ブータン人の技能実習生受け入れ|気になる性格と特徴は?

技能実習生の送出しを実施している国はさまざまです。技能実習生の雇用を考えたとき、どの国から受け入れをすれば良いのか迷いますよね。国ごとに国民性や特徴は異なります。日本人と似た国民性を持つ人材もいれば、全く異なる人材もいます。

ブータンも技能実習生を送り出している国のひとつです。まだ実績は少なめなので、受け入れに躊躇してしまうかもしれませんが、国民性や特徴を把握して上手に共生しましょう。

本記事では、ブータン人技能実習生の受け入れを検討する企業向けにブータン技能実習生の受け入れ状況や特徴、受け入れの流れやかかる費用について詳しく解説します。

●ブータンの基本情報

  • 正式名称:ブータン王国
  • 面積:約38,394平方キロメートル(九州とほぼ同じ)
  • 人口:約77.2万人
  • 首都:ティンプー
  • 民族:チベット系、東ブータン先住民、ネパール系等
  • 言語:ゾンカ語(公用語)等
  • 宗教:チベット系仏教、ヒンドゥー教等

引用元:ブータン基礎データ|外務省

ブータンは幸福度No.1の国として知られています。インドと中国に囲まれた内陸国で、7,000m級の山を4座有している自然が豊富な国です。日本と同じくはっきりと四季のある国でもあります。

国の70%以上は森林を維持すると憲法で決められており、自然環境保護を徹底しています。また、ブータンは車社会ですが、信号機がありません。理由は伝統的な空間を壊すためです。自然や伝統を重んじる点も幸福度No.1に繋がっているのではないでしょうか。

●ブータンからの技能実習生受け入れ状況

ブータン人技能実習生の受け入れを検討しているのであれば、日本でのブータン人技能実習生受け入れの現状が気になりますよね。残念ながらブータン人技能実習生の受け入れ実績は少なめです。

そもそも、日本に住むブータン人は令和3年12月末時点で479人しかいません。技能実習生は0人です。日本政府とブータン政府との間で技能実習における協力覚書書(二か国間取決め)は平成30年で比較的最近のことです。

前年の令和2年12月時点では12名の技能実習生がいました。ブータンは人口も日本より遥かに少ない上に、自国にいる時点で幸福度がNo.1の国です。わざわざ母国を離れる選択をしない人が多いのかもしれません。

●ブータン人技能実習生の特徴

ブータンは独自の文化・思想を持つ国です。日本と異なる考え方や価値観は多いですが、ネガティブな違いではないので安心してください。ブータン人の国民性や特徴を把握しておくと、ブータン人技能実習生とも上手に共生していけます。

①チベット仏教信者が多い

ブータン人はチベット仏教を信仰している人が多いです。「善の行いは来世の自分に返って来る(その逆も然り)」と輪廻転生を深く信じています。そのためか、小さな虫でさえも大切にします。

ブータンを訪れた際やブータン人と接しているときは思わずコバエを処分したりしないように気を付けましょう。仏教は日本でも馴染みがありますが、チベット仏教とは伝わった時期と経路が異なります。

ただし、イスラム教やヒンドゥー教と違って細かい制限などがあるわけではないので警戒する必要はありません。

②英語が堪能

ブータンでは、英語教育に力を入れているので英語が堪能な人が多いです。小学生から高校生までの間に英語教育が必修となっています。もともとブータンは海外に対して閉鎖的な国でした

ブータンではインドからの教材を使用して教育を行っていた背景があり、ヒンディー語を理解する国民が多くいました。しかし、次第に高等教育=海外留学という概念が生まれ、ヒンディー語よりも国際的な英語教育へシフトされていったと言われています。

③疑わない、人を信じる心を大切にしている

ブータン人は疑わない、人を信じる心を大切にした純粋な人が多いです。チベット仏教の影響から、「みんなが幸せなら自分も幸せ」と考えます。この考えがベースにあり、自然豊かな環境で過ごしていればおのずと穏やかな国民性になるのではないでしょうか。

少しシャイな一面もありますが、優しく穏やかな性格は人間関係のトラブルに発展する心配もないでしょう。仕事の綿でも上司の指示に真摯に取り組む姿勢が容易に想像できます。

⑤仕事よりも家庭と信仰が大切

ブータン人は仕事よりも家庭と信仰を大切にする傾向があります。家族に関わる冠婚葬祭や家族が病気になった場合などは、仕事を何日も休む人が多いです。また、それに対して非難する人もいません。

お金のために、責任のために仕事をしなくてはいけないというブータン人は少ないです。このような価値観も幸福度No.1に繋がっているのかもしれません。しかし、人手不足解消のためにブータン人技能実習生の受け入れを考える企業にはデメリットでしょう。

●ブータン人技能実習生の受け入れ

ブータン人技能実習生の受け入れは、どのように進めていけば良いのでしょうか。技能実習生を受け入れるには、次の2パターンの方法があります。

  • 企業単独型
  • 団体監理型

「企業単独型」は、技能実習生の求人から受け入れまでを全て自社で行う方法です。ブータンに取引先や支店があり、監理団体に頼らなくても採用活動ができる企業が行う方法になります。「団体監理型」は、監理団体に技能実習生の求人募集から受け入れを代行サポートしてもらう方法です。

技能実習生を受け入れる際、90%以上の企業が団体監理型を選びます。加入費など費用はかかりますが、見合ったサービスを受けることができます。ここでは、「団体監理型」での技能実習生受け入れとかかる費用について詳しく紹介します。

①受け入れの流れ

「団体監理型」でブータン人技能実習生を受け入れる流れは、次の通りです。

  1. 監理団体と契約する
  2. 監理団体を通じて求人を出す
  3. 採用面接などを経て採用者を決める
  4. 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
  5. 出入国在留管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
  6. 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
  7. 技能実習生を受け入れる

まず、監理団体に加入します。監理団体は複数あるため、ホームページなどでサービス内容や口コミを参考にしましょう。自社に合った団体を見つけることもスムーズな技能実習生受け入れに繋がります。

また、監理団体は手厚くサポートしてくれますが、全て丸投げにはせずにコミュニケーションをしっかりとりましょう。

②受け入れ費用

「団体監理型」でブータン人技能実習生を受け入れるには、加入にかかる費用などさまざまな費用が掛かります。予算はどの程度見ておけば良いのでしょうか。おおよその費用相場は、次の通りです。

監理団体への加入・入会費:1万~10万円・年会費:2万~15万円
JITICOへの加入
(監理団体によって加入必須)
・年会費:10万~30万円
現地への事前訪問・渡航費:約15万~25万円
技能実習生の入国準備・在留資格申請:約2万~4万円
・技能実習生総合保険料(37ヶ月分):約2万~6万円
・健康診断費用:約1万円
・入国前講習費:約1万5千円~4万円
・入国渡航費:約10万円
入国後にかかる費用・入国後研修:約10万円
・講習手当:6万円
・健康診断費用:約1万円

技能実習生の受け入れにかかる費用は、加入する監理団体や状況によっても異なります。合計51万~92万円ほどを予想しておきましょう。加入する監理団体を選ぶ際は、予算も含めて判断してください。

●まとめ

ここまで、ブータン人技能実習生の受け入れを検討する企業向けにブータン技能実習生の受け入れ状況や特徴、受け入れの流れやかかる費用について詳しく解説してきました。ブータンは世界で1番幸福度が高いとされている国です。

人口も日本の佐賀県よりも少ないのもあり、在留ブータン人も少ないです。ブータン人を技能実習生として受け入れることはなかなかレアですが、穏やかな国民性は日本人と働く上でも相性が良いと言えます。ブータン人技能実習生を受け入れ、採用課題を解決しましょう。

JITCO 日本政府とブータン政府との技能実習における協力覚書

https://www.jitco.or.jp/ja/news/article/3829/

外務省 ブータン基礎データ

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bhutan/data.html

出入国在留管理庁 【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】

https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html

くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介

https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja

ウィルオブ採用ジャーナル 技能実習生を受け入れる際にかかる費用をまるっと解説

https://willof-work.co.jp/journal/2592/