現在は、技能実習制度を利用してベトナムや中国だけでなくタイ人の技能実習生も受け入れることが可能です。
タイ人の受け入れも検討したいと考えている方の中には、タイ人の人柄や特徴、国民性が分からず困っている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、タイ人技能実習生の性格から誰も教えてくれない受け入れにあたっての評判まで、徹底解説していきます!
目次
●タイ王国の基本情報
正式名称:タイ王国 |
面積:51万4,000平方キロメートル(日本の約1.4倍) |
人口:6,641万人(2018年)(タイ内務省) |
首都:バンコク |
民族:大多数がタイ族。その他 華人、マレー族等 |
言語:タイ語 |
宗教:仏教 94%、イスラム教 5% |
気候:一年かけて暑い季節 |
①タイ経済について
タイはASEANで一人当たりのGDPが4番目に多い国と言われています。
上位3位は、シンガポール・ブルネイ・マレーシアです。また、GDPもインドネシアに次ぎ第2位となっています。(2019年)
タイの経済概況 |
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GDP:5,436億ドル(名目、2019年、IMF) |
一人当たりGDP:7,810ドル(2019年、IMF) |
経済成長率:2.4%(2019年、IMF) |
失業率:1.0%(2019年, IMF) |
GDPや一人当たりのGDPでは、ASEANの中でも秀でていますが、2019年の経済成長率は10位中9位と低迷しています。
●タイ人の性格は「マイ・ペンライ」&「サバイ」?
タイ人の性格は、一般的に「マイ・ペンライ」と「サバイ」であるといわれています。「マイ・ペンライ」は、大丈夫・問題ないという意味です。また、「サバイ」は、快適で気持ちいいという意味です。
タイ人は、日常生活で自分や相手の失敗や喧嘩に対して常に「大丈夫、大丈夫」という心構えでいます。これは、タイ人が争いごとや喧嘩事を好まない精神を持っているからだと考えられます。
なんでもない・なんとかなるという穏やかで寛容的な状態こそ、タイ人にとっての「サバイ」の状態であるといえます。
①仏教徒が多いため優しく穏やかな性格
また、前述したとおりタイでは日本同様仏教徒が大半を占めています。そのため、仏教文化が強く根付いており、そうした宗教的な要素もタイ人の性格に大きく影響を与えています。
仏教の文化や教えから、タイ人は「優しく穏やか」な性格の人であるといわれており、思いやりと寛大さに溢れた精神を持っているのもタイ人の性格的特徴の一つです。
②タイ人に「遠慮」という言葉はない
「マイ・ペンライ」な性格だからこそ、タイ人は「自分さえ快適ならOK」といった考えも強く、遠慮がなく面倒くさがりな一面もあります。具体的には、「暑いから歩きたくない」「待機列への割り込み」などがあります。
●タイ人技能実習生の特徴
ここまで、タイ人の性格について説明しました。タイ人を実際に受け入れる際には、そうした性格を踏まえた上で、これからご紹介する以下の特徴があることを覚えておくと良いでしょう。
①時間にルーズで約束事は遅れてくる
タイ人は、「マイ・ペンライ」の性格から、時間や約束に非常にルーズだといわれています。そのため、交通渋滞で30分以上遅れてくることもしばしば。「計画性をもって行動する」ということも苦手なようです。
また、タイ人の性格が非常に寛容で穏やかであることから待たされることに対して怒らないといわれています。タイ人が体的に時間にルーズなことから、受け入れの際は事前にしっかりと時間を守るよう説明しておく必要があるでしょう。
②業務は後回しにしがち
タイ人は、元来キビキビして忙しいような性格ではないため、その日中に業務を必ずやり切るよりもできるだけ後回しにする傾向があります。場合によっては本来やるべき業務も明日に後回しにしてしまうこともあるかもしれませんので、定期的な業務チェックや指導を行うと良いでしょう。
③タイ人特有の上下関係がある
タイ人社会には独特な立場関係があり、格差が大きく分かれています。日本の年功序列による立場関係と異なり、身に着けているものや車、ビジネスでの役職がタイ人にとって重要と言われています。
これらは、自身や相手を社会的に位置づけるために非常に重要であるといわれています。また、タイの人々はお互いの立場を気にしながら関係を築いていきます。タイ人にとって上下関係をはじめとした人との信頼関係も非常に重要なので、上下関係の感覚の違いには注意しましょう。
●タイ人技能実習生の評価
そんな性格や特徴を持つタイ人ですが、日本で働くタイ人技能実習生の評価は様々です。
①親日家であるタイ人技能実習生は関わりやすい
タイは世界でも有数な親日国家だといわれています。タイ人は、日本人が礼儀正しく様々な技術を持っている安全な国と思っており、日本に非常に良い印象を持っています。
更に、タイには多くの日本商品や日本レストランが存在し、日本の文化に親近感も感じています。
日本をテーマにしたショッピングセンターもあるほどで、バンコクのショッピングセンターに行けば、タイ料理のレストランよりも日本料理のレストランを見かけることのほうが多いといっても過言ではありません。
引用元:60か国を旅したライターが「親日だ!」と感じた国7選|TABIZINE
タイ人は日本に対して良いイメージを持ち、かつ日本の生活文化を事前に理解して技能実習生として働いてくれることから、関わりやすい・接しやすいという意見が多いです。
②失踪数が少ない
タイ人技能実習生は、 失踪数が少ない国の一つであるといわれています。
下記の技能実習生の失踪数についてまとめた表の通り、技能実習生の国別失踪数において「その他」に分類されるほどタイ人の失踪数が少ないことが分かります。
技能実習生を受け入れるにあたっては失踪数が少ないというのは大きなメリットであると言えます。
技能実習生国別失踪数 | 平成29年度失踪数 |
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総数 | 7089 |
ベトナム | 3751 |
中国 | 1594 |
カンボジア | 656 |
ミャンマー | 446 |
インドネシア | 242 |
その他 | 400 |
③タイ人技能実習生の受け入れ事例は少ない
タイ人技能実習生の失踪数が少ないとご紹介しましたが、そこにはタイ人技能実習生が失踪しづらいこと以外にも、「タイ人技能実習生の受け入れ人数が非常に少ない」ことが関係しています。
以下は、技能実習生の国別の受け入れ人数割合です。
タイ人技能実習生の受け入れ人数はまだまだ少ないですが、現在のところ受け入れ人数は年々増加傾向にあります。親しみやすい性格や特徴からタイ人技能実習生の人気は高く、今後更に多くのタイ人技能実習生が日本にやってくると考えられます。
●まとめ
☆タイのGDPはASEAN2位、一人当たりGDPはASEAN4位
☆タイ人の性格は「マイ・ペンライ(気にしない)」と「サバイ(快適)」
☆タイ人は、時間や業務に少しルーズな傾向あり
☆タイ人には独特な上下関係あり
☆タイ人は世界有数の親日国
☆タイ人の技能実習生の数はまだ少ないが増加傾向にある