長崎県の技能実習・特定技能を導入するには|【地域別】外国人雇用状況

1. 長崎県で外国人を雇用したいと思ったら

長崎県で外国人を雇用したいと考えたとき、どのような方法で募集をかけたり、採用した際の手順にはどういったものが必要なのかなど、気になる部分が生まれますよね。

外国人を雇用する方法として一般的とされているのが以下の方法です。

  • 特定技能外国人の受け入れを行い、就業してもらう
  • 特定技能実習生の受け入れを行い、雇用して就業してもらう

特定技能外国人とは、日本国内で人材不足が深刻であると認められた産業分野に対し、一定の水準以上の知識や経験、スキルを持っていることを証明できる在留資格を持った外国人のことです。採用後、特別な研修などを必要とせず、すぐに業務に就くことのできる外国人を指します。一方で特定技能実習生とは、日本の企業で、日本以外では習得が難しい技術や技能を習得してもらうために用意された制度を活用している外国人のことを指します。

長崎県の人口が減少傾向にあることに伴い、県内で外国人の受け入れを検討する企業が増えている傾向にあります。長崎労働局では「外国人材の受入促進」として特定技能制度や技能実習制度の利用を推奨する取り組みや、補助金(令和4年度長崎県外国人材受入緊急支援事業補助金)など、企業側が外国人労働者の受け入れをしやすくなるよう様々な取り組みが行われています。

外国人向けの求人を出す際には、外国人向けの相談窓口へ協力相談したり、ハローワークや各種求人サイトでの外国人材募集などによって希望者を募集する方法もあります。

2. 長崎県に外国人はどのくらいいる?

長崎県では2022年4月時点でおおよそ128万人、55万世帯が暮らしています。その中で県内に在住する外国人の人数は2021年10月時点で9,955人でした。現在では1,434事業所が外国人雇用を行っています。

長崎に在住する外国人の中で、ベトナム国籍の人が2,298人と最も多く、次に多いのが中国の788人、フィリピンの588人、ネパールの369人となっています。

2017年から2020年までの間、在留外国人の人口は毎年増えていました。しかし、2021年10月の記録では前年度の人数を1,000名ほど下回る結果となりました。また、長崎県の日本人人口も減少傾向にあります。

在住する外国人のうち、2,786人が技能実習生、287人が特定技能外国人です。留学生は1,285人となっており、中には学校を卒業したあと、そのまま長崎で就職を行う外国人もいるようです。

3. 長崎県の外国人雇用状況

2021年時点では、長崎県内に在住する外国人は5,782人です。そのうち2,786人が技能実習生、287人が特定技能外国人となっています。特定技能外国人が従事している産業分野は、農業、造船・舶用工業、飲食良品製造業が主な割合を占めています。

県内の留学生は1,285人在住しており、卒業後日本での就職を考えている学生も少なくありません。長崎県の人口が減少傾向にあるのに伴って、外国人労働者の受け入れを積極的にはじめている企業もあれば、今から受け入れの準備を始めようとしている企業も多くなっています。

産業分野ごとの雇用状況は以下の通りです。

製造業1,648人
卸売業・小売業946人
農業634人
建設業417人
教育・学習支援業398人
宿泊業・飲食サービス業388人
医療・福祉357人
他に分類されないサービス業262人
公務(他に分類されないサービス業を除く)147人
生活関連サービス業・娯楽業143人
運輸業・郵便業105人
漁業100人
不動産業・物品賃貸業88人
学術研究、専門・技術サービス業70人
情報通信業35人
複合サービス事業27人
金融業、保険業11人
分類不能の産業5人
電気・ガス・熱供給・水道業1人
(出典:長崎労働局「外国人雇用状況」

4. 長崎県で外国人技能実習生を受け入れるには

長崎県で働く外国人の多くは技能実習生です。2021年10月時点で2,786人が技能実習生として就労しています。

長崎県内の1,434事業所が外国人労働者の受け入れを行っている状況です。現在では長崎県内の人口減少に伴って人手不足に悩む企業もあり、人材確保のために外国人技能実習生や特定技能外国人の受け入れを行う事業所は増加傾向にあります。

特定技能実習生を受け入れる方法は主に2種類に分かれます。非営利の監理団体が技能実習生の受け入れを行い、加盟企業が技能実習を行う「団体監理型」という方法がひとつ。もう一方は、実習を実施する企業が取引先企業などの職員を技能実習として受け入れる「企業単独型」という方法です。

特定技能実習生の受け入れ方式として利用されている方法は「団体監理型」が多くなっています。

「監理団体」とは、技能実習生を受け入れて実習生の活動や受け入れ企業へのサポートを行う非営利の協同組合や商工会などを指します。 外国人技能実習生の受け入れを考えている企業からの依頼を受け、求人の募集や受入れまでの手続きなどのトータルサポートを行っています。技能実習生を雇用した企業に対して、適正な業務内容などで技能実習を行っているかの監査や、必要に応じて企業側への指導を行う団体です。

実際に受け入れを行う場合には、この監理団体への加入、技能実習生の受け入れ可能人数の確認や受け入れができる職種の検討を行います。一度に受け入れを行える人数には上限があり、技能実習生の区分や優良基準適合者の有無によって上限人数は変動します。また、受け入れが可能となっている職種にも定めがあり、技能実習生に任せられる職種になっているかの確認や検討が必要です。

産業分野によって対象となる職種数、任せられる作業の種類にもばらつきがあるため、注意して丁寧な確認を行いましょう。産業分野別の対象職種数は以下の通りです。

農業関係(2職種6作業)

漁業関係(2職種10作業)

漁業関係(2職種10作業)

食品製造関係(11職種18作業)

繊維・衣服関係(13職種22作業)

機械・金属関係(15職種29作業)

その他(17職種30作業)

一般管理団体 厚生労働省認可 法務省認可「AN SONG協同組合」実習生対象職種

外国人技能実習生の受け入れを行う際、必要となる手順は以下の通りです。

  1. 監理団体に加入し、加入した監理団体に希望する人材の情報を伝え求人を出す
  2. 候補者が揃い次第面接を実施し、採用する人材を決定する
  3. 技能実習計画を立て、必要書類を準備して外国人技能実習機構に申請を行う
  4. 外国人技能実習機構から認可を受けたあと、出入国管理局に必要書類を提出
  5. 交付された証明書を雇用する外国人へ送付する
  6. 雇用する外国人に在外公館でビザを申請してもらい、申請が通ったあと日本への入国をしてもらう
  7. 雇用する外国人が日本に入国したら、監理団体による日本語・日本のルールに関する講習を1ヶ月間受講してもらう
  8. 講習終了後、受け入れ企業(採用を行った企業)で就業を開始する

5. 長崎県で特定技能外国人を受け入れるには

特定技能外国人とは、特定の産業分野において、定められている基準以上のスキル経験、知識、技術を有する在留資格をもった外国人です。 即戦力になる人材であることが求められる資格であり、研修期間などを必要としない外国人材を指します。

特定技能外国人は主に2種類に分かれており、それぞれ「特定技能第1号」「特定技能第2号」と呼ばれています。特定技能第1号の対象となるのは人材不足が懸念されている産業分野14種であり、特定技能第2号は14分野のうち2分野が対象です。

特定技能には資格試験が設けられており、試験に通過した外国人にのみ与えられる資格です。ただし、特定技能第1号の場合のみ、特定技能実習から特定技能第1号への移行手続きを行えます。移行手続きには条件があり、条件をクリアできた人のみが行える手続きとなっています。

特定技能第1号の場合、以下の分野にて受け入れを行うことができます。

  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • 宿泊業
  • 航空業
  • 自動車整備業
  • 造船・舶用工業
  • 電気・電気情報関連業
  • 産業機械製造業
  • 素形材産業
  • 建設業
  • 介護業
  • ビルクリーニング

上記14分野のうち、建設業と造船・舶用業が特定技能第2号の受入れを行える分野となっています。現在特定技能第2号の受け入れ分野の拡大が検討されており、拡大が確定した場合、11分野が追加される予定です。

特定技能外国人を受け入れるためには、外国人雇用を行う企業が上記14分野のいずれかに該当している必要があります。受入れを行う手続きは以下の手順で行います。

  1. 特定技能外国人として雇用を希望する外国人を募集し、希望者が集い次第面接を実施
  2. 採用する外国人の決定後、企業と外国人との間で雇用契約を結ぶ
  3. 登録支援機関に委託、もしく企業にて支援計画を作成
  4. 必要書類を出入国管理局に提出し、在留資格の申請
  5. 申請通過後、出入国管理局から交付された証明書を雇用する外国人へ送付する
  6. 雇用する外国人に在外公館で外国人にビザを申請してもらう
  7. ビザ取得後、日本へ入国し就労開始

6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!

今回は長崎県で技能実習・特定技能を導入する方法について詳しく解説していきました。

長崎県では外国人に対する支援として相談窓口などの設置、補助金の案内などさまざまな取り組みを実施しています。加えて、県内の企業の中には人口減少に伴う人材不足の解消として、外国人労働者の受け入れを検討するところも増えています。

特定技能や技能実習制度をうまく活用すれば、人材不足の解消だけではなく、生産性の向上や職場の雰囲気の改善など、さまざまなメリットも受けることが可能です。後継の育成や優良な人材確保のためにも、特定技能や技能実習の制度を活用する外国人雇用を検討してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

【参考記事】

厚生労働省「長崎労働局」公式ホームページ

長崎県における「外国人雇用状況」の集計結果まとめ

長崎県「長崎県異動人口調査」

入出国在留管理庁「特定技能ガイドブック」

出入国在留管理庁 「特定技能外国人受入れに関する運用要領」

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