近年ネパール人の技能実習生が増加傾向にあります。技能実習生が多いベトナム国籍が頭打ちとなった際に、ポストベトナムにネパール人が台頭するのではないかとも言われています。ネパール人は、どのような国民性を持った人種なのでしょうか。
ネパールと言う国、人種を知って採用課題を解決しましょう。本記事では、ネパール人の基本情報や技能実習生受け入れ状況、ネパール人技能実習生の特徴と受け入れの流れ・費用について解説します。
目次
●ネパールの基本情報
- 正式名称:ネパール
- 面積:14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍)
- 人口:2919万2480人
- 首都:カトマンズ
- 民族:パルバテ・ヒンドゥー、マガル、タルー、タマン、ネワール等
- 言語:ネパール語
- 宗教:ヒンドゥー教徒(81.3%)、仏教徒(9.0%)、イスラム教徒(4.4%)他
引用元:ネパール基礎データ|外務省
ネパールは東西南をインド、北を中国チベット自治区に囲まれた内陸国です。そして、世界最高峰のエベレストが有名で、ヒマラヤ登山の玄関口としても知られています。ネパールの人口は日本と比べても半分以下ですが、平均年齢が23歳と若いです。
少子高齢化に悩まされている日本とは大違いですね。若い労働者人口を確保するには、適しています。国内での就職率は芳しくなく、就職は海外に目を向ける若者も多いです。
●ネパールからの技能実習生受け入れ状況
ネパール人技能実習生の受け入れは、現状どのようになっているのでしょうか。出入国在留管理庁によると、令和3年12月時点での在留ネパール人は97,645人です。中でも技能実習生は390人います。
ネパール人の技能実習生は、ベトナムや中国、フィリピンと比べるとまだまだ少ないです。しかし、まだ少ないからこそ伸びしろがあると注目されています。また、ネパールでは日本が留学先として人気です。
実際にネパール人の留学生は多く、日本に興味を持っている若者が豊富です。このことからも、今後ネパール人技能実習生は増加していくことが期待できます。
ネパール人には技能実習生として日本で働くメリット、企業側にはネパール人を雇用するメリットをアピールしていくことが大切です。
●ネパール人技能実習生の特徴
ネパール人技能実習生の雇用を検討するのであれば、どのような国民性なのか特徴を知っておきましょう。ネパール人は日本人と相性も良く、接しやすい人種だと言えます。どのような点が日本人と相性が良いのでしょうか。
ネパール人の特徴から、日本人と通ずる点をご紹介します。ネパール人の国民性を把握し、上手く共生していきましょう。
①日本語の習得が速い
ネパールの若者の中で、日本は留学先としてとても人気があります。そのため、留学ビジネスとして日本語の教育も盛んに行われています。また、親日家が多く日本語の習得に熱心に取り組む人が多いのも特徴です。
さらに、ネパール語と日本語は文章の順番が同じであるため習得しやすいというメリットもあります。コミュニケーションは共に働く上で大切ですよね。英語の教育も小学生から行われているので、他の国と比べてもコミュニケーションが取りやすいと言えるでしょう。
②思いやり深い
ネパール人は思いやりが深い人が多いです。家族や親戚、周りの人との絆が強く愛情深い国民性なので、思いやりに溢れています。困っている人を見つけたらすぐに声をかけてくれるでしょう。思いやりは、協調性にも繋がります。
思いやりが深いネパール人であれば、人間関係のトラブルが起きにくいのではないでしょうか。また、小さな頃から集団生活をしているのでチームワークにも強いことが期待できます。
③小さいことにクヨクヨしない
ネパール人は小さいことにクヨクヨする人が少ないです。母国を離れるだけでもただでさえ不安な中、精神面が安定していることはとても大切です。すぐに落ち込んだり、引きずったりする性格だと、無断欠勤や失踪に繋がってしまいかねません。
ネパール人は雄大な山々、深い緑が生い茂る美しい自然の中でのびのびと育った人が多いので、明るく温厚で小さなことにクヨクヨしない国民性の人が多いです。
④ヒンドゥー社会
ネパール人は国民の80%以上がヒンドゥー教徒です。日本では馴染みのない宗教なので、どのように接して良いのか抵抗を感じてしまう方もいるかもしれません。しかし、ネパールは宗教関係なく数多くの神様を崇めるという日本にも似た点があります。
宗教に関しては寛大で、街中のお土産屋ではヒンズー教の神様とお釈迦様が一緒に並べられていることも多いです。そのため、ネパール人と接する際は過度に宗教について警戒しなくても良いでしょう。
ただ、ヒンドゥー教ならではの制限もあるので注意は必要です。個人の信仰や信条にもよりますが、特に食事には気を付けてください。
●ネパール人の技能実習生の受け入れ
ネパール人技能実習生を受け入れるには、まず何から始めたら良いのでしょうか。技能実習生を受け入れる方法は、次の2パターンがあります。
- 企業単独型
- 団体監理型
企業単独型とは、技能実習生の求人から受け入れまでを全て自社で行う方法です。海外に拠点があるなど、主に大企業が行う方法です。団体監理型は、監理団体が技能実習生の求人募集から受け入れを代行してくれる方法です。
監理団体が全面的に技能実習生の雇用をサポートしてくれることから、技能実習生を受け入れる90%以上の企業が団体監理型を選びます。ここでは、団体監理型での受け入れと費用について詳しくご紹介します。
①受け入れの流れ
団体監理型での技能実習生を受け入れる際は、まず監理団体に加入するところから始まります。大きな流れは、次の通りです。
- 監理団体と契約する
- 監理団体を通じて求人を出す
- 採用面接などを経て採用者を決める
- 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
- 出入国管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
- 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
- 技能実習生を受け入れる
監理団体は複数あります。団体のホームページや口コミなどで、サポート内容や雰囲気など情報収集して自社に合った団体を選びましょう。また、監理団体は手厚くサポートしてくれますが、全て丸投げにはせずにコミュニケーションを怠らないようにしてください。
②受け入れ費用
団体監理型で技能実習生を受け入れるには、団体への入会費含めてさまざまな費用がかかります。どのくらいの予算があれば良いのか気になりますよね。おおよその費用相場は、次の通りです。
監理団体への加入 | ・入会費:1万~10万円 ・年会費:2万~15万円 |
JITICOへの加入 (監理団体によって加入必須) | ・年会費:10万~30万円 |
現地への事前訪問 | ・渡航費:約15万~25万円 |
技能実習生の入国準備 | ・在留資格申請:約2万~4万円 ・技能実習生総合保険料(37ヶ月分):約2万~6万円 ・健康診断費用:約1万円 ・入国前講習費:約1万5千円~4万円 ・入国渡航費:約10万円 |
入国後にかかる費用 | ・入国後研修:約10万円 ・講習手当:6万円 ・健康診断費用:約1万円 |
技能実習生の受け入れにかかる費用は、加入する監理団体や状況によっても異なります。合計で51万~92万円ほどと考えておきましょう。監理団体を選ぶときは、予算も含めて判断してください。
●まとめ
ここまで、ネパール人の基本情報や技能実習生受け入れ状況、ネパール人技能実習生の特徴と受け入れの流れ・費用についてご紹介してきました。ネパール人の技能実習生はこれから増加することが期待されています。
親日家が多く、宗教に関しても寛大な国民性なので日本人とも相性が良いでしょう。日本語習得スピードも速いので、技能実習生にはネパール人がおすすめです。ネパール人技能実習生を受け入れて、採用課題をスムーズに解決しましょう。
企業単独型移行支援&技能実習ビザ請負センター ネパール人技能実習生の特徴や性格、雇用のポイント
https://samurai-law.com/ginojishu/con07/
Global HR Magazin 技能実習生送出し国としてのネパール ネクストベトナムの行方
https://global-hr.lift-group.co.jp/177
ネパール技能実習.COM
http://xn--kdki2f1cs541a4viiw5ck7b.com/
あいわ協同組合 ネパール人技能実習生の特徴
http://aiwa-coop.jp/feature/nepal/
技能実習生.jp ネパール人技能実習生、その特徴を理解しよう!
https://xn--rbtx3nwrr97jxmb.jp/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%9B%87%E7%94%A8/nepalis_jisshu_tokucho/
出入国在留管理庁 在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表
https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html
外務省 ネパール基礎データ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/nepal/data.html
くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介
https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja
ウィルオブ採用ジャーナル 技能実習生を受け入れる際にかかる費用をまるっと解説
https://willof-work.co.jp/journal/2592/