パキスタン人技能実習生を受け入れる!性格と特徴を抑えよう!

パキスタン人技能実習生の歴史は浅く、令和元年に日本・パキスタン両国間で技能実習における協力覚書(二国間取決め)が締結しました。パキスタンの技能実習参加によって、南アジア全ての国が日本で技能実習を行うこととなりました。

パキスタン人の技能実習生の受け入れは実績が少なく不安だという企業も多いのではないでしょうか。本記事では、パキスタン人の基本情報や技能実習生受け入れ状況、パキスタン人技能実習生の特徴と受け入れの流れ・費用について解説します。

●パキスタンの基本情報

  • 正式名称:パキスタン・イスラム共和国
  • 面積:79.6万平方キロメートル(日本の約2倍)
  • 人口:2億2,090万人
  • 首都:イスラマバード
  • 民族:パンジャーブ人、パシュトゥーン人、シンド人、バローチ人等
  • 言語:ウルドゥー語(国語)、英語(公用語)
  • 宗教:イスラム教(国教)

引用元:パキスタン基礎データ|外務省

パキスタンは北部に世界最高峰のK2、南部に大湿地帯、そして中央にインド砂漠が広がる連邦共和制国家です。世界第2位のイスラム国家で、イスラム教信者が大半を占めています。

イスラム教とヒンズー教の対立が激しかった過去があり、パキスタンとバングラデシュに分離しました。主要産業は農業と綿工業、小麦の生産量は世界第6位という実績もあります。綿布や既製品は輸出産業の柱となっています。

日本からは自動車産業が進出していて、オートバイやトラックの製造も行われています。日本で技術を磨き、母国の日系企業で活躍したいと思うパキスタン人もいるでしょう。また、農業や綿工業産業では戦力になることも期待できます。

●パキスタンからの技能実習生受け入れ状況

出入国在留管理庁の統計によると令和3年12月時点で在留パキスタン人は、19,431人います。その内、技能実習生はたったの4人です。実績が少ないとなかなか受け入れに踏み切れませんよね。

パキスタンからは、技能実習制度と共に特定技能の受け入れも開始されました。技能実習制度は1号~3号まであって最長5年の在留期間ですが、特定技能に移行できれば在留期間を延ばすこともできます。

ちなみに令和3年12月時点で、特定技能として日本で働くパキスタン人は1人でこちらも実績が少ないです。技術・人文知識・国際業務で働くパキスタン人は2,546人、経営・管理で働くパキスタン人は1,515人と他の在留資格は程よくいます。

パキスタン人技能実習生の受け入れ実績が少ない要因は次のことが挙げられるでしょう。

  • 歴史が浅い
  • 技能実習・特定技能を受け入れてまもなく新型コロナウイルスが蔓延した
  • メリットを双方にしっかりアピールできていない

パキスタンは人口が多いものの、国内での就職率が良くありません。そのため、就職を海外に目を向ける若者が多いです。少子高齢化で人手不足が懸念されている日本では、パキスタン人の雇用がプラスになります。

ぜひパキスタン人の性格や国民性を理解し、受け入れを検討してみてください。

●パキスタン人技能実習生の特徴

パキスタン人技能実習生の受け入れは歴史が浅いということもあり、あまり実績がありません。実績が少ないとなかなかパキスタン人の技能実習生がどのような働きをするのか知る機会もありませんよね。

パキスタン人の特徴を把握して、技能実習生として受け入れたときにどのように共生していけるのかイメージしましょう。

①イスラム社会

パキスタンは世界第2位のイスラム国家で、国民のほとんどがイスラム教信者です。パキスタンとイスラム教の関係は歴史もあり、信仰が深い人も多いです。パキスタン人技能実習生を雇用する際はイスラム教への理解は必須です。イスラム教の特徴は次の通りです。

  • 1日5回礼拝がある
  • 約1ヶ月断食をする期間がある
  • 豚肉・アルコール・生ものは食べない

信仰の度合いによって対応は異なるかもしれません。しかし、会食などでアルコールの強要などは決してしないほうが良いです。

②よく働く

パキスタン人は、日本人以上と言っても良いほどよく働きます。年末年始も働き、休日は基本的に日曜のみです。帰宅してからもぐうたらするのではなく、食事の準備もてきぱきとこなします。

技能実習生としてパキスタン人を雇用すれば、てきぱきと動いてくれることが想像できます。土日祝日が休みの日本では、逆に物足りなく感じさせてしまうかもしれません。

③おもてなしの心がすごい

パキスタン人の特徴として、おもてなしがすごいという一面があります。誰かをおもてなしするとなると手伝いは断り、お金の負担もさせません。お礼を言えばお礼なんていらないと言われてしまいます。

まるで、もてなす相手を家族のように扱ってくれます。パキスタン人を技能実習生として受け入れ、心を開いてくれればお互い気持ちよく過ごせそうです。

④人懐っこい

パキスタン人は人懐っこい人が多いです。誰かれ構わず嬉しそうに話しかけてきます。人懐っこいということは、コミュニケーション能力も長けていると言えます。コミュニケーションが少ないと、何を考えているのかわかりません。

そのような相手と比べれば、パキスタン人技能実習生とは気持ちよく働くことができるでしょう。

●パキスタン人の技能実習生の受け入れ

パキスタン人の技能実習生を受け入れるには、次の2通りの方法があります。

  • 企業単独型
  • 団体監理型

企業単独型は、技能実習生の求人から受け入れまでを全て自社で行う方法です。団体監理型は監理団体が技能実習生の求人募集から受け入れを代行してくれる方法です。大企業でない限り、企業単独型での受け入れは難しいでしょう。

監理団体が全面的に技能実習生の雇用をサポートしてくれることから、実際に9割以上の企業が団体監理型を選んでいます。ここでは、団体監理型での受け入れの大きな流れと費用について詳しく解説します。

①受け入れの流れ

団体監理型で技能実習生を受け入れる際の流れは、大きく次の通りです。

  1. 監理団体と契約する
  2. 監理団体を通じて求人を出す
  3. 採用面接などを経て採用者を決める
  4. 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
  5. 出入国管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
  6. 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
  7. 技能実習生を受け入れる

まず、監理団体に加入してください。その際、団体のホームページや口コミなどでサポート内容や雰囲気など情報収集すると良いでしょう。監理団体は複数か所あります。自社と相性の良い団体を選ぶことでスムーズな技能実習生受け入れに繋がります。

また、監理団体は手厚くサポートしてくれますが、全て丸投げにはせずにコミュニケーションを怠らないようにしてください。

②受け入れ費用

次に、団体監理型で技能実習生を受け入れる際の費用について確認しましょう。おおよその費用相場は、次の通りです。

監理団体への加入・入会費:1万~10万円
・年会費:2万~15万円
JITICOへの加入
(監理団体によって加入必須)
・年会費:10万~30万円
現地への事前訪問・渡航費:約15万~25万円
技能実習生の入国準備・在留資格申請:約2万~4万円
・技能実習生総合保険料(37ヶ月分):約2万~6万円
・健康診断費用:約1万円
・入国前講習費:約1万5千円~4万円
・入国渡航費:約10万円
入国後にかかる費用・入国後研修:約10万円
・講習手当:6万円
・健康診断費用:約1万円

上記の費用は、加入する監理団体や状況によっても異なります。合計で約51万~92万円ほどはかかると思っておきましょう。監理団体の選択は、費用予算も含めて判断してください。

●まとめ

ここまで、パキスタン人の基本情報や技能実習生受け入れ状況、パキスタン人技能実習生の特徴と受け入れの流れ・費用についてご紹介してきました。パキスタン人技能実習生の受け入れは、2019年に始まったばかりです。

まだ実績が少ないため、受け入れを躊躇してしまう企業も多いかもしれません。しかし、パキスタン人は人懐っこくよく働く特徴があります。パキスタン人技能実習生を雇用して、採用課題をスムーズに解決しましょう。

出入国在留管理庁 在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表

https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html

公益財団法人 国際労働財団 2021年パキスタンの労働事情

https://www.jilaf.or.jp/rodojijyo/asia/south_asia/pakistan2021.html

SUZUKIKEIKO.COM 外国人技能実習制度にパキスタンが参加

https://suzukikeiko.com/pakistan/various/titp/

外務省 パキスタン基礎データ

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/pakistan/data.html

くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介

https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja

ウィルオブ採用ジャーナル 技能実習生を受け入れる際にかかる費用をまるっと解説

https://willof-work.co.jp/journal/2592/