外国人労働者を雇い入れる特定技能で、インド人の受け入れが始まりました。インド人の特徴と雇用する際の流れを理解しておけば、人材不足の課題を解消できます。
この記事では、特定技能のインド人を受け入れる際の流れを詳しく解説します。最後まで読んで、インド人の雇用を検討してみてください。
目次
2021年からインドも特定技能の対象国になった
2021年よりインドが特定技能の対象国になりました。今まで特定技能はベトナム人や中国人・フィリピン人などが多かったです。インドは中国を抑えて世界で人口が最も多い国となり、労働人口を多く保有しています。
日本とインドが協力覚書に署名し、特定技能による人材の送り出しと受け入れ、就労問題の解決など、特定技能精度の基本的な枠組みが定められました。今後はインドからの特定技能人材を増やして、日本の労働人口減少問題を解消することが大切です。
日本国内のインド人数
特定技能でインド人を受け入れる前に、日本国内にいるインド人の数を把握しておきましょう。総務省が調査した2022年6月時点の日本国内にいるインド人の人口は、40,752人でした。
*参照 e-Stat 政府統計の総合窓口|在留外国人統計(旧登録外国人統計)在留外国人統計
そのうち、永住権を持っているインド人は7,964人、日本人と結婚して配偶者にしているインド人は525人です。留学目的で日本に訪れているインド人は1,692人、技術・人文知識・国際業務で日本に滞在しているインド人は8,934人いました。
特定技能で滞在しているインド人は、わずか40人と少ないです。技能実習で訪れているインド人は307人と特定技能より多いことが分かりました。特定技能以外にもさまざまな理由で、インド人が日本に住んでいます。
日本国内の特定技能人材
次は日本国内にいる特定技能人材を確認しておきましょう。インド人の特定技能人材は40人しかおらず、いまだ特定技能2号へ移行した人材はいません。
日本国内にいる特定技能人材の総数は87,471人でした。そのうち、アジアから特定技能で働きにきている人材は87,365人とほとんどアジアからの人材が多いです。
ベトナムから訪れている特定技能人材が52,748人、インドネシアからの特定技能人材は9,481人でした。インド人の特定技能人材が40人であることを考えると、まだまだインド人の雇用が足りていません。
ベトナム人やインドネシア人と同じように、インドからの特定技能人材が増えればより日本の人手不足が解消されるでしょう。
インド人の特徴とは
インドからの特定技能人材を受け入れるには、インド人の特徴を理解しておかなければなりません。インド人の特徴は、以下の通りです。
- フレンドリーな個人主義
- ルーズで柔軟性が高い
- 縦社会が根付いており上司に忠実
- 合理的思考が多い
それぞれの特徴をふまえて、インド人の雇用に備えましょう。
フレンドリーな個人主義
インド人は、フレンドリーで個人主義的な思想が多いです。自分を個としてとらえ、自らの能力やスキルに見合った報酬を求めます。そのため、スキルを磨くことに貪欲でまじめに働く人材が多いです。
また、個人主義でありながらもフレンドリーにコミュニケーションをとる傾向があり、組織内で孤立することはありません。初対面であっても家族やプライベートの話に踏み込むフレンドリーさがあり、職場内を明るくできるポテンシャルを秘めています。
ルーズで柔軟性が高い
インド人は、時間にルーズで柔軟性が高い傾向があります。
生まれ育った環境が影響しており、環境の変化が突然訪れても抵抗できないと考える方が多いです。そのため、計画通りに仕事をするより、臨機応変に対応して仕事を遂行する柔軟性を持ち合わせています。
急なトラブルにも対応できる柔軟性がありますが、時間や待ち合わせにルーズな一面があるため注意が必要です。しかし、その日決めたことは必ずやり遂げようとするため、本人の意向を聞いて柔軟に働かせてあげましょう。
縦社会が根付いており上司に忠実
インド人は階級社会で育っているため、縦社会が根付いています。そのため、職場の上司に忠実な傾向があり、的確な指示を出せば仕事面でも高い成果が期待できるでしょう。
その反面、横のつながりが弱い傾向があり、同僚と協力して仕事をするより個人の成果を重視します。縦のつながりを大切にするインド人は、上司が的確な指示をしてパフォーマンス能力を発揮させましょう。
合理的思考が多い
MicrosoftやGoogleなど、世界的なIT大企業の最高経営責任者はインド人が多いです。インド人は合理的思考をする方が多いため、日本人にはない早めの決断ができます。クライアントと関係性を構築して気長に成果を出す日本人に対して、インド人は見込みがないクライアントを早々に切り上げる方が多いです。
日本人からすると短絡的思考に見えることもありますが、社内に新しい意見を取り入れると考えて、インド人の意見も参考にしてみてください。
特定技能でインド人を雇用する流れ
特定技能でインド人を雇用する際には、どこから人材を受け入れるかが大切です。インドから来日して働きに来る人材か、国内にいるインド人を受け入れるかで、雇用する際の流れが変わります。それぞれの雇用する流れを確認して、インド人の特定技能人材を受け入れましょう。
インドから特定技能で雇用する場合
インドにいる人材を特定技能で雇用する場合は、次の流れが必要です。
・雇用契約の締結
インド国籍の人をインドから新たに特定技能外国人として受け入れたい場合、特定技能に係る雇用契約を締結します。日本の受入機関は、インドの送出機関を通じて人材を提供してもらって雇用契約を締結するか、直接インド国籍の方と連絡を取り雇用契約を締結しましょう。
・在留資格認定証明書の交付申請(日本側の手続)
受入機関は、地方出入国在留管理官署から特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請を行ってください。
同証明書が交付された後、雇用契約を締結したインド人材へ同証明書の原本を郵送します。
・査証発給申請(日本側の手続)
特定技能外国人として日本へ働きに来るインド国籍の方は、届いた在留資格認定証明書を在インド日本国大使館に提示します。その後、特定技能の査証発給申請を行いましょう。
・特定技能外国人として入国・在留(日本側の手続)
インド国籍の人が日本での上陸審査を許可されれば、「特定技能」の在留資格が付与されます。
・eMigrate登録(インド側の手続)
インド国籍の人やインドの送出機関は、インド政府が管理するシステム「eMigrate」に特定技能人材を登録できます。なお、登録は義務ではなく任意です。
*参照 総務省|インド国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
インドから特定技能人材を受け入れる際には、在留資格認定証明書の交付や査証発給申請などの手続きが必要です。
国内のインド人を特定技能で雇用する場合
すでに日本国内に住んでいるインド人を、特定技能で雇用する際の流れは次の通りです。
・雇用契約の締結
日本に在留するインド国籍の方を特定技能外国人として受け入れたい場合、受入機関が特定技能の雇用契約を締結します。
・在留資格変更許可申請(日本側の手続)
雇用契約を結ぶインド国籍の人が、特定技能外国人として就労するためには、地方出入国在留管理官署に対し、「特定技能」への在留資格変更許可申請を行わなければなりません。申請をして、インド国籍の人の在留資格を変更できれば、手続きは完了です。
国内に住んでいるインド人を特定技能で雇用する場合は、在留資格を変更するだけで手続きが終わります。特定技能でインド人の人材雇用を検討している方は、受け入れまでの流れを把握しておくようにしましょう。
*参照 総務省|インド国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
まとめ|フレンドリーなインド人を受け入れて人材不足を解消しよう
人材不足で悩んでいる企業は、フレンドリーなインド人を特定技能で受け入れてみましょう。2021年よりインドが特定技能の対象国となりましたが、まだまだ雇用人数は少ないです。ベトナム人のようにインド人を特定技能で受け入れる企業が増えれば、日本の労働人口減少問題を解消する手助けができます。
インド人は柔軟性が高く上司に従順な人材が多いため、仕事でも高いパフォーマンスが期待できるでしょう。インド人を雇用する流れを把握して、特定技能人材の受け入れを検討してみてください。
【参考記事】
特定技能ビザ採用サービス徹底比較 【特定技能の対象国】インドを知ろう?経済や言語、宗教などを解説!
https://tokuteiginou-hikaku.com/useful/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E6%8A%80%E8%83%BD%E3%80%8C%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E3%80%8D%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E6%A5%AD%E5%8B%99%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%82%84%E3%82%B9/
外務省 インドとの「特定技能」に係る制度の適正な運用のための連携の基本的枠組みに関する協力覚書(MOC)の署名
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000732.html
e-Stat 統計でみる日本
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250012&tstat=000001018034&cycle=1&year=20220&month=12040606&tclass1=000001060399&tclass2val=0
グローバル採用ナビ インド人を採用するには?インド人の仕事の特徴【インタビュー】
https://global-saiyou.com/column/view/interview_India
外国人採用ナビ 外国人数のTOP7、国別の特徴や接し方と日本語指導方法【インド人材編】
https://gaikokujinsaiyonavi.com/japanese-teaching-method-indian/
~特定技能外国人の受入機関の方々へ~ インド国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
https://www.mlit.go.jp/common/001406842.pdf
インド特定技能外国人に係る手続の流れについて
https://www.mlit.go.jp/common/001406843.pdf
Global HR Magazine 在留資格「特定技能」とは?特定技能外国人の採用から支援まで徹底解説
https://global-hr.lift-group.co.jp/7