技能実習生の受け入れをしたいと考えている企業や、実際に受け入れている国内企業は一定数存在しています。
しかし技能実習生を受け入れるためには、企業も技能実習生もお互いがしっかりと準備をすることが大切です。どちらかの準備が不十分であれば、トラブルや問題につながってしまうリスクがあります。
今回は技能実習生の受け入れ方法について、どのような準備をしなければいけないかについて解説していくので参考にしてみてください。
目次
外国人技能実習制度について
外国人技能実習制度は、外国人を日本の企業で受け入れて、本国では身に付けるのが難しい技能を日本で身に付けるのが目的です。
日本で身に付けた技能を最終的には本国で活かすことによって、本国の経済をより豊かにする人材を育成することが受け入れ企業には求められます。
日本では国際協力の一環として、外国人技能実習生の受け入れを積極的におこない、国際社会の発展をサポートすることに注力しています。
技能実習生の受け入れ方式には企業単独型・団体監理型の2種類
技能実習生の受入れ方式には2種類の方法があります。
- 企業単独型
- 団体監理型
多くの企業が団体監理型の受け入れ方式で、受け入れを進めています。受け入れの方法が違うだけであり、どちらの受入れ方式が優れているなどはなく、それぞれの受け入れ方式に大きな差はありません。
しかし詳しい理由は後述をしますが、受入れ方式としては企業単独型は労力が大きく、団体監理型のほうが労力が比較的少ないのも、団体監理型が選ばれる要因の1つです。
技能実習生の受入れ方式として企業単独型・団体監理型、それぞれの特徴については把握をしておきましょう。
企業単独型の特徴
企業単独型の特徴としては、取引先企業の職員や海外での現地法人などから、外国人技能実習生を引き受ける方法です。
全体の受け入れ数から考えると2%程度になっていて、外国人技能実習生を受け入れるための手続きは、原則として会社がおこなわなければいけません。
これまでも外国人技能実習生を受け入れている経験があれば問題ないですが、経験がない場合には外国人技能実習機構に確認をしながら進めていく必要があります。
書類を問題なく揃えた後に外国人技能実習機構に提出して、書類内容に問題がなければ外国人技能実習生の受け入れへと進めます。
企業単独型では監理団体を通さずに受け入れをおこなうことから、受け入れに必要になるコストを抑えられるメリットがあるでしょう。
団体監理型の特徴
団体監理型は外国人技能実習生の受け入れのメインのパターンであり、監理団体が外国人技能実習生の在留資格の確認なども企業に代わっておこなうのが特徴です。
受け入れ企業は、非営利団体である商工会や事業協同組合が受け入れをおこなって、外国人技能実習生が望んでいる技能を習得できる企業で技能実習を担当します。
基本的な手続きは監理団体に任せられるため、外国人技能実習生を受け入れるために必要になる書類などの負担の軽減が可能です。
他にも不明点などがあれば監理団体がサポートをおこない、それぞれの受け入れ企業への負担を軽減できるような受け入れ方法といえるでしょう。
技能実習生受け入れの準備について
技能実習生受け入れをするためには企業側も準備が必要であり、具体的には以下の3つをあらかじめおこなわなければいけません。
- 技能実習計画の作成をする
- 養成講習を受講して技能実習責任者を選ぶ
- 技能実習生が働ける環境を整備する
それぞれの項目についても解説をするので参考にしてみてください。
技能実習計画の作成する
技能実習計画の作成は、技能実習生が十分な技能を身に付けるために重要な計画です。技能実習生の区分に応じて作成をして、外国人技能実習機構からの認定を受けなければいけません。
団体監理型なら監理団体からの指導を受けながら、適切な技能実習計画の作成ができます。一方で企業単独型では自分で考えながら作成をして、必要に応じて外国人技能実習機構に相談をしてください。
外国人技能実習機構に認定された技能実習計画に沿って指導をしなければ、改善命令などの対象になってしまいます。
養成講習を受講して技能実習責任者を選ぶ
外国人技能実習生を受け入れるためには、事業所ごとに技能実習責任者を選任しておく必要があります。会社に1人いれば良いわけではなく、事業所ごとに必要となる点には注意が必要です。
技能実習責任者は、3年ごとに養成講習機関が実施している養成講習を受講するのが条件です。技能実習責任者がいなければ受け入れができないため、養成講習を受けるタイミングなどを逃さないように注意をしましょう。
一度要件を満たせばいいというものではなく、しっかりと3年ごとに育成講習機関が実施している、養成講習を受講しなければ資格が消失する可能性もあります。
技能実習生が働ける環境を整備する
技能実習生が働ける環境を整備するのは仕事場だけでなく、寮などの外国人技能実習生が生活を送る場所の整備も含まれています。
例えば寮であれば洗濯機や冷蔵庫などの生活用品の準備に加えて、炊事用品なども揃えておかなければいけません。
他にもWi-Fiなどのインターネット環境を整えているのも重要であり、外国人技能実習生が家族や担当者とやり取りができるような配慮も必要です。
技能実習生がのびのびと働けるようなサポートを、会社がしていくのが重要といえるでしょう。
技能実習生は入国前・入国後に集合研修を受ける
技能実習生は入国前・入国後に集合研修を受けます。理由としては、受け入れ企業に入る前に、日本の文化について少しでも理解をするためです。
国や地域ごとに文化が異なっているため、外国では問題がないことが日本ではマナー違反になってしまうケースも珍しくありません。
無意識であってもマナー違反をしてしまえば、思ってもいないトラブルや問題に巻き込まれてしまう可能性があります。
そういった事態を避けるためにも、技能実習生は入国前・入国後に集合研修を受けなければいけません。
入国前集合研修の内容
入国前集合研修の一般的な期間は約4ヶ月から約6ヶ月とされていて、その間に現地での送り出し機関を中心として日本の文化についての理解を深めます。
内容としては会話で使用する日本語に加え、近所への挨拶の方法やゴミを捨てる際の分別などについても勉強をします。
他にも日本社会での食生活・文化についても勉強をして、日本に技能実習生として来た際にルールを意識して合わせて行動をできるようになるでしょう。
入国後集合研修の内容
入国後集合研修の内容としては、日本におけるコミュニケーション方法や、どのような実習をするかについて1ヶ月間集中して講習をおこないます。
入国後にいきなり事業に従事するのは負担が大きく、研修期間を通じて日本での具体的な生活パターンなどについても把握するのが大切です。
入国前集合研修とは違って、実際に日本で住みながらの研修になっているので、異国での生活の雰囲気などについても理解できるでしょう。
【まとめ】技能実習生の受け入れには責任が伴うのは意識する
技能実習生の受け入れには責任が伴うことを意識をして、受け入れ企業は受け入れた外国人技能実習生が、将来的に本国で経済貢献ができるような人材に育成をしなければいけません。
また、本国に戻った後には誰かから技能を学ぶのが難しくなるため、受け入れ企業は技能実習計画をしっかりと計画して、技能実習計画の内容に沿った指導をするのが大切です。
受け入れ方法には企業単独型と団体監理型の2種類ですが、外国人技能実習生の受け入れ方法としては多くのケースで団体監理型になります。
受け入れをするためにはどのような状況でも良いわけでなく、外国人技能実習生が毎日を安心して過ごせるような環境の整備も、普段から意識をしてください。
協同組合ハーモニー 外国人技能実習生を受け入れるまでの流れは?必要な手続きから準備など徹底解説
https://jc-harmony.com/system/flow/
国際人材協力機構 外国人技能実習制度とは
https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/
外国人HR Lab. 技能実習生の受け入れ方法|受け入れ前の準備と流れ
https://gaikokujinhr.jp/2086
21世紀マンパワー事業協同組合 外国人技能実習生受け入れの流れ
https://21manpower.com/pages/51/