特定技能は日本の人手不足の業界において人手確保を目的として、外国人材を特定技能の在留資格で働いてもらえるようにします。
特定技能によって多くの国から日本へ外国人材が働きに来日しましたが、その中でもタイは来日者数が多いです。
今回はタイから外国人材を受け入れる際の特有な手続きとタイ人がどのような考え方を持っているかについてご紹介します。
目次
タイから外国人材を受け入れるには
タイから外国人材を受け入れるには国内にいる外国人材を採用するか、タイにいる外国人材を採用するかのどちらかになるでしょう。
ただし、どちらの方法で採用するにしても特定技能の在留資格は必要であるため、採用時や面接時には特定技能の確認が必要です。
国内にいる外国人材を採用するケースとタイにいる外国人材を採用するケースでは、採用までの手順などが異なります。
国内にいる外国人材を採用する
国内にいる外国人材を採用するケースでは技能実習生からの移行、国内で特定技能の在留資格を保有している外国人材を探さなければなりません。
採用できる外国人材を探す方法としては求人をインターネット上に掲載したり、外国人材採用のエージェントに依頼したりが挙げられます。
自分たちにマッチしている人材を見つけたいならエージェントがオススメです。エージェントが保有している外国人材情報からマッチしている人物を見つけられるでしょう。
タイにいる外国人材を採用する
タイにいる外国人材を採用する場合は手続きが複雑であるため、実際に採用できるまでにある程度の日時が必要です。
タイからの特定技能による採用は送り出し機関と一緒に進める方法、企業が雇用したいタイ人と直接雇用契約を締結する方法になります。
送り出し機関を一緒に進めたほうが求人の信頼性なども高まるため、自分たちだけで進めるのが不安なら送り出し機関との協力がオススメです。
タイからの外国人材を受け入れる際の特有の手続き
タイから受け入れる際には他国にはない特有な手続きがあり、この手続きをおこなわないと特定技能によるタイ人の受け入れは認められません。
タイから受け入れる際の特有手続きとして以下の2点が挙げられます。
- 雇用契約書の認証を受ける
- 海外労働・出入国許可申請を受ける
他の国から外国人材を受け入れる際には不要な手続きであるため、タイから受け入れる場合に注意が必要になるでしょう。
雇用契約書の認証を受ける
日本企業はタイ人を雇用する場合は駐日タイ王国大使館労働担当官事務所に雇用契約書などを提出して、雇用契約書などについて問題がないと認証を受けなければなりません。
雇用契約書を提出するタイミングは送り出し機関を活用するかしないかで変わり、それぞれのタイミングを把握しておきましょう。
送り出し機関を利用しない場合は雇用契約書を締結後に提出して、送り出し期間を利用する場合は就職希望者を紹介してもらうタイミングで提出します。
それぞれのタイミングを忘れないようにしっかりと管理をおこないながら、少しでも早く働いてもらえるようにしましょう。
海外労働・出入国許可申請を受ける
海外労働・出入国許可申請はタイにいる外国人材を採用する際に必要であり、タイを出国する前にタイ王国労働省に認証を受けた雇用契約書が義務付けられています。
認証を受けた雇用契約書を提出すれば海外労働・出入国許可申請が受けられるため、日本に来る前に各種手続きを忘れないようにしましょう。
企業と外国人材が協力しながら進めていく必要があるため、しっかりとコミュニケーションを取りながら遅れないように各種手続きを進めていくことが大切です。
タイ人の基本的な考え方
タイ人の基本的な考え方について把握しておかなければ、企業で外国人材を受け入れた後に思わぬ問題が起きてしまうかもしれません。
それぞれの国には国民性と呼ばれるものがあるため、国民性については把握しながら特定技能の受け入れを進める必要があります。
タイ人の基本的な考え方としては以下の2点がいえるでしょう。
- マイペンライの考え方
- 学習意欲が旺盛で自己犠牲精神を持っている
それぞれの基本的な考え方について解説していきます。
マイペンライの考え方
マイペンライの考え方としては「どのような物事もなるようになる」というおおらかな考え方であり、小さいことは気にしない考え方です。
おおらかな考え方であるため仕事などで失敗しても前向きに取り組んでもらえるため、仕事に対して一生懸命に働いてくれるでしょう。
マイペンライの考え方はタイ人に根付いている考え方であるため、受け入れた企業側は神経質になりすぎずにおおらかな考え方に合わせなければなりません。
学習意欲が旺盛で自己犠牲精神を持っている
タイ人は学習意欲が旺盛で自己犠牲精神を持っているため、特定技能で受け入れても積極的に業務に取り組んでもらえる可能性が高いです。
理由として、タイは学歴を重視している国であり、学歴を高めるために一人ひとりが質の高い教育を受けている傾向があります。
国全体での識字率が高いといわれていることからもわかるように、国全体で教育に熱心に取り組んでいることがわかるでしょう。
また、タイでは仏教が主流になっているので、目の前で困っている人がいれば手助けするように考えられています。
特定技能でタイ人を受け入れる注意点
特定技能でタイ人を受け入れる注意点はさまざまありますが、特に大切な注意点としては以下の2点が挙げられます。
- 日本人と同水準以上の労働環境と給与水準
- 異国で生活するサポートをおこなう
それぞれの注意点について理解しておかなければ思わぬトラブルに発展する恐れもあり、受け入れる前には注意点について企業で確認しておきましょう。
日本人と同水準以上の労働環境と給与水準
特定技能で外国人材を受け入れるなら、日本人と同水準以上の労働環境と給与水準の準備が求められます。
労働環境とは一週間の労働時間や休憩時間・休日などが該当し、同じ業務に従事しているケースでは同水準以上の給与の支払いが義務です。
同水準以上の労働環境と給与水準が守られていない企業は罰則対象であり、行政から法律に則って処罰されます。
また、特定技能で働いている外国人材には日本の労働基準法が適用されるため、適切な労働環境で適切な勤務内容を任せなければなりません。
外国人材に対して労働基準法違反などをしていると判明すれば、次回以降の外国人材の受け入れが認められなくなります。
異国で生活するサポートをおこなう
タイの人が日本で働いている場合、自分が生まれ育った国とは違う国で仕事とプライベートを両立させなければなりません。
タイと日本は仏教文化ではありますが、生活習慣や仕事に対しての考え方などは丁寧に指導する必要があります。
異国で生活をするとわからないことや不安なことも多くあるため、会社側は日本での生活に馴染めるように普段からコミュニケーションを取るようにしましょう。
文化の違いなどについては社員で共有しながら、お互いにどのような考え方を持っているか理解し合って仕事に取り組むことが大切です。
サポート内容としては安心して暮らせるための住環境の提供、市役所などへの書類提出の同行などが挙げられます。
特定技能について理解してタイから受け入れる
特定技能について理解してタイから受け入れることで、それぞれの企業で抱えている人手不足などの問題について解消できるでしょう。
しかし、特定技能によって日本で働いてくれる外国人材は働ける期間が定められているため、具体的な雇用方法や滞在期間が終わってしまう際の対策などについて考える必要があります。
将来的にタイからの受け入れを検討しているなら、特定技能の基本的な部分に加えて特有な手続きに関してもしっかりとした把握が大切です。
受け入れ企業は外国人材が不慣れな国で働いている点を理解して、働きやすい環境を提供できるように環境を整えましょう。
【参考記事】
MUSUBEE 特定技能ビザでタイから採用する場合に必要な手続き、注意点
https://musubee.co.jp/blog/thailand/
出入国在留管理庁 タイに関する情報
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri06_00112.html
Jinzai Plus 【特定技能】タイ人の採用ルートや注意点、費用などをまとめて解説
https://www.jinzaiplus.jp/posts/96