目次
1. 沖縄県で外国人を雇用したいと思ったら
外国人の雇用はさまざまなメリットを生みます。特に少子高齢化が深刻化している日本では、労働者人口確保のために外国人の雇用は重要です。沖縄県でも同様で、年々外国人を雇用する事業所は増加傾向にあります。
外国人の雇用は人手不足解消以外にも、次のようなメリットがあります。
- 企業のグローバル化
- 社内への良い刺激
しかし、同時に懸念点もあるため心づもりをしておいた方が良いでしょう。まず、文化と宗教の違いがあります。ほとんどの外国人は日本人とは異なる文化・食生活の中で生きてきたため、日本で当たり前のことが通用しない場合があります。
また日本で馴染みの少ない宗教への信仰心が高い方も多いです。知らぬうちにタブーな発言をしないように十分気を付けましょう。そして、外国人を雇用するには、日本人の雇用と違って在留資格や期間なども注意しておかなくてはなりません。
雇用契約も、双方がしっかり理解をしておく必要があるため、日本語と外国人材の母国語とで2部作成しておいた方が安心です。これらの懸念点を十分把握した上で、外国人の雇用に挑戦しましょう。
本記事では、沖縄県で外国人の雇用を検討している企業向けに沖縄県の外国人人口と外国人雇用状況、技能実習・特定技能での受け入れ方について詳しく解説します。
2. 沖縄県に外国人はどのくらいいる?
沖縄県で外国人の雇用を検討するのであれば、外国人人口がどのくらいなのかを把握しておきましょう。沖縄県に住む外国人であれば、県内で仕事を探すはずです。沖縄県のホームページによると令和4年9月時点で在留外国人数は19,293人います。
地域別でみると、那覇市が最も多い4,753人です。男女別に見ると男性が11,007人、女性が8,286人と男性の割合の方が多いです。沖縄には米軍基地があることから、外国人を雇用することで得られるメリットは他の都道府県よりも多そうです。
沖縄県では、在留外国人が住みやすい街づくりの一環としてさまざまな取り組みを行っています。沖縄県のホームページで閲覧できる「外国人住民のための防災パンフレット」は、やさしい日本語で災害が起きたときにすべきことが書かれています。
また、沖縄県国際交流・人材育成財団国際交流課のホームページでも、「外国人のための防災ハンドブック」が公開されており、こちらは日本語だけじゃなく英語・中国語・韓国語・スペイン語・ネパール語・ベトナム語で公開されています。
また、介護福祉士資格の取得を目指す外国人留学生に向けた奨学金支給支援事業も行われています。そのまま沖縄県で就職する留学生も多いのではないでしょうか。
このように、沖縄県では在留外国人が住みやすい取り組みや外国人が留学に挑戦しやすい取り組みを行っています。これからも沖縄県は外国人人口が増えることが期待できます。
3. 沖縄県の外国人雇用状況
沖縄県での外国人雇用状況はどのようになっているのでしょうか。外国人雇用状況を知ることで、自社での外国人雇用を具体的に検討する判断材料となるでしょう。令和3年10月末時点で沖縄県の外国人労働者数は10,498人で、外国人を雇用する事業所数は2,555か所でした。
外国人を雇用する事業所数は、外国人雇用状況の届出が義務化されてから過去最高の数となりました。外国人雇用によって得られるメリットに注目している企業が多い現れでしょう。国籍別に見ると、ベトナムが2,476人と1番多く、次いでネパール・フィリピンとなっています。
沖縄県で働く外国人労働者が従事している産業分野は、宿泊業・飲食サービス業が1番多い結果となりました。沖縄県では、ホームページ内で「外国人労働者が働きやすい工夫をしている企業事例集」を掲載しています。
外国人を雇用する企業はこれを参考に切磋琢磨できるでしょう。これから沖縄県で外国人の雇用を検討している企業も、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
4. 沖縄県で外国人技能実習生を受け入れるには
沖縄県で技能実習生として働く外国人材は、令和3年10月時点で2,668人です。技能実習は、沖縄県で働く外国人が所持する在留資格の中で2番目に多い割合で、全体の25.4%となっています。
技能実習は平成5年に制度化され、平成29年に在留資格となりました。日本で働きながら知識・技術を修得してもらい、帰国後に母国で活かしてもらうことを目的とした制度です。在留期間は最長5年で、延長したい場合は特定技能に移行することも選択肢のひとつです。
企業が外国人材を技能実習生として受け入れるには、次の2つの方法があります。
- 企業単独型
- 団体監理型
9割以上の企業が団体監理型での受け入れ方法を選びます。ここでは団体監理型について詳しく解説します。団体監理型での技能実習生受け入れ手順は、まず監理団体に加入する必要があります。
監理団体は複数個所あるので、団体の詳細を確認して自社に合った団体を見つけましょう。団体監理型での技能実習生受け入れ手順は、次の通りです。
- 監理団体と契約する
- 監理団体を通じて求人を出す
- 採用面接などを経て採用者を決める
- 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
- 出入国在留管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
- 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
- 技能実習生を受け入れる
技能実習生の採用から受け入れまで代行サポートしてくれる監理団体ですが、全て丸投げせずに適宜コミュニケーションをとると良いでしょう。
5. 沖縄県で特定技能外国人を受け入れるには
沖縄県で特定技能として働く外国人材は、令和3年10月時点で299人です。前年と比べると194人増加しました。特定技能は平成31年4月に新しく在留資格に加わりました。まだ新しい在留資格なので、これからさらに人数が増加していくことが期待できます。
特定技能の新設によって、人手不足が深刻化している14の産業分野を対象に外国人材の雇用が認められました。特定技能が対象となる14の産業分野は次の通りです。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
自社の業務が、特定技能の対象となる14産業分野に一致していないと、特定技能として外国人を受け入れることができません。その場合、他の在留資格での雇用を検討するしかありません。
また、特定技能として外国人を受け入れるには企業側にも次のように求められる要件があります。
- 特定技能として雇用する人材の労働時間は、フルタイムであること
- 給与水準が日本人と同等かそれ以上であること
- 社会保険や労災保険、その他福利厚生を平等に適用すること
- 有給取得が利用できること
特定技能として外国人材を受け入れたければ、上記を約束して外国人にとっても働きやすい環境を整えておく必要があります。外国人を特定技能で受け入れるには、求人を出す必要があります。
- 外国人向け就職・転職サイト
- 外国人雇用サービスセンター
- 大学・日本語学校
- 自社のホームページ・SNS
求人を出す方法はさまざまありますが、特に上記の方法がおすすめです。外国人向け就職・転職サイト、外国人雇用サービスセンターでは外国人雇用に関する情報収集もできるので、ぜひ活用しましょう。
6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!
ここまで、沖縄県で外国人を雇用したい企業向けに沖縄県に住む外国人人口、雇用状況、また沖縄県で技能実習・特定技能として受け入れる流れについて詳しく解説してきました。沖縄県では、外国人にとって住みやすい環境を作るべく尽力しています。
また、外国人を雇用しやすいようにサポートも行われています。沖縄県での外国人雇用は、特に技能実習・特定技能がオススメです。技能実習・特定技能それぞれの特徴を理解し、受け入れの流れを把握し、採用課題を解決しましょう。
沖縄県ホームページ 推計人口
https://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/tokei/jinko/estimates/bybt/estimates1.html
沖縄県ホームページ 外国人技能実習生等受入企業緊急支援事業補助金のご案内
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/shoko/rosei/kaihatsu/gaikokujinukeire.html
厚生労働省 沖縄労働局 沖縄労働局における「外国人雇用状況」の届出状況まとめ
https://jsite.mhlw.go.jp/okinawa-roudoukyoku/jirei_toukei/tokei-siryo_00001.html
沖縄県国際交流・人材育成財団国際交流課 外国人のための防災ハンドブック
https://kokusai.oihf.or.jp/project/saigaisapport/handbook/
外国人労働者アクセス 沖縄県の生産年齢人口と外国人労働者数(令和3年10月末現在)
https://gai-access.com/okinawa/
Global HR Magazine 技能実習生を採用するには?募集から在留資格申請までの4つのステップ
https://global-hr.lift-group.co.jp/182
くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介
https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja
外国人採用サポネット 特定技能とは?制度や試験方法、技能実習との違いを解説
https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/visa/1420