ウズベキスタンの技能実習は、平成27年から始まりました。しかし、当時は公的機関である対外労働移民庁が送出しを担っていたため、なかなか浸透しなかったのが現状でした。令和元年にウズベキスタン民間の機関が送出しを始め、徐々に浸透してきています。
ウズベキスタンは親日国として知られており、日本で働くことに意欲的な人材が多いです。ウズベキスタン人技能実習生を受け入れ、採用課題を解決しましょう。
本記事では、ウズベキスタン人の基本情報から技能実習の受け入れ状況、技能実習生の特徴と受け入れの課題、受け入れ手順などについて詳しく解説していきます。
目次
●ウズベキスタンの基本情報
ウズベキスタン人の技能実習生を雇用する前に、まずはウズベキスタンの基本情報から把握しておきましょう。
- 正式名称:ウズベキスタン共和国
- 面積:44万7,400平方キロメートル(日本の約1.2倍)
- 人口:3,440万人
- 首都:タシケント
- 民族:ウズベク系(84.3%)、タジク系(4.8%)、カザフ系(2.4%)、カラカルパク系(2.2%)、ロシア系(2.1%)
- 言語:国家語はウズベク語(テュルク諸語に属する。但し、タシケント、サマルカンド、ブハラ等主として都市の諸方言はペルシア語の影響を強く受けている)。またロシア語も広く使用されている。
- 宗教:主としてイスラム教スンニ派
引用元:ウズベキスタン基礎データ|外務省
ウズベキスタンの人口平均年齢は28歳です。少子高齢化により、労働者人口の高齢化が進む日本は、ぜひ頼りにしたいですよね。また、ウズベキスタンは親日国家とも知られています。
技能実習生の受け入れが本格化したのも最近のことで、ウズベキスタン人技能実習生の雇用はとても旬です。まだウズベキスタン受け入れの実績が少ないため、不安に思うかもしれません。
しかし、日本に対して友好的な国民性を見ればすぐに即戦力となることは間違いありません。ぜひ、ウズベキスタン人技能実習生の雇用を検討しましょう。
●ウズベキスタンからの技能実習生受け入れ状況
ウズベキスタンからの技能実習生受け入れは平成27年から始まっていたものの、本格化したのは令和元年です。これから徐々にウズベキスタン人技能実習生が増えていくことが予想されます。
ウズベキスタン人技能実習生受け入れの歴史が浅いことから、実績が少ないのは確かです。しかし、友好的で温厚、優しい国民性から日本人労働者にすぐ溶け込めることは容易に想像できます。
日本に住む在留ウズベキスタン人は約3,600人と他の国籍と比べても少ないです。実際に接する機会も少ないので、ウズベキスタン人技能実習生の雇用が気になる方はウズベキスタンの民間送出し機関などが実施するセミナーに参加してみるのもひとつの方法です。
●ウズベキスタン人技能実習生の特徴
続いて、ウズベキスタン人技能実習生の特徴を紹介します。ウズベキスタン人技能実習生の特徴を把握しておけば、自社の雰囲気とマッチするのかを検討できます。
①親日国家
ウズベキスタンは親日国家として知られています。ウズベキスタン街中で日本人を見つけると優しく声をかけてくれるほどです。人懐っこい人が多いので、知っている日本語を積極的に使ってくれます。
日本で共に働くことになれば、すぐに打ち解けられるのではないでしょうか。このような性格から、人間関係のトラブルに発展することも少ないと予想できます。
②身体が大きい
ウズベキスタン人の男性は身体が大きい人が多い傾向にあります。力仕事なども容易にこなし、頼りになること間違いありません。特に力仕事の多い、建設や介護などの産業分野では活躍するのではないでしょうか。
③温厚で優しい
ウズベキスタン人は温厚で優しい人が多いです。時間がかかる仕事でもしっかり真面目に取り組む国民性で、イライラしたり神経質になったりする一面はあまり見られません。仕事に対しても真摯に取り組んでもらえるでしょう。
また、困っている人を見つけるとすぐに声をかけてくれます。積極的で人懐っこく、優しくて協調性があるウズベキスタン人は日本人や他の外国人ともうまくやっていけるでしょう。
④イスラム教社会
ウズベキスタンは、国民の9割以上がイスラム教徒です。そのためウズベキスタン人技能実習生を雇用する際は、イスラム教への理解を深めることも大切です。なお、イスラム教の特徴は次の通りです。
- 1日5回礼拝がある
- 約1ヶ月断食をする期間がある
- 豚肉・アルコール・生ものは食べない
もちろん、人それぞれ信仰の度合いは違うでしょう。しかし、会食などでアルコールの強要をすることなどは絶対にやめましょう。思いがけずタブーなこともあります。
日本では宗教に馴染みが少ない人も多くいます。ウズベキスタン人に限らず、外国人の雇用を考えているのであれば日本人労働者向けに文化や宗教に関する講習を行うのもおすすめです。
●ウズベキスタン人技能実習生の受け入れ
ウズベキスタン人技能実習生を受け入れるには、「企業単独型」と「団体監理型」の2つの方法があります。企業単独型は技能実習生の求人から受け入れまでを全て自社で行わなくてはいけません。
団体監理型は監理団体が技能実習生の求人募集から受け入れを代行してくれます。監理団体に安心して任せられることから、技能実習生を雇用する9割以上の企業が団体監理型を選びます。ここでは、団体監理型での受け入れと費用について詳しく解説します。
①受け入れの流れ
団体監理型での技能実習生受け入れ手順は、次の通りです。
- 監理団体と契約する
- 監理団体を通じて求人を出す
- 採用面接などを経て採用者を決める
- 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
- 出入国管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
- 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
- 技能実習生を受け入れる
団体監理型ではまず、監理団体に加入するところから始まります。監理団体は複数あるので、ネットなどでサポート内容や雰囲気などを情報収集しましょう。自社に合った団体を見つけることが、スムーズな技能実習生雇用に繋がります。
監理団体は手厚くサポートしてくれますが、全て丸投げにはせずに積極的にコミュニケーションをとりましょう。
②受け入れ費用
団体監理型で技能実習生を受け入れる際に気になるのが、費用の面なのではないでしょうか。団体監理型で技能実習生を受け入れる際にかかるおおよその費用相場は、次の通りです。
監理団体への加入 | ・入会費:1万~10万円 ・年会費:2万~15万円 |
JITICOへの加入 (監理団体によって加入必須) | ・年会費:10万~30万円 |
現地への事前訪問 | ・渡航費:約15万~25万円 |
技能実習生の入国準備 | ・在留資格申請:約2万~4万円 ・技能実習生総合保険料(37ヶ月分):約2万~6万円 ・健康診断費用:約1万円 ・入国前講習費:約1万5千円~4万円 ・入国渡航費:約10万円 |
入国後にかかる費用 | ・入国後研修:約10万円 ・講習手当:6万円 ・健康診断費用:約1万円 |
これらの費用は加入する監理団体や状況によっても異なりますが、トータルで約51万~92万円かかると思っておきましょう。監理団体を選ぶ際には、予算との兼ね合いも判断材料にしてください。
●まとめ
ここまで、ウズベキスタン人の基本情報から技能実習の受け入れ状況、技能実習生の特徴と受け入れの課題、受け入れ手順などについて詳しく解説していきます。ウズベキスタンからの技能実習生の受け入れは比較的最近本格化しました。
実績はまだまだ少ないですが、親日的であったり、温厚で優しい国民性からもトラブルが起きることは少なく思えます。ウズベキスタン人の特徴を把握し、技能実習生として受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。
バルコム
https://uzbekhr.jp/
JETRO 民間送出機関による技能実習生の派遣始まる(ウズベキスタン、日本)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/11/835ea94c3f1da621.html
くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介
https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja
ウィルオブ採用ジャーナル 技能実習生を受け入れる際にかかる費用をまるっと解説
https://willof-work.co.jp/journal/2592/