「航空」業界で外国人技能実習生を受け入れよう!

航空業界で外国人の方の雇用を考えている企業も増えてきています。なぜ外国人の航空技能を持っている方を求めているのかと、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

少子高齢化が進む日本では、働き手の減少が課題となっており、外国人の航空技能を持っている方を雇用する取り組みは非常に注目されています。

今回は、航空業界で外国人技能実習生を受け入れる際の流れについて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

●「航空」業界の現状

航空業界は新型コロナウイルスの影響を受け、外出自粛が推奨されたことにより、旅行などで必須となる飛行機の需要が減っています。2年前には、5割から8割程度も利益が減ってしまっている状況でした。

最近では、コロナ禍も落ち着きはじめているため、少し前よりも状況は改善していますが、依然として厳しい状況であることには変わりありません。

落ち込んでしまった利益を元通りにしようと試みる施策が進められています。たとえば、飛行機1便の座席数を増やしてみたり、機内のサービスを有料化したりなどが挙げられます。

今では日本人の方も国内外問わず旅行をすることが増えており、外国人の観光客も日本へ訪れています。こういった状況から、航空業界も少し明るくなってきています。

技能実習生を受け入れる要件

技能実習生を受け入れるには、企業側に全産業共通で次のような要件があります。

  • 法律に定められた欠格事由に該当していないこと
  • 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を配置すること
  • 技能実習生の住居を確保すること
  • 賃金を日本人と同額以上に設定すること
  • 社会保険に加入させること
  • 帳簿を作成・保管すること

まず法律で定められている欠格事由に、該当していないことが非常に重要です。技能実習生は外国から受け入れる大切な人材です。日本としても欠格事由に該当するような企業に、技能実習生の受け入れを許可できません。

また、技能実習生は母国を離れ、プレッシャーに耐えながら日本で働くことになります。少しでもそういったプレッシャーや不安、ストレスを軽減するために、メンターを配置したり、住居を確保したりと企業側には万全のサポート体制が求められます。

そして技能実習生はアルバイトではありません。賃金も日本人労働者と同じように定める必要があります。これらに違反すると、一時的、もしくは永遠に技能実習生の雇用ができなくなることがあるので十分注意しましょう。

「航空」業界での課題

航空業界は、まだまだ課題が山積みの状態です。最も大きな影響を与えている課題は、オイルショックです。2020年の最初では、原油価格は1バレルあたり平均18ドルでしたが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて 、100ドルを優に超える水準に達しました。

2022年10月時点では、少し下がり90ドル程度まで下がりましたが、まだまだ高価格であることに変わりはありません。飛行機を動かすジェット燃料に原油は欠かせないため、コストがかさんでしまうということになります。

また、新型コロナウイルスによる影響も見過ごすことはできません。感染が一時期落ち着いたとしても、また新しい変異株が確認され、感染が一気に広がることもリスクです。

そのため空港での入国時検査などにも、人員をさく必要があり人件費もかかってしまいます。航空代の引き上げも検討しなくてならなくなり、飛行機の利用客が減少してしまうことも考えられます。

技能実習制度は、外国人が日本で働きながら技術を学び、帰国後に母国で活躍してもらうことを目的とした制度です。在留期間は最長5年で、延長はできません。

技能実習生の受け入れを検討したら気になるのが、受け入れの流れと費用についてですよね。「航空」業界で技能実習生を受け入れる際の流れと費用について詳しく見ていきましょう。

●技能実習生の受け入れ

技能実習制度は、外国人が日本で働きながら技術を学び、帰国後に母国で活躍してもらうことを目的とした制度です。在留期間は最長5年で、延長はできません。

技能実習生の受け入れを検討したら気になるのが、受け入れの流れと費用についてですよね。「航空」業界で技能実習生を受け入れる際の流れと費用について詳しく見ていきましょう。

受け入れの流れ

技能実習生を受け入れる方法は2通りあります。

  • 企業単体型
  • 団体監理型

企業単体型は海外に取引先や支店があり、自社で技能実習生を受け入れるルートがある企業が実施する方法です。団体監理型はまだ技能実習生を雇用したことがない企業にオススメで、監理団体が技能実習生の求人から受け入れまでをサポートしてくれる方法です。

技能実習生の採用から受け入れまで監理団体に依頼できることから、ほとんどの企業が団体監理型を選択します。監理団体に委託して外国人技能実習生を受け入れる流れは、次の通りです。

  1. 任意の監理団体に加入
  2. 現地(外国)で外国人の面談
  3. 現地(外国)で外国人向けに教育・講習の実施
  4. 日本に入国
  5. 監理団体にて外国人向けに講習を実施
  6. 外国人技能実習生の受け入れ

監理団体は複数あるので、自社に合う団体を見つけることが重要となります。監理団体に委託すれば技能実習生の受け入れ準備はスムーズに実施できます。企業は本業に集中しながら人手不足を補えるのがメリットです。

費用

技能実習生を雇用する際、さまざまな費用がかかってきます。ここでは団体監理型で受け入れる際の費用を例に紹介します。各費用の費用相場は次の通りです。

監理団体への加入・入会費:1万~10万円
・年会費:2万~15万円
JITICOへの加入
(監理団体によって加入必須)
・年会費:10万~30万円
現地への事前訪問・渡航費:約15万~25万円
技能実習生の入国準備・在留資格申請:約2万~4万円
・技能実習生総合保険料(37ヶ月分):約2万~6万円
・健康診断費用:約1万円
・入国前講習費:約1万5千円~4万円
・入国渡航費:約10万円
入国後にかかる費用・入国後研修:約10万円
・講習手当:6万円
・健康診断費用:約1万円

上記は技能実習生を受け入れるのにかかる費用です。技能実習生を受け入れたあとは、日本人労働者と同等以上の給与を支払う必要があります。技能実習生の最長在留期間で考えると、給与を除いても5年で1人当たり100万円程度と考えておきましょう。

●技能実習「航空」の職種と作業内容

技能実習生は、どの業務も担当できるわけではありません。航空業界で技能実習生が従事できる職種と作業は次の2職種7作業に限定されています。

職種作業
空港グランドハンドリング業務・航空機地上走行支援業務手荷物
・貨物取扱業務手荷物
・貨物の搭降載取扱業務航空機内外の清掃整備業務
航空機整備業務・運航整備機体整備装備品
・原動機整備

技能実習生は現場の業務を担当することがほとんどです。作業には必須業務・安全衛生業務・関連業務・周辺業務があり、必須業務は50%以上、安全衛生業務は10%以上と決められています。

航空業界で外国人技能実習生の受け入れを検討している企業は、技能実習生を受け入れたあと上記の職種・作業内容で雇用できるかを検討しましょう。

●【まとめ】正しい知識で「航空」業界の技能実習生を受け入れよう!

技能実習生を受け入れるには、複雑な手続きを行う必要があるため、自社だけで気軽に受け入れることが難しいのが現状です。その場合は監理団体型という方法を選択し、監理団体のサポートを受けながら進めていくことをオススメします。

オイルショックや新型コロナウイルスの影響により、業界自体の先行きが見えにくい状況だからこそ、外国人技能実習生の受け入れを進めることが重要になってきます。積極的に外国人技能実習生の雇用を進めていきましょう。

参考記事・文献

国土交通省 航空局 航空を取り巻く状況と今後の課題・取組

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001467196.pdf

Global HR Magazine  航空業で特定技能外国人を採用するには?

https://global-hr.lift-group.co.jp/193

ONE TEAM 知らなきゃ損!特定技能「航空」で雇用するメリットや注意点を解説

https://one-team-project.jp/specific-skill-aviation/

協同組合 福岡情報ビジネス 受入までの流れ

https://www.fjbnet.com/fjb/technical/receiving/