外国人雇用のトラブルを解決!採用後の対策や対応手順を紹介します!

日本では外国人労働者の受け入れがますます拡大しています。外国人の雇用が増えたことでトラブルも増加していて、企業が対応に頭を悩ませています。トラブルによって業務に支障が出たり、社員のモチベーションも下がったりと企業に影響が出る前に対策を行いましょう。

この記事では、外国人雇用トラブルの事例や対策、解決手順を解説します。外国人労働者をはじめて雇用する企業でも、安心して業務が行えるためにしっかりと把握しておきましょう。

外国人雇用のトラブルによくある事例

外国人雇用でよくあるトラブルは以下のような事例です。

  • 在留資格がない、期限切れ
  • 業務のミスマッチや不当な待遇
  • 文化や風習の違い
  • 言葉の壁

それぞれ解説します。

在留資格がない、期限切れ

在留資格に関するトラブルはパスポートや在留カードの確認の徹底が大切です。確認する際には注意点を把握して、偽造や期限切れている人の採用や就労を早い段階で防ぐようにしましょう。

可能であれば、持ち主の許可を得たうえでコピーをとっておくことが大切です。出入国在留管理庁が無料配布している在留カードなどの読み取りアプリを活用するのも効果的です。在留カードの情報が捏造されていても発見できます。

業務のミスマッチや不当な待遇

業務が合っていないと感じたり、労働条件に不満を募らせたりすることによるトラブルが増加しています。外国人労働者を雇うときには、労働条件通知書や雇用通知書などの交付が義務付けられています。

外国人雇用者には書面で説明を行ったつもりでも、日本語の読み書きに慣れていない人にはうまく伝わらないこともあるでしょう。仕事内容や労働時間が思ったよりもハードなため、不満が溜まったり、急に会社に来なくなったりしてしまう人もいます。

細かいところまで理解できるよう、丁寧に説明することが大切です。母国語やジェスチャーなどを使って、日本語に慣れていなくてもわかるような説明を心がけましょう。

文化や風習の違い

日本人と外国人が一緒に働くことで、文化や風習の違いがトラブルにつながります。文化や風習と同様に、常識も日本人と外国人では異なります。企業や一緒に働くメンバーは、文化の違いを理解したうえで外国人を受け入れることが必要です。

受け入れる側が理解しておけばトラブルが減り、外国人労働者はパフォーマンスを発揮できます。日本人とは違う教育方法を試すこともオススメです。外国人労働者の受け入れに慣れていて、成果が出ている企業の教育方法を参考にしてみましょう。

言葉の壁

外国人労働者を雇ったものの、日本語レベルが企業の想定よりも低ければトラブルにつながることもあります。コミュニケーションには言葉を使ったものとジェスチャーや表情によるものがありますが、言葉が伝わらなければ想像以上に苦労します。

発信者の意図が間違った形で相手に伝わると、業務のトラブルにつながるので対策が必要です。事前に母国語の使える人をチームに入れたり、日本語がある程度使える外国人雇用者を一緒に配属したりといった対策を行うとよいでしょう。

外国人雇用のトラブルにおける対策

外国人雇用においてよくあるトラブル事例を確認しました。ここからは事前のトラブル対策について解説します。あらかじめ対策をしておけばトラブルが起きる可能性を減らせるので、それぞれ確認しましょう。

契約書や就業規則の説明

契約書や就業規則は日本人労働者と同じものを利用して問題ありませんが、業務開始後にトラブルを起こさないために、外国人向けのものが必要になります。簡単な日本語で記載したものや、労働者の母国語で訳したものを用意することが大切です。

雇用締結を行うなど、重要なときは通訳を雇うのも一つの手です。あらかじめ入念な対策をしておくことで、あとのトラブルにつながる可能性を減らせます。

法制度の理解

労働者に関する法制度は、基本的に日本人と同じものが適用されています。しかし、外国人労働者を雇う企業には、追加で法制度が適用されるので注意が必要です。外国人労働者を採用、または解雇するときには、外国人雇用状況届出書を厚生労働大臣に提出する義務があります。

外国人労働者が外国人技能実習生の場合は、技能実習計画を作成して外国人技能実習機構に提出しなければなりません。法制度は複雑なので必要に応じて専門家に依頼や相談することが大切です。

快適な職場環境

外国人労働者にとって快適な職場環境にすることで、トラブルを減らせます。日本語習得の勉強会を開催することや、業務マニュアルをわかりやすくすることで外国人労働者が働きやすくなります。

企業やチームでも外国人労働者の慣習や価値観を理解することが重要です。多様性を受け入れられるように、企業全体で外国人労働者の理解を深められるようにしておきましょう。

外国人雇用トラブルの解決手順

対策を行っても多少のトラブルは起きてしまいます。実際にトラブルが起きたら、すぐ対処できるように解決手順を確認しておきましょう。事前に知っておけば最善の行動ができます。

話し合いと交渉

トラブルが起きたら、まずは話し合いと交渉が大切です。外国人労働者はとくに意思の疎通ができていない可能性があるので、しっかりと話を聞きましょう。そのうえで、できるだけ両者が納得して収まるような姿勢で行うことが重要です。

企業としては、あくまでも中立の立場としてお互いの話を聞くことで、社内に不信感を与えないでしょう。話し合いや交渉でまとまらないときは法定手続きに移行するので、外国人労働者との誠実な対応を証明するために記録や証拠を残しておきましょう。

法定手続き

話し合いと交渉で解決できないときは、労働審判を検討します。労働審判とは、裁判官の労働審判官と労使関係に詳しい労働審判員2名を評議に加えて、解決を試みる法定手続きです。

調停が成立すればトラブルは解決となりますが、まとまらない場合は労働審判官と労働審判員によって審判が下されます。当事者から審判に対して不服申し立てがなければ解決となります。

専門家に相談や訴訟

労働審判でも解決できない場合は訴訟へと移行します。労働審判を行わず訴訟することも可能ですが、円満に解決するためにもまずは労働審判を行うことを検討しましょう。訴訟になると企業名が公表されるので、企業のイメージダウンにつながります。

訴訟を避けるためにも、弁護士などの専門家に依頼して、交渉や労働審判の段階でトラブルの早期解決が必要です。実績のある弁護士に依頼すれば、法的なアドバイスや、実務経験から適切な対応を行ってくれるでしょう。

未然にトラブルを防ぐために、弁護士に依頼して就業規則や雇用契約書の見直しを積極的に検討しましょう。トラブルが実際に起きたときだけでなく、事前の対策でも弁護士はサポートしてくれます。

まとめ|外国人雇用のトラブルはすぐに解決

外国人雇用のトラブルにおける事例や対策、解決方法について解説しました。トラブルを早期に発見すれば、労働審判や訴訟につながる可能性が低くなります。トラブルを発見したらすぐに対応し、当事者が納得するまで話を聞きましょう。

外国人雇用者を受け入れる前に、職場の制度や環境を整えることで、社員の労働パフォーマンスの低下を防げます。また、事前に外国人労働者の受け入れについて会議や話し合いを行うことも重要です。トラブルが発生すると、解決に時間と労力が必要なので、あらかじめ対策を行いましょう。

【参考記事】

VERYBEST 外国人労働者を雇ったらトラブルが! 企業がすべき対策と解決方法

https://corporate.vbest.jp/columns/2302/

ウィルオブ採用ジャーナル 外国人労働者の採用後に起きやすいトラブルとは?解決策はある?

https://willof-work.co.jp/journal/3161/

Divership 外国人雇用におけるトラブルを回避するために知るべき3つの注意点

https://corp-japanjobschool.com/divership/employment-trouble

グローバルパワーユニバーシティ外国人採用後 よくあるトラブル5選とその対応策 ~トラブルの傾向を知って未然に防ごう~

https://university.globalpower.co.jp/1641/