外国人留学生のインターンシップとは?メリットや受け入れ方法を解説

外国人留学生をインターンシップとして受け入れたい企業の方も多いのではないでしょうか。しかし、受け入れを検討しているものの、はじめての場合はとくに、どのように受け入れればよいか悩むこともあるでしょう。

そこで今回は、外国人留学生におけるインターンシップとは何か、メリットと受け入れ方法についても解説します。これから、インターンシップの受け入れを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

インターンシップとは

そもそも、インターンシップとはどのようなことを指すのでしょうか。ここでは、インターンシップとは何かご説明したうえで、インターンシップの種類についても解説します。

インターンシップの概要

インターンシップとは、教育課程の一環として、外国人留学生が日本企業において一定期間の就業体験をおこなう制度です。日本企業での就職を希望する外国人留学生のミスマッチを防ぎ、職業意識を向上させることが主な目的となります。

一方、サマージョブも同様の意味をあらわしますが、夏季休暇などの期間を利用しておこなわれるのが特徴であるため、教育課程の一環としては認められていません。企業と大学との契約のもと、報酬を得ながら職業体験をおこなうといった意味では相違ないと言えるでしょう。

また、人材採用においてグローバル化が進み、在学中の外国人留学生に自社をアピールすることで、採用活動の一環としてもおこなわれています。

インターンシップの種類

インターンシップの種類は「国内の留学生」と「国外の留学生」の2つに分けられます。

国内留学生の場合、対象となるのは以下のとおりです。

  • 留学の在留資格を持ち大学に在籍している
  • 大学4年生において卒業に必要な単位を9割以上取得している
  • 特定活動の在留資格があり就職活動をおこなっている

この場合、週28時間を越えるインターンシップの許可が受けられます。しかし、「技人国」ビザがおりる業務に限られます。

たとえば、外国人観光客が多いホテルの場合は通訳や翻訳業務、そのほか企画や営業などが対象です。

また、国外留学生であっても受け入れが可能です。

対象となるのは、国内の留学生と同様に「技人国」ビザがおりる業務に限られます。一方、無給か有給かによって在留資格が異なる点に注意が必要です。

無給(報酬を得ない)の場合、交通費や居住費、食費などを企業側が負担するのは問題ありません。インターンシップ期間が90日を越えるものは「文化活動」が、90日を越えないものは「短期滞在」ビザが付与されます。なお、無給で中長期間の就労となり、より入国管理局の審査が厳しくなることから、文化活動ビザを取得するのは難しいのが現状です。

有給(報酬を得る)の場合、外国人留学生であれば1年を越えない期間でのインターンシップが可能となります。在留資格は「特定活動」ビザが付与されます。

インターンシップを利用するメリット

インターンシップを利用することで、企業側にとっても外国人留学生にとっても大きな魅力があります。

ここでは、インターンシップを利用する際のメリットを企業側と外国人留学生側の2つの視点からご紹介します。

企業側のメリット

企業側には以下のようなメリットがあります。

  • 社内の国際化・活性化を促す
  • 指導者のマネージメント力向上・国際的視野の獲得が期待できる
  • 国際感覚の持つ人材と出会える
  • 紹介費用がかからない

このように、インターンシップを利用することで社内の活性化につながることは大きなメリットと言えるでしょう。また、指導にあたる社員のマネージメント力が向上したり、国際的視野が開かれたりする可能性も考えられます。そのうえ、紹介費用が一切かからない点も大きな魅力です。

外国人留学生のメリット

一方、外国人留学生には以下のようなメリットがあります。

  • 日本の労働環境が実感できる
  • コミュニケーションスキルが上がる
  • ビジネスマナーが習得できる
  • 今後の就職活動にも役立つ

このように、報酬を得ながら日本の生活や労働環境、文化にも触れられるのは大きなメリットと言えるでしょう。また、日本人と接することによってコミュニケーションスキルが上達したり、挨拶や電話対応といったビジネスマナーが習得できたりする点もメリットのひとつです。

しかし、インターンシップはあくまでも大学教育の一環としておこなわれるものであり、就職や採用を前提とした活用は好ましくないとされています。そのため、採用活動とインターンシップは別として考えられている企業も多いのが一般的です。

外国人留学生のインターンシップ受け入れ方法

実際に、外国人留学生を受け入れるにはどのような方法があるのでしょうか。

ここでは、外国人留学生のインターンシップにおける2パターンの受け入れ方法と注意点についてご紹介します。

海外の大学から受け入れる

海外の大学に在籍している学生をインターンシップとして受け入れる方法です。この場合、日本企業が海外大学と契約を締結し、授業の一環として受け入れをおこないます。なかでも、海外で一流大学を卒業予定の学生が対象となるケースが一般的です。

具体的には、プログラマーやエンジニアなどの技術職が多い傾向にあります。

日本国内の大学から受け入れる

すでに留学ビザによって来日中の外国人留学生をインターンシップとして受け入れる方法です。この場合、日本語もある程度理解でき、社会常識なども把握していることから、外国人の雇用がはじめての企業であってもスムーズな受け入れが可能となるでしょう。

なかには、本格的に外国人従業員の採用活動をはじめる前のトライアルとして受け入れる企業も多いようです。また、社内の反応であったり問題点を探ったりするのを目的に活用している企業も少なくありません。

外国人留学生のインターンシップを受け入れる際の注意点

ここでは、インターンシップにおける注意点についてご紹介します。

企業によっては、インターンシップ制度を安価な労働力の供給源として悪用している例もあります。そのため、労働法関連や大学専攻との関連性などについて審査をおこなうのが一般的です。

インターンシップの業務内容と、外国人留学生の専攻との関連性が強いと判断された場合は、ビザの許可が取りやすくなります。また、外国人留学生が企業において直接生産活動などに従事したことによって、利益効果があり企業と外国人留学生の間に使用従属関係があった場合には、労働者と判断されるため注意が必要です。

さらに、受け入れ企業に外国人留学生を受け入れられる十分な態勢や、指導体制が確保できているかも判断基準のひとつとなります。

まとめ|インターンシップを利用すると双方にメリットがある

今回は、外国人留学生におけるインターンシップとは何か、メリットと受け入れ方法について解説しました。

教育課程の一環として、外国人留学生が日本企業において一定期間の就業体験をおこなう制度のことをインターンシップと言います。

インターンシップを利用することで、企業側は社内の国際化や活性化を促し、指導者のマネージメント力の向上や国際的視野の獲得を期待できる点が大きなメリットです。一方、外国人留学生は、報酬を得ながら日本の労働環境を実感でき、コミュニケーションスキルやビジネスマナーを習得できる点が大きなメリットと言えるでしょう。

外国人留学生を受け入れるには、国内の大学か国外の大学かによって方法が異なります。また、インターンシップ制度を安価な労働力の供給源として、悪用していないかといった審査もあるため注意しておきましょう。

【参考記事】

福岡ビザ取得サポート インターンシップ制度を利用して外国人を採用する

https://www.visa-fukuoka.jp/15767165781734

東京外国人雇用サービスセンター 留学生インターンシップ制度のご案内

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-foreigner/news_topics/_119734/_119735.html

ビザ申請サービス 外国人学生のインターンシップビザ申請

https://www.visajapan.jp/h_internship.html