技能実習生はあらゆる国から送り出されています。技能実習生の雇用を考えた際、どの国籍の人を雇用すべきか悩むのではないでしょうか。ラオスも技能実習生を送り出している国のひとつです。
ラオス人と言ってもあまり馴染みがないかもしれませんが日本人と似た国民性を持ち合わせています。ラオスの基本情報からラオス人技能実習生の受け入れ状況、特徴などを確認していきましょう。
目次
●ラオスの基本情報
- 正式名称:ラオス人民民主共和国
- 面積:24万平方キロメートル
- 人口:約710万人
- 首都:ビエンチャン
- 民族:ラオ族(全人口の約半数以上)を含む計50民族
- 言語:ラオス語
- 宗教:仏教
引用元:ラオス基礎データ|外務省
ラオスは東南アジアに位置する多民族の社会主義国家で、ニューヨークタイムズの「世界で一番行きたい国」に選ばれています。豊かな自然と穏やかな人々が癒しを与えてくれます。
そんなラオスですが、フランスから独立後、内戦が繰り返し行われ不安定な状態が続いていました。人材の国外流出が激しくなり、経済発展が遅れてしまった国です。
ラオスは国民の平均年齢が25歳と若い傾向にあり、少子高齢化が進む日本と正反対です。なんと、ASEAN加盟国の中で出生率が最も多いという結果が出ています。ラオス人を雇用するとなると若い人材に巡り合う可能性が高いでしょう。しかし、人口は日本と比べて少なめなので、なかなか巡り合うのが難しいかもしれません。
とはいえ、東南アジアの国々の中でも平均所得が少ない国なので、働き口を海外に目を向ける若者も多いはずです。仏教徒が多く日本人とも似た感性を持っている人種なので、一緒に働いてもトラブルは起こりにくいでしょう。
●ラオスからの技能実習生受け入れ状況
ラオスからの技能実習生受け入れは、令和3年12月時点で356人とそれほど多くありません。なお、日本に住むラオス人は令和3年12月時点で2,864人です。就職を海外に目を向ける若者は多いものの、やはりそもそもの人口が少ないのも影響しているのでしょう。
また、ラオス人技能実習生雇用の実績が少ないと受け入れを躊躇してしまう企業も多いです。やはり実績が多く、日本で接する機会も多い外国人で検討を始めてしまいますよね。しかし、ラオス人は日本人と相性が良いというメリットがあります。
ラオス人の国民性や特徴を把握し、ぜひラオス人技能実習生雇用の実績を作ってみてはいかがでしょうか。
●ラオス人技能実習生の特徴
ラオス人技能実習生は、日本人と似た国民性を持っているため、共に働きやすい特徴があります。外国人を雇用するのに慣れていない企業は特に、感性が似ている人種の外国人を受け入れるのがおすすめです。
ラオス人はどのような国民性で、どのような点が日本人と通じているのかを見てみましょう。
①仏教徒が多い
ラオス人は仏教徒が多い国なので、受け入れるラオス人技能実習生も仏教徒であることが多いでしょう。仏教は日本にも馴染みがありますし、食事など細かい制限がない宗教なので警戒する必要はほとんどありません。
日本人に通じる礼儀などの心得は仏教から来ているものも多いため、仏教を信仰するラオス人とは分かり合えることが多いのではないでしょうか。
②真面目で粘り強い
ラオス人は、真面目で粘り強い傾向があります。発展途上国ではありますが、女性の活躍は先進国と言って良いほど、男女関係なく向上心が高い人が多いです。学びの姿勢を常に持ち、モチベーションを維持しながら働く人が多いので、仕事の覚えも速いでしょう。
技能実習生として即戦力を育て、いずれ特定技能に移行してもらいたいという企業にラオス人はマッチします。仕事の教えがいもあるでしょう。
③組織を大切にする
ラオス人は個人よりも組織を大切にする人が多いです。日本人もそのような人の方が多いのではないでしょうか。個人の主張を突きとおそうとするのではなく、目上を敬い、協調性を大切にします。
そのため、人間関係でのトラブルは発生しにくいでしょう。技能実習生と言えば失踪トラブルをよく耳にするのではないでしょうか。その原因として人間関係のほころびも挙げられます。その点ラオス人は心配ないでしょう。
④おとなしい
ラオス人におとなしい人が多いのは、組織を大切にするゆえに自己主張をあまりしないという国民性から来ているのかもしれません。仕事を真面目に取り組み、こつこつと働いてくれる人が多いでしょう。
一方、おとなしいと何を考えているのかがわからないときもあります。コミュニケーションを密にとる必要がある職種では、少し働きにくさを感じてしまうというデメリットもあります。
●ラオス人技能実習生の受け入れ
ラオス人技能実習生は、どのように採用活動を進めていけば良いのでしょうか。技能実習生を受け入れるには、次の2パターンの方法があります。
- 企業単独型
- 団体監理型
「企業単独型」は、技能実習生の求人から受け入れまでを全て自社で行う方法です。ラオス現地に取引先や支店がある企業が行う受け入れ方です。「団体監理型」は、企業が加入した監理団体が技能実習生の採用活動、受け入れを代行してくれる方法です。
監理団体が全面的に技能実習生の雇用をサポートしてくれるため、9割以上の企業が団体監理型を選びます。初めて技能実習生を雇用する企業も安心です。加入費用はかかりますが、見合ったサービスを受けることができます。
なお、サービス内容と費用は加入する団体によって異なります。ホームページや口コミなどで情報収集をして、自社に合った団体を見つけましょう。ここでは、団体監理型での受け入れの流れと費用について詳しくご紹介します。
①受け入れの流れ
「団体監理型」でラオス人技能実習生を受け入れる大きな流れは、次の通りです。
- 監理団体と契約する
- 監理団体を通じて求人を出す
- 採用面接などを経て採用者を決める
- 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
- 出入国在留管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
- 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
- 技能実習生を受け入れる
監理団体は採用活動をサポートしてくれますが、コミュニケーションを怠らないようにしましょう。そうすれば、技能実習生の採用活動はよりスムーズに行えます。
②受け入れ費用
「団体監理型」でラオス人技能実習生を受け入れるには、団体への加入費をはじめとしてあらゆる費用が掛かります。予算を把握しておきたいですよね。おおよその費用相場は、次の通りです。
監理団体への加入 | ・入会費:1万~10万円・年会費:2万~15万円 |
JITICOへの加入 (監理団体によって加入必須) | ・年会費:10万~30万円 |
現地への事前訪問 | ・渡航費:約15万~25万円 |
技能実習生の入国準備 | ・在留資格申請:約2万~4万円 ・技能実習生総合保険料(37ヶ月分):約2万~6万円 ・健康診断費用:約1万円 ・入国前講習費:約1万5千円~4万円 ・入国渡航費:約10万円 |
入国後にかかる費用 | ・入国後研修:約10万円 ・講習手当:6万円 ・健康診断費用:約1万円 |
技能実習生の受け入れにかかる費用は、監理団体や状況によっても異なりますが、トータルで51万~92万円ほどを予想しておくと安心です。監理団体を選ぶ際は、予算も含めて検討すると良いでしょう。
●まとめ
ラオス人技能実習生の雇用は、まだ実績が少ないです。そのため、なかなか受け入れに踏み切れない企業もいるでしょう。しかし、ラオス人は日本人と似た気質もあり、トラブルを嫌がります。技能実習生の雇用で起こりがちな失踪などの心配はなさそうです。
ラオス人技能実習生の特徴を把握し、受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。ラオス人技能実習生を雇用して、採用活動をスムーズに進めましょう。
ラオス人材育成事業協同組合
https://www.jlhrdbc.jp/
出入国在留管理庁 【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】
https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html
くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介
https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja
ウィルオブ採用ジャーナル 技能実習生を受け入れる際にかかる費用をまるっと解説
https://willof-work.co.jp/journal/2592/