目次
1. 青森県で外国人を雇用したいと思ったら
青森県は農林水産業の生産量が日本でもトップとなっており、中でもりんごやごぼうといった農産物や、ホタテガイなどの水産物が非常に有名です。とくにりんごの生産については明治時代からの古い歴史を持ち、日本で唯一のりんごの試験研究機関があるのも青森県の特徴となっています。
青森県内の約6割を森林が占めており、スギやヒバ、ブナなどの林産物の生産にも適している豊かな自然があります。加えて青森県は海に3方を囲まれており、海岸線は800キロメートルにも及びます。多くの魚類が海岸に集まり、漁場として優れた場所も有しているのが大きな特徴です。
このように自然を活かした産業が有名な青森県ですが、各産業で人材不足が深刻化していることが、今問題視されています。少子高齢化の影響を受けているのが主な原因で、人材の確保のために外国人の雇用を始める企業も少なくありません。
青森県で外国人の雇用を検討する際には、関係機関への相談をすることがオススメです。外国人雇用には外国人を受け入れられる社内環境の準備や、社内規則の見直し、外国人の生活環境の確保など、事前準備として行う手続きは多岐に渡ります。
こうした手続きをどの手順で行うべきなのか、代行依頼ができるかなど、「外国人雇用&就労ビザ相談センター」や「青森労働局の各種相談窓口」などに相談することができます。
2. 青森県に外国人はどのくらいいる?
青森県に住んでいる外国人労働者は、令和3年10月時点で3,861人でした。国籍別に見ていくと、最も多いのがベトナム国籍の1,976人で全体の半数を占めています。次に多いのは中国国籍(マカオと香港を含む)591人、フィリピン国籍の365人、カンボジア国籍が149人といった結果です。
他にもネパール、インドネシア、韓国などさまざまな国の外国人が青森県で働いています。フィリピン国籍は前年より12人増加、カンボジア国籍については前年より20人増加しています。青森県内で外国人労働者の雇用を進める事業所は年々増加傾向にあり、中小企業でも雇用を検討する事業所が増えています。
一方で青森県の総人口は減少が続いており、少子高齢化の影響を受けていることが大きな原因とされています。日本は全国的にも人口の減少が懸念されていますが、中でも青森県の減少率は高く、今後の各産業の人材不足も問題視されているのが現状です。
3. 青森県の外国人雇用状況
青森県では豊かな自然を活用した農業や林業、漁業が盛んに行われています。一方で食料品、鉄鋼業、パルプ製造業などの製造業の生産量も全国トップクラスです。さまざまな産業が有名な青森県では、各産業で外国人雇用を行う企業が増えています。
令和3年10月時点では、外国人の雇用を行う企業は820事業所となりました。青森県内で外国人労働者の雇用をすすめる企業は年々増加しており、令和3年には前年より32事業所が増加しています。
産業別に見ていくと「製造業」で雇用されている外国人が最も多く、全体の約4割となっています。次に多いのが「卸売業・小売業」の452人、「農業・林業」の346人です。全体を占める割合は「卸売業・小売業」が 11.7%、「農業・林業」が9.0%という結果です。
他にも幅広い分野で働いている外国人が、青森県に住んでいます。産業別の外国人の雇用状況は以下の通りです。
製造業 | 1,536人 |
卸売業・小売業 | 452人 |
農業・林業 | 346人 |
建設業 | 284人 |
教育・学習支援業 | 178 人 |
宿泊業・飲食サービス業 | 286人 |
医療・福祉 | 214人 |
他に分類されないサービス業 | 92人 |
公務(他に分類されないサービス業を除く) | 168人 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 32人 |
運輸業・郵便業 | 38人 |
漁業 | 60人 |
不動産業・物品賃貸業 | 10人 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 25人 |
情報通信業 | 5人 |
複合サービス事業 | 133人 |
金融業、保険業 | 1人 |
分類不能の産業 | 1人 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 0人 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 0人 |
4. 青森県で外国人技能実習生を受け入れるには
青森県で外国人の人材を雇用する際には「技能実習」という国の制度を利用できます。「技能実習」は、発展途上国に住んでいる外国人に対し、日本で実習することによって日本の技術や知識を学び、身に付けてもらう制度のことを指します。
しっかりとスキルや知識を学んだ後、外国人は母国へ帰国し、学んだ技術や知識を広めて母国の経済発展を目指します。「技能実習」で雇用する外国人は、日本人労働者と同じ条件で雇用することが可能です。人材不足の解消や、生産性の向上を期待できます。
ただし、「技能実習」で外国人を雇用できる職種には制限が設けられており、雇用する際には以下の職種に該当している必要があります。
- 農業関係(2職種6作業)
- 漁業関係(2職種10作業)
- 建設関係(22職種33作業)
- 食品製造関係(11職種18作業)
- 繊維・衣服関係(13職種22作業)
- 機械・金属関係(15職種29作業)
- その他(17職種30作業)
(引用元:一般管理団体 厚生労働省認可 法務省認可「AN SONG協同組合」実習生対象職種)
自分の企業が該当していることを確認し、技能実習生を受け入れられるよう事前準備をすすめましょう。技能実習生を雇用する方法は「団体監理型」と「単独企業型」の2種類のいずれかを選択します。
外国人雇用が初めての場合には「団体監理型」という方法で雇用を進めることがほとんどです。「団体監理型」とは管理団体(協同組合などの非営利団体)に加入します。加入した企業は、実習実施者として技能実習生を雇用することが可能です。
実際に雇用する際には、関係各所への必要書類の提出、社内環境の整備、会社の規則の見直し、実習生の生活環境を整えたり、任せる業務の精査をしたりと、複雑な手続きが必要です。このように必要となる手続きを、管理団体に確認しながら進めていきます。多くの中小企業では、この「団体監理型」を採用して技能実習生の雇用を行っています。
青森県で技能実習生を雇用する方法は、「単独企業型」というもう一つの方法があります。「単独企業型」とは、取引先企業から外国人の職員を受け入れ、自分の企業で実習を行うと言う方法です。この「単独企業型」では、手続きをすべて企業内で完結する必要があります。外国人の雇用に慣れている企業に選ばれる方法となっています。
5. 青森県で特定技能外国人を受け入れるには
青森県で外国人を雇用するもう一つの方法には、「特定技能」があります。「特定技能」とは、人材不足が深刻な問題となっている産業に対して、研修期間などを必要とせず即戦力になる外国人を雇用できる制度のことです。
「特定技能」で雇用ができる外国人には、いくつかの条件があります。まず、就労予定の産業に対して定められた基準以上の高いスキルと知識を持っていることが前提です。そのため「特定技能」の資格を取得するためには、試験に通過することと、ある程度の実務経験が必要とされます。また「特定技能」には「特定技能第1号」と「特定技能第2号」の2種類があり、対象となる産業分野はそれぞれで異なります。
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 宿泊業
- 航空業
- 自動車整備業
- 造船・舶用工業
- 電気・電気情報関連業
- 産業機械製造業
- 素形材産業
- 建設業
- 介護業
- ビルクリーニング
上記の14分野が「特定技能第1号」の対象となる産業分野です。うち「建設業」「造船・舶用業」が「特定技能第2号」の対象となります。
自分の企業が上記の分野に該当していることを確認し、該当していれば雇用の準備を始めます。必要となる手順は次の通りです。
- ハローワークに協力を仰ぎ、特定技能外国人としての雇用を希望する外国人を求人募集する
- 応募者が集まったことを確認し、面接を実施する
- 採用者が決まり次第、雇用契約を締結する
- 外国人を採用する企業、または採用する企業から委託された登録支援機関が支援計画書を作成する
- 出入国在留管理庁に必要書類を提出し、採用する企業が在留資格の申請を行う
- 申請の通過が確認できたら、出入国在留管理庁から交付された証明書を採用予定の外国人へ送付する
- 在外公館で採用予定の外国人がビザ申請を行う
- ビザ取得後、採用予定の外国人が日本へ入国したら就労開始する
6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!
いかがでしたか。今回は青森県で「技能実習」と「特定技能」の制度を利用した外国人の雇用について解説していきました。
青森県は森林面積が6割を占めており、海にも囲まれているため農林水産業に適した環境に恵まれています。一方で製造業も盛んであり、日本でも有数の生産量を誇る県です。青森県の歴史は古く、日本の産業を支えてきた県でもあります。
一方で人材不足が深刻化している県でもあるため、優秀な外国人を雇用して人材不足の解消を狙う企業も増えている傾向があります。もし外国人の雇用を検討しているのであれば、一度「外国人雇用&就労ビザ相談センター」や「青森労働局の各種相談窓口」などに相談してみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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