特定技能でネパール人採用のメリットとは?採用方法や注意点を解説

求人を出すことを考える際、特定技能制度を活用してネパール人の採用を検討する企業も多いのではないでしょうか。しかし、ネパール人を採用する場合、ほかの国の人材採用とは異なる手続きが必要となるため注意が必要です。

今回は、特定技能でネパール人を採用する際のメリットや採用方法、注意点について解説します。ネパール人の採用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

特定技能制度を活用してネパール人を採用するメリット

ネパール人の受け入れを検討している企業では、採用することによってどのようなメリットが得られるのか気になる方も多いでしょう。

この項目ではネパール人の特徴や、特定技能制度を利用して採用する際のメリットについてご紹介します。

ネパール人の特徴

ネパール人のおもな特徴に、次の3点が挙げられます。

  • 文化・価値観に寛容
  • 助け合いの精神
  • 時間にルーズ

ネパールは中国とインドの国境に接し、さまざまな国が交わる位置にあるため、多様な文化や価値観が入ってきやすい環境と言えます。そのため、ネパール人は多様な文化や価値観に対して寛容な姿勢を持っているのが特徴です。

また、ネパールは山々に囲まれていますが、水や資源などは十分でないため、豊かとは言い難い地域も多くあります。そのような地域では、周りの人々と協力し合いながら暮らしてきた歴史があるため、助け合いの精神が根付いているとも言えるでしょう。

一方で、ネパール人はアジア諸国の人々と同様に、時間にルーズといった特徴もあります。日本人のように、時間をきっちり守る習慣が根付いていないため、ゆったりとした時間の感覚を持っている方が多いことも覚えておきましょう。

特定技能でネパール人を採用するメリット

続いて、ネパール人を採用する際のメリットを3つご紹介します。

  • コミュニケーションがとりやすい
  • 仕事への意欲が高い
  • 日本の労働習慣や価値観への理解が早い

ネパール人は比較的穏やかな方が多く、親切心があるため人との付き合いにも慣れています。そのため、多くの外国人労働者のなかでも、コミュニケーションを取りやすい人が多いでしょう。

また、日本と比較するとネパールは給与水準が非常に低く、出稼ぎ目的で日本を訪れる方が多いのが現状です。このことから仕事へのモチベーションが高く、日本人以上の働きが期待できます。

さらに、前述のとおりネパール人は多様な文化・価値観に対して寛容です。日本企業においても、日本独自の労働習慣や価値観への理解が早く、日本の環境を受け入れるまでに時間を要さない点が大きなメリットといえるでしょう。

特定技能ネパール人の採用方法

特定技能制度を利用して外国人を受け入れる場合、国によって手続き方法が異なります。また、現地からもしくは日本国内からなのかによっても方法が変わってくるため、注意が必要です。

この項目では、特定技能ネパール人の現地からの採用方法、日本国内からの採用方法についてご紹介します。

ネパールから採用する方法

まずは、特定技能のネパール人を現地から採用する方法についてご紹介します。

受け入れまでの流れは、次のとおりです。

  • 求人情報公開
  • 雇用契約締結
  • 在留資格認定証明書交付申請
  • ビザ発給申請
  • 健康診断・オリエンテーション受講
  • 海外労働保険加入・支払い
  • 海外労働許可証取得
  • 特定技能として入国

ネパール人採用の特定技能制度では、ネパール人に対して日本企業が直接採用活動をおこなうことを認めています。また、駐日ネパール大使館へ求人申し込みを提出して採用活動をおこなうことも可能です。

求人申し込みを提出すると、ネパール大使館からネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局の日本担当部門に求人情報が送られ、その情報が求人希望者に開示されます。そして採用者が決定した段階で、特定技能に係る雇用契約が締結されるのです。

このとき、受け入れ企業は地方出入国在留管理官署に対して、特定技能の在留資格認定証明書交付申請が必要です。証明書が交付されたら、原本を該当のネパール人に郵送します。その後証明書を受け取ったネパール人は、在ネパール日本大使館で証明書を提示し、特定技能におけるビザの発給申請をおこないます。

また、ネパールの制度上、特定技能外国人として来日を希望する場合、指定医療機関での健康診断、出国前オリエンテーションの受診・受講が求められます。さらには海外労働保険の加入、海外労働者社会福祉基金への費用の支払いといった手続きも必要です。

ビザの申請がとおると、該当のネパール人はオンラインにて海外労働許可証の発行申請をおこないます。雇用手続きをしていてもこの手続きをしなければ日本で働けないため、注意しましょう。発行された許可証は、出国審査にて確認されます。

無事に日本への上陸が許可された場合、正式に特定技能の在留資格が付与され、就労開始となります。

日本国内から採用する方法

続いては、特定技能のネパール人を日本国内から採用する方法についてご紹介します。受け入れまでの流れは、次のとおりです。

  • 雇用契約締結
  • 在留資格認定証明書交付申請

受け入れ企業は、ネパール人と特定義の雇用契約を締結します。雇用契約書に関しては、ネパール人が理解できる言語で作成しなければなりません。

そして、特定技能として就労するには、地方出入国在留管理官署で特定技能の在留資格変更許可の申請が必要です。変更許可が下りると、正式に特定技能として就労できます。

また、特定技能資格を保有しているときに一時帰国を希望する場合、海外労働許可証の発行申請をおこなう必要があります。申請先は、ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門です。

以下の参考リンクには、出入国管理庁によって作成された書類が掲載されています。特定技能のネパール人受け入れまでの流れが詳しく記載されているため、あわせてご確認ください。

*参考 特定技能外国人の受入機関の方々へ

特定技能でネパール人を受け入れる際の注意点

この項目では、特定技能でネパール人を受け入れる際の2つの注意点をご紹介します。

海外労働保険の加入・海外労働者社会福祉基金への支払い

特定技能としてネパール人を受け入れる場合、対象となるネパール人は海外労働保険への加入、海外労働者社会福祉基金へ費用の支払いが求められます。

手続きに関しては、企業側がおこなうものではありませんが、ネパール人にとっては負担が生じるため、面接時や雇用契約の締結をおこなう際に詳しく説明してあげるとよいでしょう。

海外労働許可証の取得

もう一点、海外労働許可証の取得が必要な点にも注意が必要です。雇用契約の締結が完了していたとしても、海外労働許可証の手続きが実施されていない場合、日本での就労が認められません。

前述の海外労働保険の加入や海外労働者社会福祉基金への支払いと同様に企業側でおこなうものではなく、ネパール人側が対応すべきことですが、これらの手続きが必要であることは覚えておきましょう。

まとめ|ネパール人は仕事への意欲が高く理解も早い

今回は、特定技能でネパール人を採用するメリットや採用方法、注意点について解説しました。ネパール人を採用するメリットとしては、コミュニケーションが取りやすく、仕事への意欲が高いことが挙げられます。そのため日本の労働習慣や価値観への理解が早く、環境に慣れるまでに時間を要さないでしょう。

現地から受け入れる際は、雇用契約締結後にいくつかの申請や保険への加入・支払いなどが完了することによって、海外労働許可証が取得できます。一方で、国内から受け入れる際は、雇用契約締結後に在留資格認定証明書交付申請をおこなうだけで構いません。

また、ネパールの制度上、特定技能のネパール人は海外労働保険への加入や、海外労働者社会福祉基金へ費用の支払いが求められます。海外労働許可証の取得が必要な点にも注意しておきましょう。

【参考記事】

Jinzai Plus 【特定技能】ネパール人の採用ルートや注意点、費用などをまとめて解説

https://www.jinzaiplus.jp/posts/128

特定技能ビザ&登録支援機関相談センター 【ネパール】特定技能外国人を国内外から受け入れる際の流れを解説

https://samurai-law.com/tokutei/column_tokuteigino/tokutei02/

MUSUBEE 特定技能ビザでネパールから採用する場合に必要な手続き、注意点

https://musubee.co.jp/blog/nepal/

介護の人事労務ナビ ネパールの特定技能介護人材|受け入れに必要な手続きと受け入れ前の注意点を解説

https://care-infocom.jp/article/14795/