目次
1. 岩手県で外国人を雇用したいと思ったら
日本は少子高齢化の影響で人口の減少が懸念されています。岩手県でも労働人口の減少が深刻化しており、人手不足解消のために外国人の雇用が注目されています。岩手県で外国人を雇用するにはどうすれば良いのでしょうか。
岩手県で外国人を雇用するには、さまざまな求人募集方法があります。効果的な求人募集方法は次の通りです。
- 外国人向け就職・転職サイト
- 外国人雇用サービスセンター
- 大学・日本語学校
- 自社のホームページ・SNS
インターネットが生活に欠かせなくなっている昨今、日本での就職についてネットで情報収集する外国人材も多いです。インターネットで「岩手県 外国人 採用」と検索すると複数の外国人向け就職・転職サイトが出てきます。
外国人向け就職・転職サイトは求人募集ができることに加えて、在留資格や雇用手続きなどの外国人雇用に関する情報も収集することができるのでおすすめです。また、外国人雇用サービスセンターを活用するのもおすすめです。
外国人雇用サービスセンターは国が管轄する機関なので、企業も安心して活用できます。全国の外国人材が求職者として登録していて、全国の求人を閲覧してもらえます。センター自体は東京に2カ所、名古屋・大阪・福岡の計5カ所あります。
外国人雇用に関する相談やサポートも行っているので、ぜひ問い合わせてみてください。新卒の留学生を雇用したいのであれば、大学・日本語学校に求人を出すのも良いでしょう。毎年求人を出していれば、それなりに知名度も上がります。
また学校で行う就職説明会に参加し、自社の知名度を上げるのもおすすめです。自社のホームページ・SNSで求人を募集するという方法もあります。特にSNSでの求人募集は比較的新しく、新しいことに挑戦する会社というアピールにも繋がります。
より多くの外国人材に出会うには、できるだけ多くの方法で求人募集を出しましょう。
2. 岩手県に外国人はどのくらいいる?
岩手県に住む外国人であれば、岩手県での就職を検討する可能性が高いです。岩手県にはどのくらいの外国人が在留しているのでしょうか。出入国在留管理庁のホームページによると、令和3年12月時点で岩手県に住む外国人は7,203人です。
特に県庁所在地である盛岡市に住む外国人が多く、2番目に多い一関市の約2倍の人数となっています。国籍ではベトナム人が最も多く、次いで中国・フィリピンの順となりました。観光で訪れる外国人の動向を見ても、盛岡市は2番目に多い割合となっています。
岩手県では、インバウンド対策のために「いわての10手」を掲げています。「いわての10手」は、岩手県を訪れた外国人に満足してもらうための次のような指針です。
- 文字よりも絵で示そう
- 「ようこそ」を表現しよう
- 自分から話しかけよう
- 写真はタテ・ヨコ両方で
- 一緒に写真に収まろう
- 基本は「そこまで一緒に」
- 一生懸命さを伝えよう
- 何かに書いてあげよう
- 荷物を手伝ってあげよう
- 世界にお礼を言おう
これらの取り組みもあり、岩手を訪れる外国人は増えました。岩手県の良さが印象に残った外国人は、日本に住む際に岩手県を選ぶ方も多いでしょう。
3. 岩手県の外国人雇用状況
令和3年10月末時点で、岩手県の外国人労働者数は5,225人います。外国人を雇用する事業所数は1,039カ所で、盛岡市の事業所数が最多となりました。前年と比べると外国人労働者数は減少したものの、事業所数は増加しています。
新型コロナウィルスの影響が少なくなれば、外国人労働者数も増えていくでしょう。なお、岩手県で働く外国人の出身地はベトナム・中国・フィリピン・インドネシアの順で多くなっています。
岩手県は、特に技能実習の受け入れに積極的な企業が多い印象です。実際に岩手県で働く外国人の在留資格で最も多いのは技能実習です。岩手県内の外国人技能実習機構(OTIT)から認定された協同組合も豊富なので、受け入れ企業も依頼しやすいでしょう。
4. 岩手県で外国人技能実習生を受け入れるには
岩手県で働く外国人の在留資格は技能実習が最も多く、全体の50%以上を占めています。技能実習は日本で働きながら技能や知識を学び、母国に持ち帰ってもらうことで国際貢献することを目的としています。平成5年に制度化され、平成29年に在留資格となりました。
技能実習には1号〜3号あり、それぞれ内容と機関が異なります。技能実習1号は入社1年目に技能を修得する区分で、職種に制限はありません。また、2ヶ月の座学講習を受ける必要があります。
技能実習2号は、技能実習2年目と3年目の計2年間技能の習熟に励む区分です。技能実習1号の実習修了前に試験に合格し、入国管理局の審査も突破した人材が2号に進むことができます。2号では82職種148作業(令和2年7月時点)が認められています。
技能実習3号は、技能実習4年目と5年目の計2年間技能の熟達を目指す区分です。技能実習2号から3号に移行するには、技能評価試験に合格することが必須です。
なお、技能実習3号として働けるのは、主務省令に定められた基準に達している実習実施者または監理団体に限定されるので注意しましょう。技能実習として外国人を受け入れる方法は「企業単体型」と「団体監理型」の2種類あります。
「団体監理型」で受け入れる企業が9割以上なので、「団体監理型」での受け入れ方法を解説します。大きな流れは次の通りです。
- 監理団体と契約する
- 監理団体を通じて求人を出す
- 採用面接などを経て採用者を決める
- 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
- 出入国管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
- 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
- 技能実習生を受け入れる
監理団体は複数あるので、ホームページなどで情報を仕入れて自社と相性の良い団体を見つけましょう。
5. 岩手県で特定技能外国人を受け入れるには
岩手県で特定技能として働く外国人は、令和3年10月末時点で133人でした。特定技能は平成31年4月からスタートした在留資格なので、まだ人数は少ないですがこれからどんどん増加することが期待されています。
特定技能の新設によって、人手不足が深刻化する14の産業分野で外国人の雇用が解禁されました。特定技能が対象となっている産業分野は次の通りです。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
自社の業務がこれらの分野のいずれかと一致していなければ、特定技能として外国人を雇用することはできません。必ず事前に確認しましょう。特定技能の資格を取得する方法は次の2通りあります。
- 技能実習からの移行
- 指定された日本語能力試験・技能評価試験に合格
いずれの方法で特定技能を取得した外国人材も、即戦力となる人材ばかりです。日本語力もあり、知識や技能をすでに修得している外国人材はとても重宝されますよね。人手不足に悩んでいる企業には特に、特定技能での外国人雇用をおすすめします。
しかし、特定技能として外国人を受け入れるには企業側にも要件があるので注意が必要です。要件は次の通りです。
- 特定技能として雇用する人材の労働時間は、フルタイムであること
- 給与水準が日本人と同等かそれ以上であること
- 社会保険や労災保険、その他福利厚生を平等に適用すること
- 有給取得が利用できること
即戦力となる外国人を受け入れるには、それなりの待遇で迎えなくてはいけません。上記の要件に問題なければ、すぐに特定技能として外国人を雇用する準備を進めましょう。
6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!
ここまで、岩手県で外国人を雇用するにはどうしたら良いのか、岩手県の外国人人口と雇用状況、技能実習生・特定技能での受け入れ方について詳しく解説してきました。岩手県で外国人の雇用を考えたら、岩手県の在留外国人数と雇用状況を把握するのが大切です。
また外国人を雇用するには、さまざまな在留資格がありますが、技能実習と特定技能の活用がおすすめです。技能実習・特定技能の特徴を知って採用課題を解決しましょう。
厚生労働省 岩手労働局 高年齢者・障碍者・外国人の雇用に関する統計情報
https://jsite.mhlw.go.jp/iwate-roudoukyoku/roudoukyoku/gyoumu_naiyou/antei/_120330.html
出入国在留管理庁 在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表
https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html
訪日ラボ 岩手県のインバウンド対策事例とは?2018年中国人爆増・八幡平のスキー・「いわての10手」・DVD貸し出しや無料セミナーも
https://honichi.com/news/2019/12/04/iwatexinbound/#iwatexinbound-3-1
外国人労働者アクセス 岩手県の生産年齢人口と外国人労働者数(令和3年10月末現在)
https://gai-access.com/iwate/
Global HR Magazine 技能実習生を採用するには?募集から在留資格申請までの4つのステップ
https://global-hr.lift-group.co.jp/182
くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介
https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja
外国人採用サポネット 特定技能とは?制度や試験方法、技能実習との違いを解説
https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/visa/1420