目次
1. 広島県で外国人を雇用したいと思ったら
少子高齢化が進む日本にとって、外国人の雇用は人手不足解消の手助けになります。広島県でも同様で、外国人雇用を始める企業が増えています。外国人の雇用は、人手不足解消の他にもさまざまなメリットがあります。
- 企業のグローバル化
- 社内への良い刺激
- 若い人材の確保
海外との取引がある、もしくは海外への事業拡大を計画している企業であれば、外国人材は活躍するでしょう。企業のグローバル化をスムーズに進めることができます。また、母国を離れて意欲的に働く外国人材の姿は、社員にも良い刺激を与えます。
外国の文化や言語を学んだり、仕事に対する向き合い方が良い方向に変わる人材も増えるかもしれません。そして日本で働く外国人の平均年齢は日本人労働者よりも10歳低いため、若い人材を確保できる可能性が高いです。
ただし、外国人の雇用は日本人の雇用と違う手順を踏んだり、宗教や文化、言葉の壁などあらゆる弊害もあります。互いに上手に共生するため、覚悟と準備も必要なことを頭に入れておきましょう。
本記事では、広島県の外国人人口と雇用状況、広島県での技能実習・特定技能の受け入れ方について解説します。
2. 広島県に外国人はどのくらいいる?
広島県で外国人の雇用を検討し始めたら、まずは広島県に住む外国人がどの程度いるのかを把握しておきましょう。広島県に住んでいる外国人であれば、広島県で就職する可能性が高いです。
広島県のホームページによると、令和2年12月末時点で広島県に住む外国人の人口は55,782人です。国籍別に見ると、前年と比べてベトナム国籍の外国人が中国国籍の外国人を抑えて増加しました。外国人が住む広島県内の市町村は広島市が最も多く、次いで福山市という結果でした。
広島県のホームページでは「外国人向けお役立ちサイト」が閲覧できます。外国人向けお役立ちサイトには次のようなものがあります。
- Live in Hiroshima~広島在住外国人生活情報サイト~
- 外国人相談窓口~公益財団法人ひろしま国際センター~
- 広島県留学生活支援センター
- 外国人生活支援ポータルサイト(出入国在留管理庁)
- 技能実習向け母国語相談(外国人技能実習機構)
どれも、広島県に住む外国人にとって有益な情報を掲載しているサイトばかりです。このように在留外国人が住みやすい環境を整えている広島は、外国人にとっても魅力的で今後も人口が増えることが期待されます。
3. 広島県の外国人雇用状況
広島県の外国人雇用状況を知ることで、自社の業務で外国人雇用は現実的なのか検討することができます。広島県で働く外国人の数は、令和3年10月末時点で36,547人です。前年と比べて人数は少々減っているものの、外国人を雇用する事業所は増えています。
広島で働く外国人の人数減少は、新型コロナウイルスによる影響が大きいでしょう。影響が少なくなれば、人数も戻ってくることが想定されます。また、事業所数の増加は外国人の雇用によるメリットに注目している企業が増加していると言えます。
広島県で働く外国人の国籍で1番多いのがベトナムで14,051人、次いで中国の8,011人です。広島県で働くベトナム人は、4年連続で最も多くなっています。また、広島県には「外国人材受入企業等緊急支援事業補助金」というものがあります。
この補助金制度も、外国人を雇用する事業所数の増加の足かせとなっているかもしれません。この補助金制度を受けられる対象は次の通りです。
- 広島県内に所在する事業所で、外国人材を雇用する中小企業等
- 広島県内企業等で雇用される外国人技能実習生を受け入れた県内監理団体
外国人の雇用を検討している企業は、広島県のホームページで確認してみてください。
4. 広島県で外国人技能実習生を受け入れるには
広島県で技能実習生として働く外国人は、令和3年10月時点で15,001人です。前年に比べると減少したものの、広島県で働く外国人が所持する在留資格の中で1番多い割合です。国籍別ではこちらでもベトナムが最も多く、次いでフィリピンという結果になりました。
技能実習は、外国人が日本で働きながら知識や技術を習得し、帰国後に母国で活躍してもらうことを目的としています。最長5年の在留期間があり、延長したい場合には特定技能への移行も選択肢のひとつです。
他の在留資格よりも資格取得の条件が厳しくないため、技能実習生として日本で働くことを希望する外国人は多くいます。技能実習生を雇用するには、次の2通りの方法があります。
- 企業単体型
- 団体監理型
90%以上の企業が団体監理型での受入を選ぶので、ここでは団体監理型の解説をします。団体監理型は、企業が監理団体に加入して技能実習生を受け入れる方法です。監理団体が求人や受け入れ手続きなどを代行・サポートしてくれるので初めての外国人雇用でも安心です。
監理団体は複数個所あるため、ホームページなどを確認して自社に合った団体を見つけましょう。団体監理型での技能実習生受け入れの流れは次の通りです。
- 監理団体と契約する
- 監理団体を通じて求人を出す
- 採用面接などを経て採用者を決める
- 外国人実習機構に技能実習計画認定申請を出す
- 出入国在留管理庁に在留資格認定証明書交付申請を出す
- 送り出し国の日本大使館などへビザ申請を行う
- 技能実習生を受け入れる
監理団体は、技能実習生受け入れ後もさまざまなサポートを担ってくれます。こまめにコミュニケーションをとり、スムーズな受け入れを行いましょう。
5. 広島県で特定技能外国人を受け入れるには
広島県で特定技能として働く外国人は、令和3年10月時点で819人です。前年と比べると500人以上も増加しています。特定技能は平成31年4月から新しくスタートした在留資格なので、今後も増加傾向にあると言われています。
特定技能は、人手不足が懸念されている14の産業分野を対象とした在留資格です。特定技能の新設により、この14分野で外国人の雇用が解禁されました。特定技能の対象となっている14の産業分野は次の通りです。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
特定技能として外国人の雇用をしたいのであれば、まずは自社の業務がこれらの分野と一致しているかどうかを確認しましょう。外国人が特定技能を取得するには、次の2通りのパターンがあります。
- 技能実習からの移行
- 指定された日本語能力試験・技能評価試験に合格
いずれにしても知識や技術がある程度備わっている人材が多く、即戦力となること間違いありません。一方特定技能資格を所持した外国人を雇用するには企業側にも次の要件があります。
- 特定技能として雇用する人材の労働時間は、フルタイムであること
- 給与水準が日本人と同等かそれ以上であること
- 社会保険や労災保険、その他福利厚生を平等に適用すること
- 有給取得が利用できること
即戦力となる外国人を雇用するには、企業側もしっかり優遇しなくてはいけません。これらの待遇で雇用できるのであれば、特定技能を所持した外国人の雇用を考えましょう。特定技能を所持する外国人に対して求人を募集する方法は次のようなものがあります。
- 外国人向け就職・転職サイト
- 外国人雇用サービスセンター
- 大学・日本語学校
- 自社のホームページやSNS
できるだけ多くの方法で応募を募ったほうが、豊富な外国人材と出会えるでしょう。
6.【まとめ】技能実習/特定技能を活用して採用課題を解決!
ここまで、広島県の外国人人口と雇用状況、広島県での技能実習・特定技能の受け入れ方について詳しく解説してきました。広島県では、外国人にとって住みやすい街づくりと外国人材が活躍するための工夫がなされています。
特に技能実習・特定技能で外国人を雇用するのがおすすめです。技能実習・特定技能で外国人を雇用する場合の特徴を把握し、採用課題を解決しましょう。
厚生労働省 広島労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/hiroshima-roudoukyoku/home.html
広島県ホームページ 広島県国際化関係資料 令和3(2021)年版
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/38/kokusaikakankeishiryou2021.html
広島県ホームページ 外国人の雇用 お役立ち情報
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/foreigner-emp/list2782.html
外国人労働者アクセス 広島県の生産年齢人口と外国人労働者数(令和3年10月末現在)
https://gai-access.com/hiroshima/
Global HR Magazine 技能実習生を採用するには?募集から在留資格申請までの4つのステップ
https://global-hr.lift-group.co.jp/182
くらしジャパン 技能実習を徹底解説!1号、2号、3号の違いや職種を紹介
https://kurashi-japan.net/articles/30?lang=ja
外国人採用サポネット 特定技能とは?制度や試験方法、技能実習との違いを解説
https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/visa/1420