も「不法就労助長罪」に問われる可能性もあります。

留学生を新卒で雇用する場合や外国人労働者を中途で雇用する場合には、在留資格と業種が適していない場合があります。しかし外国人労働者の経歴によっては、就労ビザを再申請すれば新たな業種に適した在留資格を取得できます。

就労ビザの在留資格と業種が適していない場合には、就労ビザを申請しなおさなければいけません。就労ビザ再申請の手続きが必要であることを失念していたり、手続きをし忘れたまま「外国人雇用状況届出」を提出しないように確認は念入りに行いましょう。

在留期間が越えていないか確認する

在留資格だけではなく、事業主は雇用する外国人労働者の在留期間も確認しましょう。在留期間が越えている場合は不法滞在となってしまいます。雇用する外国人労働者が不法滞在なわけがないと思い込み、見逃す可能性もあるので注意してください。

在留期間を越えて滞在している外国人労働者を雇用すると、事業者も「不法就労助長罪」に問われる場合があるので、十分注意しましょう。

偽造された在留カードではないか確認する

偽造された在留カードの売買がSNSなどで行われていて、意外と身近で起きているかもしれません。偽造された在留カードを欲しがる外国人労働者は、在留資格を偽造したり在留期間を偽造したい外国人です。

在留資格や在留期間を偽造している外国人労働者を雇用すると、事業者も「不法就労助長罪」に問われる場合があります。注意しましょう。

【まとめ】外国人雇用状況届出システムを活用して手続きをスムーズに済ませよう!

外国人労働者を雇用したとき、「外国人雇用状況届出」の提出が義務化されています。「外国人雇用状況届出システム」は、外国人労働者の雇用・離職の度にハローワークに出向く手間を省くため、オンラインでの届出を可能にしたシステムです。

日々の業務が忙しい事業者や雇用・離職の外国人労働者数が多い事業所の場合は、「外国人雇用状況届出システム」はとても便利です。外国人労働者を雇用するにあたって「外国人雇用状況届出システム」を活用し、スムーズな手続きをしましょう。

外国人雇用状況届出システム

https://gaikokujin.hellowork.mhlw.go.jp/report/001010.do?action=initDisp&screenId=001010

外国人雇用状況届出システム操作マニュアル

https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/gaikokujin_manual.pdf