技能実習生は本国で学べない技能について日本に学びに来ており、さまざまな業界で技能を身に付けるために業務に従事しています。技能実習生は携帯電話を持つのは認められていますが、実際には技能実習生は携帯電話を持った方がいいかどうかについて迷っているケースも少なくありません。
今回は技能実習生が携帯電話を持った方がよいかについてだけでなく、携帯電話を持つ場合には法人契約か個人契約のどちらがよいかについても解説します。
目次
技能実習生が携帯電話を持つのは自由
技能実習生が携帯電話を持つのは自由であるため、携帯電話を持っている技能実習生もいれば持っていない技能実習生もいるでしょう。法律的には会社側が携帯電話を用意する義務が定められておらず、会社は用意せずに自分自身で契約をしてもらうケースも多いです。
携帯電話の契約方法には法人契約と個人契約が挙げられますが、基本的には仕事などで使用するなら法人契約で用意する傾向にあります。携帯電話を法人契約するケースと個人契約するケースについて解説するので、技能実習生を受け入れて携帯電話を用意するかしないか検討してみましょう。
仕事で使用するなら法人契約で用意する
仕事で使用するなら法人契約で用意して、技能実習生が円滑に業務に取り組めるようにしたほうがいいでしょう。業種によっては会社の外に出て業務に取り組むケースもあるため、安全面なども考えると携帯電話は必要です。
たとえば建設業では事務所や工場で勤務するだけではなく、顧客からの依頼を受けて現場で業務に取り組むようにもなります。どうしても会社が管理している事務所や工場以外での勤務が考えられるなら、携帯電話を用意して技能実習生に渡すのがオススメです。
仕事で不要なら個人で契約するケースが多い
仕事で不要なら会社は携帯電話を用意せずに、技能実習生が個人で契約して携帯電話を保有するケースが多い傾向にあります。技能実習生によっては仕事で必要ないなら契約しない人も多いですが、中には本国で生活している家族とコミュニケーションを取るために契約する人もいるでしょう。
ただし、会社側は仕事で不要であっても技能実習生が生活しやすいように、会社で携帯電話を契約しても問題ありません。携帯電話を会社側で用意しないケースでも、技能実習生と話し合いをして方向性を決めます。
個人で携帯電話を契約するとトラブルが起きやすい
技能実習生が個人で携帯電話を契約するとトラブルが起きやすいため、実際にどのようなトラブルが発生するかについては把握しておきましょう。個人で携帯電話を契約する際に起こりやすいトラブルとしては、以下の3つが挙げられます。
- 契約内容を把握できていない
- 携帯料金を滞納して支払いが難しくなる
- そもそも携帯電話の契約ができない
起こりやすいトラブルには技能実習生が原因のケースもあれば、携帯電話キャリアが原因のケースもあるでしょう。個人で携帯電話を契約する際の、トラブルについても解説します。
契約内容を把握できていない
技能実習生が携帯電話を個人で契約した場合、携帯電話の具体的な契約内容について把握できていないケースは少なくありません。契約内容を把握できていない原因としてはさまざまな点が考えられますが、日本人でも携帯電話の契約内容について把握することは難しいといえます。
日本人でも把握が難しい契約内容を日本語が比較的苦手な技能実習生が把握するのはさらに難しく、知らない間に高いプランに加入しているかもしれません。他にも安いプランに加入したとしても通信制限などについて把握できておらず、知らない間に通信量が多くなり請求額が高くなる可能性も考えられます。
携帯料金を滞納して支払いが難しくなる
個人で携帯電話を契約した場合は自分で携帯料金の支払いをおこない、基本的には毎月決められた日時に口座振替での支払いが多いです。
しかし、決められた日時に口座に入金されていなければ、携帯電話会社などから料金が引き落とせない旨の連絡がきます。携帯料金を滞納してしまってすぐに使えなくなるケースが考えられるのに加えて、滞納してしまっている状態を放置しているとトラブルの原因になりかねません。
ほかにも滞納してしまって強制解約になると、機種代金も一括請求されて支払いが難しくなるかもしれません。機種代金とプラン利用料金を一括請求されれば、数万円から数十万円の請求になる可能性もあるでしょう。
そもそも携帯電話の契約ができない
技能実習生だけではそもそも携帯電話の契約ができない可能性もあり、理由としては携帯料金の支払い形態が影響しています。携帯料金は機種代金とプラン利用料金などから成り立っていますが、利用料金の支払いは担保などを取らずに信用によって成り立っているのが特徴です。
携帯電話の契約時には審査がおこなわれるのが一般的なため、技能実習生は信用情報の面から審査に落ちてしまうケースも考えられます。日本に来たばかりでは信用情報が不十分と審査で判断されて、技能実習生が携帯電話の契約ができないケースは珍しくありません。
トラブルを避けるために、法人で携帯電話を契約する
技能実習生が携帯電話を個人で契約するとトラブルが起きやすいため、トラブルを避けるために法人で携帯電話を契約することも方法として挙げられます。法人として問題なく業務をおこなっているなら携帯電話の契約もでき、会社名義での携帯電話になるので携帯料金などの管理も簡単になるでしょう。
しかし、法人で携帯電話を契約するなら以下の2点には気を付ける必要があります。
- 会社名義での携帯電話になるので使用用途を限定する
- スマホでなくガラケーでも十分なケースもある
技能実習生に法人契約の携帯電話を貸与する際は、あくまでも会社名義の携帯電話である点は伝えておきましょう。会社名義の携帯電話は技能実習生に自由に使わせるのではなく、ある程度は制限などをかけて貸与したほうが安全です。
会社名義での携帯電話になるので使用用途を限定する
携帯電話を法人契約した場合は会社名義になるため、技能実習生に対して使用用途は限定しておきます。基本的には電話やメールなどの使用は認めるけれど、SNSなどの使用は認めないなどが考えられるでしょう。
会社名義の携帯電話を使用してSNSなどで炎上するのはリスクが大きいため、会社が契約している携帯電話の場合は使用用途は限定します。ほかにも仕事関係の連絡だけに使用できるようにしたり、仕事以外での使用は家族や友人への連絡だけにしたりなどが挙げられます。アプリなどをダウンロードして使用するなら無料のものに限定して、アプリ内課金などはしないように伝えておきましょう。
スマホでなくガラケーでも十分なケースもある
使用用途次第ではスマホではなくガラケーでも十分なケースもあるだけでなく、リスク管理などから考えるとむしろガラケーの方がよいかもしれません。ガラケーではそもそもの機能がスマホと比較して少ないため、基本的には電話とメールなどの基本機能しか使えない機種も多いです。
各種連絡だけで問題ないと考えているケースや、あくまでも会社名義として最低限の環境の整備が目的ならガラケーでも問題ありません。スマホよりもガラケーの方が基本料金も低く設定されている傾向にあり、料金負担などを抑えたいと考えているならガラケーがオススメです。
まとめ|技能実習生の携帯電話は法人契約がオススメ!
技能実習生が個人で携帯電話を契約するとさまざまなトラブルが考えられるため、技能実習生の携帯電話は法人契約がオススメです。仕事で携帯電話を使用しないなら会社側で準備する必要はなくても、現代では携帯電話を持っていたほうがさまざまな場面で便利といえるでしょう。
会社負担で携帯電話を用意するならガラケーでも連絡には十分であり、状況などを見ながらスマホにするかガラケーにするかも考えます。技能実習生は携帯電話契約の審査に落ちてしまうケースも多いため、会社側に余裕があるならトラブルを避ける目的も含めて会社側で用意するのがオススメです。
【参考記事】
Global HR Magazine 技能実習生の携帯は法人契約の方がいい?現役監理団体職員が語るスマホ、SNSトラブルの原因と対策。
https://global-hr.lift-group.co.jp/119
RELO 総務人事タイムズ 外国人労働者受け入れの盲点。意外と知らない外国人の携帯電話契約の壁
https://www.reloclub.jp/relotimes/article/17545
企業単独型移行支援&技能実習ビザ請負センター 技能実習生来日後のスマホ・携帯電話契約について
https://samurai-law.com/ginojishu/column/col32/